【感想・ネタバレ】某のレビュー

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ネタバレ

「今の自分に納得いかなくて全く違う誰かになれたらいいのに……」「朝起きたら佐々木希になってますように……」「Twitterでの自分はキラキラOLで彼氏とも上手くいってて……」「転職先ではパリピとして振舞おう……」そんなふうに普段から思いながら生活をしているわたしにとって、とてもぴったりな作品でした。
そして、本当に愛する人ができた時に他の誰でもない自分でありたいと願ったり、その人のために生きたいとか命を投げ出したりとか、本当の愛について深く考えました。

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2023年05月06日

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ネタバレ

無機質な存在「某」がいろいろな人間の形に変化して、人間に近づいて行くのが面白かった。
デッサンの時に強い感性を発揮するところからはじまり、悲しみに共感するようになったりして、なんともほろりとさせられます。
川上弘美さんの文体がとても好きです。

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2023年03月30日

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某って響きいいな。
こんな簡単に色んな人に変われたらなーって誰しも思うよなぁ。女にも男にも日本人以外にもなってみたい。しかも元の人間の記憶がありながら。
大切な人が出来たら変わらないことを望むかー。確かに。考えたことなかった。今のその人自体が好きなんだものね。ありのままが1番ってわけだ。

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2022年12月17日

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アイデンティティとはなんぞや、魂とはなんぞや、人間とは、自分とはなんぞや、生きるとはなんぞや、自己愛とは?自己犠牲とは?誰かのために生きたいと思うって、なんぞや?
川上弘美さんらしい、とっても不思議ワールドな小説です。
タイトル通り、某とした、「何者でもない者」たちが主人公。突然この世にあらわれて、いろいろなアイデンティティを持ちながら人間として生きていくのだが、人間ではない。人間ではないだけに、人間とは何か?と考えさせられる。年もとらないし、死ぬこともない。彼らも自分が何者なのかわからない。よくわからないけど、その時々に得た人格を演じて生きる。何かの拍子にカップル的なものもできるけど、愛しあうとか、相手のために尽くすとか、理屈ではわかるけどそういうことはできない。
別れを悲しむとかも、よくわからない。
でも、最初「ハルカ」として生き、最後は嬰児から生きることをやり直した「某」は、ともに成長したみのりを愛することによって、それまで知らなかったいろいろな感情をもつ。もう全く別物の何者かに変化したりもしない。変わったのだ。もしくは、何かを失い、何かを得たのだ。
ちょっと、「100万回いきたねこ」みたいな話だな、と思った。
とても不思議で、少し悲しくて、荒唐無稽で非現実的だけど、でも魂というのはこういうものかも、と腑に落ちたりもする。前世の魂の記憶がないだけで、こういうものなのかも。

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2022年02月13日

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人間に近い何かの目線で登場人物をみれるのが面白かった。最初は淡々と進んでいき感情の変化もそこまでないが、後半になるにつれ主人公の心の変化が大きく、豊かになっていくのが感じられて良かった。
何者でもない時は誰にでもなれるしどこにでも行けるが、愛するものなど執着が産まれたらそこにつながれてしまうというのは人間においても同じように感じた。人間でないものの話だけども、人間味を感じる話だった。

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2022年11月29日

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読む前の印象は、もっと怖くて仄暗いお話なのかな~‥と思いましたが、そんな事はなくてちょっぴり不思議なお話でした。

一見、突拍子もない摩訶不思議な話しに思えるけど、この物語を前世の記憶を少しだけ持っている人達の話と置き換えて読んでみると、非常にしっくりくる‥

何度も何度も変化(輪廻転生)を繰り返しながら
生とは?死とは?

問いかけながら

変わっていく事、変わらない事。

色んな人格になり、色んな人生を経験する事で、自身も知らない間に少しずつ成長していく‥

「愛するって何?」
「相手の為に生きたいって思える事だよ」

死を恐れなかったひかりが、愛する事を知って変化する事を恐れた事も、変化出来なくなった事も、魂の意志、成長を現しているように思えた。

最後の人格が「ひかり」という希望の溢れる名前なのも良かったな‥。

あと、個人的には何度か
途中禅問答のようなやりとりも出てきて、あ〜こういうの好き♡
と思いながら夢中で読み耽りました。

色んな解釈が出来る一冊
私好みのお話で面白かったです。

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2022年08月27日

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4.3
人が他人を必要とする理由が体感できたときに、「何者でもないもの」が「あるもの」になるのかななどと考えさせられた。
色々な人を経験していくことで、共感や他人を大事に思う気持ちを得ていく、主人公の変化を感じられた。
若干、変化する人が多すぎて、途中中だるみした気もした。

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2021年10月21日

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【2023年114冊目】
大体あらすじを頭に入れずに読み出しちゃうことがほとんどなんですけど、いや〜不思議な小説でした。川上弘美さん、SFもお書きになるんですなぁと思ったけど、「蛇を踏む」もそうだったかもしれない。

主人公は突然この世に誕生した、というか存在が始まった、生命体。途中から、この生命体には個体名がつくんですけど、まあそれは置いといて。女子高生、男子高生、男性事務員とどんどんと変化していく主人公。変化する前の記憶は持っているのに、性質とかはがらりと変わるというのが面白いなと思いました。似通った性質を引き継ぐこともあれば、全く違った性質なこともあり。

確固たる己がない生命体の話だからこそ、物語全体を通してなんだか、ふわふわと包まれるような雰囲気があったのですが、かと言って話に芯がないわけではないのが、さすがでした。

マリあたりまでが生命体としては好きだったかな。

しかし、なんでこの生命体に対して殺意をもつ人間がいるのか、そこだけは説明がなかったのが残念でした。

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2023年09月25日

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不思議な話だった。不思議な世界に飲み込まれていってすらすらと読めたがアルファとシグマという仲間が出てきた途端つまらなくなった。何者でもない者は1人(最低2人)でいいと思う。

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2022年12月07日

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忽然と病院に現れた女性。名前も性別も年もわからず記憶も持たない彼女は、「誰でもない者」(「医学界の都市伝説みたいなもの」と思われていた「人間に限りなく近い生物」)だった。主治医の蔵医師の指示でアイデンティティーを確立すべく、治療を開始し、まず丹羽ハルカという女子高生になる。治療の過程で次々と別人(性別も変わる)になるが、それにより人格も変化する。さまざまな人間としての経験を重ねながら、仲間に出会い、感情を獲得していく。

それぞれの話はそういうものとして読めば、とても面白い。これはSFでもミステリでもないので、それでいいのだ。
なんでそんな存在なのかは自分にもわからないし仲間たちも知らない。家族もなく、どこか欠落したものを感じながら「人間」のように生きる彼らの自由さには不穏さがつきまとう。人は一人で生きるしかないからこそ、他人を求めるのかもしれない。

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2022年03月13日

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ジャゲ買いです。表紙が好きで、そして「某」とう題名が気に入って買いました。私は「なにがし」って読み方の方が好きですが、「ぼう」という読み方にしたのは、単独じゃなくて、添える言葉として表したかったのかなと思いました。

「誰でもない者」それは、人とも限らない者でした。関りの長さ深さによって、執着の度合いも変わってきて、登場人物の変化が面白かったです。たくさん変わり過ぎて、途中ごちゃごちゃしてきましたが。それぞれの生き方というか過ごし方の方向が多様なのが面白かったし、「誰でもない者」は「誰にでもなれる者」なんだなと思いました。

お話の中で、変わっていく風景も面白かったです。良いことも悪いことも、日常の中に、埋没していき、当たり前となっていきました。常に新しいものを取り込んで受け入れていく強さをもっているんだなと思いました。

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2022年01月29日

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文庫でも表紙が変わらないんだ。この人の恋愛感覚とかセックスに対する姿勢とかが私にはなじみやすい。そのあたりは先生の鞄以来かなあ。

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2021年10月05日

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