【感想・ネタバレ】日本人が知らない世界標準の働き方のレビュー

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Posted by ブクログ

労働問題を中心に日本人の意識・価値観がグローバルな世界標準から乖離し、鎖国化・ガラパゴス状態となっているとの指摘は厳しい。バブル崩壊から30年、日本人と日本は世界の潮流から目を背け、日本の地位低下の現実を受け入れない。
「コロナ」は日本の世界におけるポジションの低さを、医療・DIGITAL・政治リーダーなどで露わにした。まさに黒船ショックであるが、本書はその本質を解明する。
あらゆる分野が「世界の常識」をベンチマークとしなければ立ち行かない時代
平易だが、グローバルをキチンと押さえた良書です
1.日本の「労働慣行」は戦後高度成長期のもの 現在は不適合だが改革は手つかず
 ①年功序列②終身雇用③企業内組合④集団主義⑤長時間労働
 →低い生産性 専門性よりジェネラリスト
2.知識産業の時代へ 個人の創造性 成果主義 プロセス管理はお任せ
3.格差は拡大 労働需給はグローバル市場 賃金の裁定
  製造業も海外で生産 先進国には企画・研究・開発部門のみ
4.日本は外科手術=制度改革を回避 漢方で対処療法
5.「働きがい」と「生産性向上」を両立させる リモートの活用は必須

2021/05/08働き方の世界標準☆☆ 谷本真由美 
1.日本の働き方は世界標準から異質
①終身雇用②年功制給与③企業内組合④集団主義
これらは戦後の高度成長期、人口ピラミッドに合致し効果を発揮
しかし人口構造も経済成長が大きく変化しても労働制度は硬直
「減少する正規雇用」若者の将来への不安を助長し社会の持続を国難に
→外科手術の必要な患者に「マッサージと湿布」でその場凌ぎ
 中高年幹部=正社員の既得権益化 江戸時代の上士武士階級と同じ
2.ゼネラリストという素人登用 政策・経営の劣化
「専門性」が評価されない 
東大法学部ヒエラルキー 大学教育が機能しない(大学院は尚更)
素人が2年単位で小手先の対応を重ねるだけ
本質の問題解決は出来ない
→日本の30年の衰退要因と思う
 俗人評価から機能評価へ切り替えるべき
3.イノベーションの不適
差別化が生命線 人と同じことを求めてはダメ 過度な同調性
新しいコンセプト→エコシステム生態系→製品・サービス Appleのように
4.富裕層はフローリッチ→資産リッチへ トップ1%が資産5割を所有
5.大学教育は英語が標準
6.リモートワークの再構築 インプット アウトプット 評価 報酬

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2021年05月08日

Posted by ブクログ

戦後の日本経済の振り返りのような内容もあって、大変興味深い。うまくいかないことを自分のせいにしてしまう日本人のまじめさが仇となる。

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2022年02月06日

Posted by ブクログ

もともとは2015年に出版された同著者の別の本を加筆修正を経て出された本。

タイトルには世界標準の働き方とあるけれども、やや言い切りすぎで、欧米あるいはアジアの他の国の事例を挙げながら、日本との違い、また日本人は違うと思ってるけど、根底にあるものは同じだったりとか、紹介している。

何が標準化と言うよりかは、どのような働き方が好ましいのか、いつも(普段耳にする)切り口とは別の視点を与えてくれる。

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2023年08月12日

Posted by ブクログ

コロナ禍で今までの会社員としての働き方を見直したくなり、手に取った本です。
内容は、最近日本でもよく言われるようになった日本の経済成長を支えた仕組みである終身雇用や年功序列が機能しなくなっている、むしろこの仕組みのおかげで世界の潮流からさらに、遅れをとっていること、そのあとはタイトルにもある筆者の知る日本以外の方の働き方を引用を示しながら解説してくれています。難しい内容はなく、気軽に読めました。

色々参考になる内容はありましたが、今の自分には、”自分が幸せになるのは、自分が求めることに取り組むことであって、周囲が期待する役割を演じることではない”と言う部分が、響きました。

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2023年01月30日

Posted by ブクログ

よく言われることがたくさん。ガラパゴスだけでは生きていけないので、日本人も考え方、働き方を変えなきゃいけないんだろうけど、今まで馴染んだものもあるので現実にはなかなか難しい。
どう一石を投じるべきか。

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2023年01月10日

Posted by ブクログ

未知の著者の本であったが、これは日本と世界の主に経済・雇用・社会状況を的確に分析した本である。裏付けとなる統計グラフや、論文の出どころが明記してあり、独りよがりのエッセイ(独断または自己宣伝)でないところも気持ちがいい。
すでに言われていることではあるが、日本社会(企業)の成功体験としての終身雇用・年功序列・労使協調などの「美点」が、現代ではことごとく逆回転していることが改めて説明されており、40代以下の若者が真剣に考えなければならないことが多い。
すでに老境に達した身としては時代の転換が「遅かった」と悔やまれるが、まあ、逃げ延びたという見方もできるだろう。
ただ、この本で触れられていない「逆打ち」として、芸術・伝統技術など自己の興味・能力に恃む自信のある人間は却っていい世界を生き延びられるだろう。

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2022年08月17日

Posted by ブクログ

目新しい言説は特になかったが、日本の労働に関する問題点を的確に突いた書籍だと思った。

グローバル化の促進によって、日本はさらに欧米に近い(弱肉強食の)働き方を強いられる。また、コロナ禍によって社会がIT化へ大きく舵を切るだろう。そのため、若者は特に市場に求められるスキルの習得や、変化を恐れない姿勢を身につけることが肝要だと思う。

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2021年05月04日

Posted by ブクログ

今、世界で働き方がどのように変わってきているか、日本にいるとなかなか気付けない。
自分の世代は逃げ切れたとしても、自分の子どもの世代になると、このまま日本で安定した働き方をしていくのは難しいと思った。
これからは「自分商店」という考え方が必須。
ひとつの会社でずっと働くことではなく、自分だけのスキルを武器に会社を渡り歩くというスタイルが一般的になっていきそう。

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2021年04月28日

Posted by ブクログ

お金のために汗水垂らして働いて、
でも何でこんなに働かなきゃならないの?とか
やりがい迷子になってるのは日本人だけ?

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2021年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

筆者の海外在住・就労経験をベースに、”世界標準の働き方”を書いた本かと思ったが、主張を裏付けるデータも結構載せてあり(論理の飛躍や筆者の主張をいまいち裏付けていないと感じられるデータもあったけど)、思ったより客観的データをベースに書かれている印象を受けた。

グローバル化・IT化により、所属組織より個人の能力がモノを言う社会に変わってきているため、日本の終身雇用・年功序列は世界の非常識となってきている。世界では非正規雇用や転職がより一般的であることを踏まえると、日本の非正規雇用が増えている問題も、一概によくないというより、賃金体系の整備等をすればいいのかもしれない。
因みに、日本の年功序列・終身雇用という働き方は、戦後復興に際して定着化したもので伝統でもなんでもないらしい。

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2021年03月31日

Posted by ブクログ

この類いの本はあまり馴染みがないので、新鮮に読めた。データを元に、海外と日本の働き方の違いを述べる内容。まあ、確かに彼女の主張に頷けるところもある。だけどそう簡単には変えられないのが現実。少しずつ、こういった書籍や情報が入ってくることで変化していくことも大切だけど、その僅かな変化の途中に生きる私たちは、うまく折り合いをつけてやっていかなきゃいけない。理想ではあるけれど、それが本当に日本人や日本の制度、風土に合うかは別問題な気がする。何でも海外と同じにする必要もないとは思う。
でも結局、彼女はこう締めくくる。
「自分が幸せになるのは、自分が求めることに取り組むことであって、"周囲"が期待する役割を演じることではない」
自分の求めることが会社勤めならそうすればいいし、趣味を仕事にしたいならそうすればいい。海外でスタンダードな働き方が好みなら、そういう会社や生き方を選択すればいい。
見えない、存在しない"周囲"を勝手に感じて、比べて、卑屈になる必要はない、ということ。
知ることは大事だけど、知ったからといって必ずそうしなければいけないこともない。他を知らないで選んだものより、他を知った上で選んだものの方が、自分に対して説得力があると私は思うので、こういう書籍を定期的に読むことは考えを深めることができて良い。

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2021年06月23日

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