唄猫さんのレビュー一覧

延長線の先ある優しい日常

ラス為公式アンソロ、本編ではなかなか見られないキャラクター一人一人の日常が色んな漫画家さんの柔らかな優しいタッチで垣間見られて良かった。
原作では苦しく悲しい物語も多くある中で、過酷な運命の延長線の先にある日常を描いてくれた事で、彼女達の世界の優しさにも触れられた気がします。
これからアニメが始まり、ラス為に興味を持った人が原作を読み進める途中でホッと息を吐く場としてすごく良いと思いました。
個人的にはジルベールとマリアの話が好きでした。

"自分"との戦いの物語

主人公が記憶を取り戻したところから始まる物語。
自分が悪役……『君と一筋の光を（通称:キミヒカ）』のラスボスだと気づいたから、あまりにも酷いことをし続けると分かっているからこそ、それをしないと決意し、残りの10年を充実したものに、そして最期は最愛の妹にそれを託そうとする主人公。

自分が手を伸ばせる限り、掴める限り、己が傷つくことを厭わず手を伸ばし救い上げようとする主人公プライドの全身全霊をかけたゲーム軸の"自分"との戦い。
主人公を始め、魅力あふれるキャラクター達が織り成す『幸福な未来』に向けた物語。さまざま危機を主人公の前世の記憶と、キミヒカラスボスとして与えら...続きを読むれたチート能力を駆使して解決していく。

この作品は恋愛要素よりも人と人との出会いや、その中で紡がれる優しさ、そこに多く張られている伏線。本筋とゲーム軸とで進む事で、一つの物語を多方面から見せ、キャラクター一人ひとりの成長や心情を深く読み解くことができるのが魅力だと思います。
ジャンルとしてはラブファンタジーとなってますが、激しい戦闘や、そこに至るまでの問答も魅力の一つかと。
個人的にはただ愛されるだけではない、強い意志を持った主人公が大好きです。

WEB版よりも精錬された書籍版だからこそ、改めてこの物語の核を知る事ができました。こちらを読み、改めてWEB版を読むのも楽しみの一つになるかと思います。

新たな展開に向けて

いつものようにその場に同席したくなるようなご飯シーンが沢山あり、今回もお腹を空かせながら読み進めさせていただきました。商品開発のシーンはそれぞれのキャラクターの特徴、性格が見え、ひとりひとりの別の面も見え、楽しかったです。
また、新しく出てきたキャラクター達も魅力に溢れ、ニコニコ楽しく、時には彼らの心情を思って泣きながら読み進めておりました。さらに新たな展開に向けての伏線になるような部分も見えたり……
今後の展開が楽しみでしょうがないです。
後半部分のベルニージに関するお話は個人的に一番刺さりました。
web版よりも加筆もかなりされており、web版を読んでた方も十分楽しめるかと思います...続きを読む。
ヴォルフとダリヤの関係性も今後どういう風に変わっていくのか楽しみです。