• 高嶺の花には逆らえない 3
    ネタバレ

    作者やっちゃったな感が否めない

    前半はほとんど過去編。立花さんの2巻までの言動への伏線が回収されていき、なぜ今の立花さんが出来上がったのかについて言及。ここは良かった。また、このシリーズの特徴である「あまりにも鈍感すぎる主人公」の言動や描写が今作も生きており、ここも面白かった。

    ただ、後半があまりに酷い。
    最終的に主人公は立花さんではなく、武田さんを選んだ。そんな展開があっても良いとは思うが、そこへ至る主人公の感情の変化を示唆するような描写が少なく、あまりにも読者が置いてけぼり。これでは突拍子のない展開で読者の気を引こうとしているように思えてしまい、かなり残念。
    また、主人公が立花さんを振った理由もどうも腑に落ちない。好きな人の理想になれるように自分を変えようと努力した相手を「それは自分の好きな努力じゃないから」と言い放って振るのは無いのではないか。立花さんのこれまでの努力を全否定した上、あとのフォローは妹任せ。さすがにこのムーブは納得がいかなかった。

    全体として見ると、圧倒的に感情変化や描写が足りない。
    例えば、遊園地は、立花さんが無理しようとしていたと書かれていただけで、具体的な話があったわけではない。そのようにダイジェストで書かれても、読者は感情移入が難しい。

    武田さんを選ぶなら選ぶで、立花さんを選ばないなら選ばないで、しっかりと描いてほしかった。
    せっかく2巻まで積み上げてきたものを3巻で台無しにしてしまったと思う。2巻のラストで大きく期待していただけに、非常に残念だった。

    0
    2025年07月11日