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大河ドラマ宇宙版!
SFやスペースオペラ、と聞くと、一般文芸読者にはしばしば忌避されがちなジャンルだと思う。ましてやこちらの作品は、ライトノベルだと時おり勘違いされてしまう。
しかしこの作品は、大のオトナにこそ読んでほしい。
独裁専制政治の隅から、やがて民主主義という名の芽が生まれる。その芽は志高き人々のおかげで立派に育ち、大木となる。だが大木もいつしか樹勢を失うのと同様に、民主主義の中にも綻びが生まれる。口達者な一部の政治家たちに国の命運を任せきりになり、人々は政治に無関心になってゆく。その無関心が、社会にまた新たな独裁者を産むことにつながる。
そういうふうに人類社会が繰り返してきた歴史を、宇宙という架空の舞台で巧みに再現した歴史小説である。
数百人にも及ぶ登場人物。それぞれに、置かれた立場の違いがあり、ドラマがある。これはもう大河である。
専制政治側にも、民主政治側にも主人公を置き双方の側面から著述されている点は新鮮だった。(初読はもう20年前のことだが)
刊行からこれほど年月が経っているにもかかわらず、今でも色あせることなく語り継がれている名作。
私はこの作品を読んだことのない人が羨ましいのである。
その衝撃にこれから出会えるのだから。