【感想・ネタバレ】英国ユダヤ人の歴史のレビュー

あらすじ

キリスト教誕生以来、ヨーロッパ社会には「反ユダヤ主義」がはびこるが、ユダヤ人たちは迫害に屈せず、移り住んだ地でタフに生き抜いてきた。とくに英国における成功は目覚ましい。一三世紀、エドワード一世はユダヤ人を国外追放するが、一七世紀、クロムウェルが再入国を許可。以後、彼らはロイド・ジョージ、チャーチル、サッチャーほか有力政治家と深く結びつき、一九世紀に銀行業を興したロスチャイルド家は、世界屈指の財閥に成長した。イギリス千年の盛衰に重大な役割を果たしたユダヤ人の足跡を読み解く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ユダヤ人史が専門の教授による、イギリスとユダヤ人との関係を歴史から紐解いた本。

現代のイギリスは、アメリカと一緒にイスラエルを真っ先に擁護しているイメージ。でも、過去350年の間(エリザベス1世の時代はこの末期にあたる)ユダヤ人を排除した時期があったそうだ。本書を読んで初めて知った。

ユダヤ人は、国民の不満をそらすために、何かと悪役に仕立て上げられがちとのこと。キリスト教は聖書のなかで、ユダヤ教を批判している部分があるらしく、キリスト教者からみたらユダヤ人は異端者だったようだ。

そんな境遇のユダヤ人は、どの国でもつける職業は限られていた(p92)。農業や工業といったメジャーどころには就職できなかったため、必然的に「リスクをとるビジネス」を選択せざるを得なかったとのこと。だから、金融業(金貸し)や貿易業(当時は海賊・盗賊がいる時代だから危険)で財をなす人が多かった。ハイリスク戦略を取らざるを得ないので、同族間のネットワークは強かったらしい。
ただ、ハイリスクではあるものの、ハイリターンでもある点はなかなか興味深い。

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2025年10月25日

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