あらすじ
誰にも秘密で愛と癒しの彼ごはん
強がり社畜女子×過保護な料理男子の飯テロラブ
仕事一筋な干物女子の市子。ところがある朝、二日酔いで目覚めると、苦手なイケメン後輩・一悟と同じベッドの中にいて…!? 市子は驚くが、彼に「俺のことをもっと知ってください」と迫られ、つい勢いでOKしてしまう。しかも一悟がマンションのお隣さんだと発覚! その日から、市子の部屋で彼の手料理を一緒に食べる秘密の関係がスタート。会社では成績を競うライバルなのに、家では徹底的に甘やかしてくる彼に、市子はときめき始めてしまい…。
本作はWeb上で発表された『ストロベリー・ラブホリック』に、大幅加筆・修正を加え改題したものです。
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Posted by ブクログ
相手の好意を素直に受け取れずに可愛げのない発言をしてしまうところ。
それで後から自己嫌悪に陥るところ。
そんな自分が可愛くないと自覚しているところ。
でも変なプライドが邪魔をして素直になれないところ。
そんな市子さんは、自分を見ているようで非常に好感が持てた。
分かる、分かるよ市子さん。
しかも、そんな彼女はお客様のために頑張れる人なのに、「女性だから」という理由だけで仕事を下されたり、不当な扱いを受けたりしている。
仕方がないことと周りにそう言って、自分にも言い聞かせて乗り越えようとしても、傷ついていない訳ではない。
それに気付かせてくれたのは、お隣で年下の部下だった。
山田くんが一夜の過ち以前から市子さんを気にかけていたのは、途中で色々伏線があったので読者側には筒抜けで。
彼の気持ちが早く市子さんに伝われ、伝われと途中からはすっかり応援モードに。
でも、前述通り、市子さんの気持ちにも共感できるので、彼の好意を素直に受け取れないのも、自分の中で芽生えつつある恋心を認められないのも分かる訳で。
結局誤解とお節介から関係の解消を言い出したのは市子さんで、でもそこからは電光石火の手のひら返しでびっくり。
市子さん、行動が早い。
そして手のひら返しされた山田くん、そりゃ「心臓止まる」と言いたくなるのも分かる。
そこからは、タイトル通りの甘い甘い展開。
ごちそうさまです。
市子さんも、山田くんも、仕事なり恋愛なり立ち位置なりが報われないことが多かった二人なので、そんな二人が互いに甘えたり甘やかしたりできる相手と一緒になれたことは本当に喜ばしいと思う。
どうかどうかお幸せに。
巻末には山田くん視点の本編振り返りと後日談も。
市子さんからは見えなかった部分も見えるので、いい補完話になっている。
最後まで楽しませていただきました。
それにしても、あの夜をよくぞ耐えた、山田くん!
彼視点の話を読んで改めて思った。