ブロンズ
レビュアー
  • DINKsのトツキトオカ 「産まない女」はダメですか?(分冊版) 【第40話】
    ネタバレ 購入済み

    生きづらいだろうなと思う

    人物の描き方がとても繊細で、誠実でとても感動しました。


    だからこそ、ドラマ版の、とても偏った人物の描き方にはとても残念に思っています。

    アサや青田さんは生きづらい性格だろうなと思う。

    人生では理不尽なことに遭ってしまうことはある。そこには理由なんて無い。誰にも責任なんてない。

    アサの母が言ったように、出産になんて、ちゃんとしてても流れることもあれば、ちゃらんぽらんでも産まれるものは産まれる。
    努力しても叶わないこともあるし、努力しなくても叶ってしまう。
    まさに神様がサイコロを振って決めているみたいなもの。
    健常に産まれる子、特性を持って産まれる子、誰もコントロールはできない。(特性を持った子が不幸になるとも限らない)

    でも、アサや青田さんのような「合理的」な人たちにはそれが受け入れられないんだと思う。だからこそ、「非合理的」な出産というものを嫌悪していたんだと思う。

    自分のことは嫌い、そんな自分に似た子になったら嫌。自分の子供を愛せるか分からない。
    どんな子どもになるかコントロールできないなら、出産なんてしません。
    予想外なんて嫌です、ゼロリスクでお願いします。
    こういった考えなんだと思う。


    でも、そんなことはありえない。それは人生そのものの否定だ。
    家から一歩だも出たらリスクだらけだ。交通事故で死んでしまうかもしれないし、通り魔に襲われるかもしれない、、、
    それはみんな分かっているし、そのリスクを受け入れている。だからこそ人生を懸命に生きる。

    それは何も考えていない訳でもない。自分だけは大丈夫だと思うのも、ドラマ版の青田さんが言うように決して「傲慢」ではない。
    傲慢なのは青田さんの方だろう。


    だから、私は哲也のことを否定はできない。色々あるかもしれないけど、まあなんとかなるだろ。
    これが一番大事な考えじゃないだろうかと思う。

    本話を読んで改めてそう感じました。
    いろいろ考えさせてくれる傑作だと思います。
    ぜひいろんな人に届きますように。

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    2026年06月10日