【感想・ネタバレ】置き去りのふたりのレビュー

あらすじ

大好きだった彼が死んだ――心中だった。

みちかと太一が大学で出会った空人は、明るく誰からも好かれる人気者だった。二人は空人に密かに恋心を抱いていた。しかし、卒業から一年後。空人が死んだ。心中だった。

さらに空人の胃からは心中相手の小指が発見され、事件はマスコミにも大きく取り上げられた。空人の死がセンセーショナルに伝えられる一方、空人に想いをよせていた太一とみちかは、あまりに現実感のない事態を前にし、彼の死を受け入れられず葬儀でも涙一つ流せないでいた。

ところが、そんな二人のもとに一通の手紙が届いたことで状況は一変する。手紙には空人の字で「俺はふたりをいつまでも恨んでいるよ」と書かれていて――。

最愛の人の突然すぎる死と、悲しすぎるメッセージ。彼はなぜ、死を選んだのか。置き去りにされた二人が巡る、喪失と再生の物語。

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Posted by ブクログ

ハードな雰囲気で、でも出てくる人みんな嫌いになれない小説と、ソフトな雰囲気なんだけど、出てくる人に苦手な人が多い小説とありますが……これは後者。
まぁ、みんないろいろ事情はあるんでしょうけど……主要人物の一人が、どうしても途中からキライになってしまって、なんだかモヤモヤとしたまま読み続けることになってしまった。
さわやかな青春小説風(文庫カバーのイラストも……)なんだけど、私にとってはイヤミスに近いものがあるというか。

やっぱり、人は誰かを、自分の信じたいようにしか見られない生きものなのかなぁと思う。
「絶対的ないい人」も「単なる悪人」も存在しないのだ。
そしてそれに「被害者」「加害者」という要素が加わると、表立って非難しづらくなったりして……現実世界でもそう。
そんなこんなで、文章は結構上手でしたが、あまり私好みの読後感ではありませんでした。

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2021年12月01日

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