名称未設定さんのレビュー一覧

絵も設定も大好き

細かいところまで綺麗に描かれていて、とても絵が綺麗です。
幼い頃、初恋の証として「紅血の契約(アーティクルブラッド)」を結んだ千代と雪。しかし、その後の出来事によって淡く幼い恋は引き裂かれます。
中学生と高校生になっても、一途に千代を思い続ける雪と、恋愛から目を背けて、目的のために雪に血を与え続けてきた千代の2人の関係にドキドキします。特に吸血シーンでは、身体の近さと対象的に心には距離があって、近くて遠い… でも、千代も雪のことを信用してるんだなっていう微妙な距離感が設定の絶妙なところです。
2人の関係がこの先どうなっていくのか、目が離せません。

どの巻も好きだけど、この巻も大好きなシーンがいっぱいです。千代の部屋で千代と雪がケンカするシーンとか、千代が雪に感謝を伝えるシーンとか。
特に、苦悩する千代への雪の台詞
「変なこと考えるなよ
　悩んでも無駄だってわかんない？」
からのシーンが1番好き。
先の巻を読んでからこのシーンに戻ると、これが心を閉ざしてきた千代に対する雪なりの守り方なんだなって思います。心を開いた千代にはちゃんと伝わったし、雪もストレートに思いを伝えられるようになって、2人の関係の変化がよく表れているシーンだと思います。

幸せな過去の思い出が全て偽りの上に成り立っていた事を知った千代。養父母の死の真相と本当の両親が何者なのかを突き止めるために潜入した社交界で、さらに残酷な事実を知ります。
千代と雪の距離も縮まり、新たな登場人物も加わってストーリーが一気に広がります。

紅血の契約再び

1巻の最後で契約を破棄した雪と千代。
契約を切って大ピンチに陥った千代は自分には紅血の契約が必要だと思い知らされます。
怖い思いをした千代は、今まで近すぎて気付かなかった雪の存在の心地よさに気付きます。再び紅血の契約を結びますが、身体を巡る雪の血の熱さにずっと閉ざしていた心をこじ開けられるようで、身も心も平静ではいられなくなって…
過去の事件を巡ってサバイバルゲームで争う2人のこの先の展開も気になるけれど、幼い頃の2人も可愛いくて、2人の間に何があったのか気になります。

遊びに全力投球な閻魔様

能力は高いのに仕事から逃げて遊び回る閻魔大王と、偶然その補佐官に選ばれてしまった兎鞠が勘違いで婚約してしまったところから始まるラブストーリー。ギャグ漫画的な要素が強く、ドキッとするシーンがあってもシリアスになりきれない感じが好きです。
こんな閻魔様は嫌だ！
こんな上司は嫌だ！
と言いたくなるダメンズなヒーローですが、軽やかなタッチで結構笑えます。