【感想・ネタバレ】天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる ミエリン増強で脅威の成長率のレビュー

ダニエル・コイル

才能は脳でどのように育つのか、どうしたらもっと伸ばすことができるのか?
――――劇的なスキル向上の突破口は神経物質ミエリンにあった。

持てる才能をどうやって解き放つのか? ジャーナリストでニューヨーク・タイムズ・ベストセラー作家のダニエル・コイルが、自分自身や周囲の人間の潜在能力を最大限に発揮させるための方法を伝授する。親、教師、コーチ、レスナー、リーダー必読の一冊。

サッカーの指導、ピアノのレッスン、小説の執筆、ゴルフのスイング……新たに発見された脳のメカニズムを利用すれば、あらゆる分野の才能を伸ばすことが可能だ。

最先端の神経学と、世界9カ所の才能のホットスポット――カリブの島のリトルリーグからニューヨークのクラシック音楽の夏期講習会まで――の指導現場をめぐって集めた情報に基づき、コイルはスポーツ、芸術、音楽、数学などの才能を開花させ、実力を発揮させるために重要な3つの要素を挙げている。

●ディープ・プラクティス
成功に練習が欠かせないことは誰もが知っているが、特別な練習によって通常の10倍速くスキルが向上することはほとんど知られていない。

●点火
行動を開始するにはモチベーションが必要だが、すばらしい結果を出す人とそうでない人の違いは何か? 質の高いパフォーマンスは、心に秘めた無意識の欲望から生まれ、特定の合図をきっかけに始まる。この合図の仕組みを理解すれば、情熱に火をつけ、スキルの向上に結びつけることができる。

●一流の指導
世界レベルの才能を育てる教師、レスナー、コーチの秘密とは? 教え子の情熱を刺激し、ディープ・プラクティスを行い、能力を最大限に引き出すことができる“才能の訓練士"たちに共通する4つの長所を紹介する。

これら3つの要素が脳内で組み合わさり、行動や思考のスピードと正確さを高める神経物質ミエリンが形成される。最新の研究により、このミエリンこそが「聖杯」――ミケランジェロからマイケル・ジョーダンまで、すべての優れた才能の基礎――とされている。幸いにも、ミエリンの量は出生時に決まるわけではなく、徐々に成長する。他の機能と同じように、栄養を与えて育てることができるのだ。

偉業を成し遂げたごく普通の人たちを例に、鋭い分析を加えた本書を読めば、才能に対する考え方が変わるだけでなく、潜在能力を最大限に活用するためのヒントが得られる。

[ブクログ · ★★★★★]

天才は作ることができる。
天才になることができる。
多くを深く思考し、鋭く何度も実行する。
世間的に思考を繰り返し強化していく脳の部位は海馬のみだとされているが、その裏にはエミリンがあった！
エミリンという言葉を聞いたことがない人だけでも、読んで損はないだろう。
1万時間の考え方が変わるかもしれない。

[ブクログ · ★★★★☆]

自分のスキル向上にも助けになるけど、子どもを育てる時に、このメソッドを知っているのと知らないのとでは完全に違う世界が待っている。

[ブクログ · ★★★★☆]

例えばネガティブな思考を繰り返しているとネガティブな回路が出来上がってネガティブ思考の天才になるというわけか（逆も然り）。本書は子供の教育に関することが主だが、今後認知症などの研究も進むよう期待。自分自身についても効果的な学習法、モチベーションの持ち方など役に立ちそうだ。

[ブクログ · ★★★★☆]

「一万時間の法則」などというけれど、やみくもに練習すればいいというわけではなく注意深くきちんと練習をする必要がある(ディープ・プラクティス)、とか、それをうまく乗せる指導が重要、とか、細かい具体論というよりは、もっと大づかみな話。まずは、練習とか指導とかいった概念をアップデートする必要がある、というのがこの本の趣旨ですかね。とにかく一万時間やればいい、と思っている人は読んでみるといいです。いろんなコーチの仕方についても参考になる。

[ブクログ · ★★★★☆]

オーディブルで拝聴。ミエリン！ミエリン！ミエリン！
とにかく失敗しよう。失敗とは”理想通りでない”ことで、その理想とのギャップを埋めるために行動しよう、それがいい練習だ！
教える側は、いかに相手に火をつけるか。頑張れば届くところに人参を置く仕組みが作れるか、あるいはそんな声かけができるか。
理想を具体的に持つことも、声掛けや仕組みづくりの方法も簡単ではないけども。精進。