あらすじ
笙王は葉っぱや根っこにご執心……でも美形は正義。
知識と顔面は当代一の薬ヲタ王と夢女子公主があらゆる毒の陰謀に挑む!
わけあって身をやつし嫁ぎ先へ向かう途中の笙で暴漢に襲われた公主・花琳。その花琳を助けたのは、愛読書『桃薫伝』の主人公の如き麗人・煌月。たちまち物語に自らを投影しうっとりする花琳だが、なんと煌月はぼんくらと噂される笙王だった! 膨大な薬の知識と聡明さがありながら、なぜ煌月は無能を装うのか。宮中に滞在を余儀なくされた花琳は、都に流行る奇妙な病と煌月が追うとある毒の存在を知ることに…。
装画・漣ミサ
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Posted by ブクログ
予想より甘み成分は少なかったけど、というか、実際のところほとんど甘い雰囲気はなかったけど、面白かった。
煌月の未来に幸あれ。
不穏な雰囲気しかないしんどい宮中で、花琳のノーテンキさと明るさは読んでるこっちも救われた。ので煌月もお側に置いとくといいと思うよ。
続編があるなら、花琳の耳の良さがもっと活躍するといいな。
Posted by ブクログ
最初はお忍びで嫁ぐ公主の花琳が主人公かなと思っていたが、彼女は恋愛小説に目のない夢見がちな少女であり、作中では客人扱い。
事件の解決に大いに役に立つかと言えば、そこまででもなく。
時折、恋愛小説を読んでいたからこそ分かる視点からのヒントの提供はあったけど、読み終えた印象としては、主役は(タイトルに倣うと)生薬オタク王の方だったなと。
後半はほぼ彼側の視点からの話になるし。
彼が王様だが割と一人で何でもこなしてしまう万能人だし、正直恋愛をしているほど内外が平和でもないので、花琳と何か恋愛的進展をしている場合でもなく。
結局あっさり彼女を手離したので、その点は正直驚いた。
彼女自身は最後まで多少足掻いていた気はするが。
夢見がち公主、その夢は叶わずか。
あくまで毒に関わる陰謀を王様が食い止める話で、陰謀ものとしては面白かった。
恋愛はあくまで二の次で、後半は特に彼女の存在がおまけな感じになっていた気がする。
陰謀に隠された真実とは何か、そしてそれをどう食い止めるのか、その絡み手を楽しむ作品だと思う。
安直に恋愛に走らなかったのは、ある意味潔くて、それはそれでよし、かな。