あらすじ
もっと大きな……自分になりたいの。
並行世界”アース65”で地元ニューヨークを守るスパイダーウーマンとなったグウェン・ステイシー。ピーター・パーカー事件で死んだはずのリザードが再び現れたという衝撃の事実を知ったグウェンは、真相を探るべく捜査を開始する。だが、そんなグウェンの前に、S.H.I.E.L.D.の最重要手配犯として彼女を追うキャプテン・アメリカ、ピーターの死に責任を感じ、復讐のためスパイダーウーマンの命を狙うハリー・オズボーンが立ちはだかり……? 強さと優しさを兼ね備えた新時代のヒーローの成長物語が幕を開ける!さらなる広がりを見せる第2巻!
●収録作品●
『SPIDER-GWEN(2015)』#1-6
©2021 MARVEL
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Posted by ブクログ
グウェン・ステイシーがスパイダーウーマンとなったら…という、正史世界からすればIF展開に当たる作品の第2巻。正確に言えば、前巻はミニシリーズで、第1シリーズの1巻が本巻のようだが、前のミニシリーズからそのまま話を引き継いでくれている。
おっかなびっくりやっていた印象だった前巻に比べ、正史世界であるアース616から大きく設定を変えた部分が目立ち始め、余計な制約を考えなくなったように思える。このくらい違った方がこのアース65の世界を楽しめると思うので、この点については大歓迎だ。
また、そもそもデビュー作であるスパイダーバースの設定を引き継いで、正史世界と接点があるところも楽しみどころだろう。
そのように設定面ではインパクトの大きさは十分で、読んでいて楽しいのだが、そのキャラクターたちとの交流にとどまっている印象が強い。せっかくのバンド設定はこの巻を通してちょっとしか出てこず、それぞれのキャラクターと絡んで解決した事件の縦糸があるわりにその存在感が薄い。重要な要素だとは思うが、グウェンと父親の関係、ピーターの死の真相の部分を大きく進展をさせるわけではないのにページを割いているように思ってしまう。広がってきたキャラクターたちをうまく活かした大きな展開に期待したい。