【感想・ネタバレ】数学とはどんな学問か? 数学嫌いのための数学入門のレビュー

あらすじ

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数学が苦手?
それは「錯覚」です。

――カオス理論の権威が説く、「本当は誰もが好きになれる数学の世界」!

【数学の「本質」を知れば、新しい世界が見えてくる】
多くの人は、数学という学問を誤解しています。
難しい、とっつきにくい、役に立たない……
数学に対するこうしたイメージは、すべて「錯覚」です。
人々の「素朴な思い」から生まれた学問なので、
段階を踏んでいけば、誰にでも理解できるはずなのです。
本書では、「測定」「計算」「論理」という基本から
数学が持つ本質的な構造と役割を問い直していきます。
“数学の階段”を登っていくと、あなたの想像を超える広い世界が見えてくるでしょう。

数学が嫌いな人は、数学がちょっと好きになるはずです。
もともと数学が好きな人は、
これまでとは違う視点から、新しい数学の魅力を感じてもらえるはずです。


◆本書の内容
プロローグ 「数学嫌い」は錯覚である ~「数学とはどんな学問か」を考える前に
ステップ1 「数学のはじまり」を知ってみる ~数学は人間の想念そのものである
ステップ2 「数学の本質」に触れてみる ~数学はもっとも誠実な学問である
ステップ3 「数学の最初のつまずき」を解消する ~苦手意識はここから始まる?
ステップ4 「数学のおもしろさ」を感じてみる ~“意味”が分かれば見える世界が変わってくる
エピローグ 数学とはどんな学問か? ~数学の“階段”を登ると見えてくるもの

私にとって心安らげる場である数学が、多くの人々に「とっつきにくい」と思われていると聞くと、
寂しいような、ちょっと不思議な気持ちになります。
なぜなら、数学は誰にでも理解できる、誰にでも好きになれる学問だと思っているからです。
数学は、誰に対しても平等で、誠実な存在なのです。 ―――「はじめに」より

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Posted by ブクログ

数学入門的な本は世の中にたくさんある。その中には数式を使わずに優れたものもあれば、大切なところを誤魔化してわかりやすくしようとしているものもある。ブルーバックスのような科学的な啓蒙書を中核にした新書でも、満足不満足は結構しっかりと分かれる。
津田一郎先生の本ということで、きっと基本的な事柄を扱いつつも、数学の本質のようなものを垣間見せてもらえると思って読むことにした。期待に反せず素晴らしかった。
以前から様々な場面で、数学は心の動きであることを述べられているが、その事を軸にわかりやすく数学とはどんな学問かが説明されている。
中高生が手に取る事はあるのだろうか。数学を苦手と思っている人が手に取る事はあるのだろうか。
多くの人が手に取って、数学を学びたいと思って欲しいなぁと感じた。

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2026年01月16日

Posted by ブクログ

書いてある内容は半分は理解できなかった。しかし、分かるところも多くある。
数学を勉強したくなりました。少しずつ中学・高校の数学を勉強します。(数日前に小学校算数の本は読み終わりました。)

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2022年01月02日

Posted by ブクログ

数学を単なる計算技術ではなく、「人間の心の働き」や「世界を捉える方法」として描いている点が非常に印象的だった。

冒頭で語られる「大人は嘘をつくが、数学は嘘をつかなかった」という言葉が強く残った。社会では価値観や立場で答えが揺れるが、数学には前提を共有すれば揺るがない真理がある。また、「文字や数式は人間の心の奥底にある共通部分を形にしたもの」という視点も面白い。数学は冷たい記号操作ではなく、人間の抽象化能力そのものなのだと感じた。

数学は「意味のない記号に意味を与える」学問でもあり、それがつまずきの原因にもなるという説明も納得感があった。自然言語は単語自体に意味があるが、数学では記号そのものに後から意味を付与する。この柔軟さが、数学を「世界でもっとも多様な現象を表現できる言語」にしているという指摘は新鮮だった。

また、「数を数える」という行為にも“同一視”という高度な抽象作用があることに驚いた。形も大きさも違うリンゴを「同じ1」として扱うこと自体が、すでに数学的な心の働きなのだと思う。

負の数や虚数の歴史も興味深い。負の数は長く「借金の数」として拒否されていたが、0と数直線の導入によって自然なものとして受け入れられたという話は、人類の認知の変化を感じさせた。虚数についても、「方程式を解きたい」という欲求から数の世界が拡張されていったという流れが面白い。数学は実用だけでなく、「解けないものを解きたい」という純粋な知的衝動によって発展してきた学問なのだと分かった。

「四則演算は定義される」という表現にも驚かされた。足し算や掛け算は自然に存在するものではなく、人間が作ったルール体系なのだという感覚は新鮮だった。高度に抽象化された現代数学も、出発点は素朴な四則演算であるという点も印象深い。

測ることについての章では、「ものの次元とは、それを測る物差しの次元である」という考え方が強く残った。一次元の物差しが長さ、二次元が面積、三次元が体積という説明は当たり前のようでいて、普段は全く意識していなかった。「測る」という行為自体が世界に“大きさ”という概念を与えているという話も、数学が世界を構成する側面を持つことを感じさせた。

三角関数や対数の話では、天文学との結びつきが興味深かった。星の位置や距離を測るために三角法が必要だったこと、また人間の感覚(音や臭い)が対数的に変化を受け取っているという話から、数学が自然や認知の構造と深くつながっていることを実感した。

微分の章では、「接線とは限りなく近づけた割線である」という極限の発想に改めて驚いた。現実には存在しない“限りなく近い”という概念を導入することで、瞬間の変化率を扱えるようになったというのは、人類の思考の飛躍だと思う。ニュートンの流率法が煩雑で広まらず、ライプニッツの記号法が普及したという話からは、「正しいだけではなく、他人が理解し扱える形で表現されること」が学問の発展には重要なのだと感じた。

さらに、非整数次元やフラクタルの話も印象に残った。水が氷になる相転移や株価変動のような“秩序と無秩序のはざま”に非整数次元が現れるという説明は、世界が単純な整数次元だけでは表せないことを示していて面白かった。

本書全体を通じて感じたのは、数学とは単なる計算技術ではなく、

「世界をどう捉えるか」
「人間の心はどう抽象化するか」
「何を“同じ”とみなすか」

を探究する学問だということだった。数学を通じて、人間の認知や論理、さらには社会との関わり方まで見えてくる感覚があり、非常に刺激的な読書体験だった。

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2026年05月18日

Posted by ブクログ

数学の捉え方や考え方、感覚がすごく分かりやすく、肩の力を抜いて読めたことがとても良かったです!
"数学嫌い"の人に寄り添った物を摂取したくて読み始め、私は"数学"は嫌いではないけど、数学のイメージがより柔軟に広がりました。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

数学の研究者として、数学の有用性を説いた一冊。
印象に残ったこととしては、数学は誠実性のある学問であるということと、すぐに答えを求める姿勢は、数学好きにはなれないということ。数学がどのように用いられているのか、数学がどのように発展してきたのか概略を知りたい人におすすめ。

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2023年02月21日

Posted by ブクログ

数学嫌いのための本は何冊も読んだが、これはレベルが合っていて面白かった。
分かったのは高校数学レベルまでたが、久しぶりに三角関数と対数を思い出せて懐かしい。
ステップ4は理解できたとは言い難いが、匂いは嗅げたので満足。
数学が人の思いを表したものという著者の考えに納得した。
良書でした。

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2022年08月25日

Posted by ブクログ

本書が想定する主なターゲットというかレベル感としては、高校で数学につまずいてしまった文系が相当かと思います。著者が理解できなくてもよいと明示している部分以外の内容は文系数学で十分理解可能です。

私は数学に対して嫌いというより苦手という意識を持っていたので、その苦手意識の根本がどこにあるのかを突き止めたいと思い、本書の助けを借りました。
正直なところ、ヒントは所々にあったものの、数学に対するモヤモヤの正体は本書からはわかりませんでした。やはり数弱の苦手意識にフォーカスしきれていない感は否めないと思います。私は高校数学レベルの解析学を数字や記号の単なる処理方法として学んでしまいましたが、そういう典型的な文系脳が数学をちゃんと理解するには、正攻法だけでは十分ではないのでしょう。

その上で、「身近なものではないと感じられた瞬間に興味が失せる人は多い」という指摘は非常に的確で示唆的だと思います。文系領域で具体的な事象ばかり扱っていたために、数学に限らず抽象的・思弁的な思考が苦手になっていることに気付かされました。

数学の面白味はしっかりと伝わってくるのが、本書の優れたところでしょう。著者は数学のエスタブリッシュメント出身の学者ではないらしいのですが、彼が数学を見るときに通したレンズをのぞかせてくれる感覚で読み進めることができます。
内容についても、次元とものさしについての解説はとてもわかりやすく興味深かったです。とにかく読み進めていて楽しい、というのが全体を通しての所感です。
本書を通じて、数学は面白そうだ、もう少し数学に向き合ってみよう、と思えたのは大きな収穫でした。

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2022年02月18日

Posted by ブクログ

理系のわたしには学びなおし的にも悪くない本でした。

が、本当に数学が嫌いな人が手に取ったとして、読み進められるかというと少し疑問ですw

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2023年02月14日

Posted by ブクログ

副題に「数学嫌いのための数学入門」とありますが、本当に数学嫌いな人だと正直読み通せないかも(そういう人が自ら本書を読もうとするとは思えませんが)。

ただ、「数学の可能性や魅力に触れてみたい」「数学は苦手だけど何か気になる」みたいな人には面白いと思いますね。

基礎的な(かつ苦手な人が多い)分野として三角関数、対数、微積分の解説がありますが、だいぶあっさりしているので、本書だけで今まで理解できなかった人が理解できるとは思えません。

ただ、以降のハウスドルフ次元、三進数、フラクタルとカオス、ケーニヒスベルクの橋問題なども含めて、数学の不思議さや面白さに''触り''だけでも触れられるという意味では、読んでいてワクワクする感覚は味わえるかもしれませんね。

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2021年10月02日

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