あらすじ
ピューリッツァー賞受賞の思想家2人が贈る、
5000年の歴史をおさめた珠玉のエッセイ集
著者たちの名声を確固たるものにした超大作“The Story of Civilization”(文明の話)のあと、その既刊10巻のエッセンスを抽出して分析し、歴史から学べるレッスンという形でまとめたものが本書である。
結果として、文化や文明の発展、人間性の洞察、モラルと宗教、国家の行動、人類の進歩の方向性などを概説する書となった。彼らはライフワークを完成させるため、歴史についての思索を重ね、戦争や征服や創造を通して人類が歩んできた長い道のりの意味を探し求めた。
そして、読者にも自分たちの時代を理解することができるよう、壮大なテーマを与えてくれているのである。筆者たちの探求の旅の一端を本書で共有することは、大いに心おどる知的な冒険となるだろう。
13のエッセイを通して、人類の過去の体験を概観し、今を生きるヒントを得られる、秀逸な歴史書である。
未来は決して偶然起こるのではない。それは常につくられてきたのである。 By ウィル・デュラント
人間の性質、国家の行動について考えるうえで有用と思われる出来事や論評を13のエッセイにまとめた。
新事実を知るのではなく、人類の過去の体験を概観して欲しい。
目次
序文
第1章 ためらい
第2章 歴史と地球
第3章 生物学と歴史
第4章 人種と歴史
第5章 人の性質と歴史
第6章 モラルと歴史
第7章 宗教と歴史
第8章 経済学と歴史
第9章 社会主義と歴史
第10章 政治と歴史
第11章 歴史と戦争
第12章 発展と衰退
第13章 進歩は本物か
参考文献
インデックス
著作一覧
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
生物学同様、歴史は基本的には適者が生き残る自然淘汰であり、善良だからといって有利に扱われるわけではなく、多数の不運に見舞われ、最後には生存能力が試される。
Posted by ブクログ
【歴史は繰り返す。だが、それは概略においてのみである】(文中より引用)
文明について論じてきた世界史の大家が、歴史とそれを学ぶ意味とは何かについて概略的に説明した作品。エッセンスとも言える歴史学の要諦が収められています。著者は、夫妻で活躍し、米大統領自由勲章も受賞しているウィル・デュラントとアリエル・デュラント。訳者は、都市銀行調査部に務めた経験を有する小巻靖子。原題は、『The Lessons of History』。
「そもそも歴史を学ぶことの意味とは何なのか」という本質的な点に始まり、歴史における宗教や政治・経済、そして文明の意義にまで言及する盛りだくさんの作品。決して分厚い本ではないのですが、広い視野をお手軽に養うことのできる良作でした。
今度は大著の方に手を出してみたい☆5つ
Posted by ブクログ
著者は夫婦で歴史学者・哲学者ということで、10巻にもわたる歴史書を記し、ピュリッツァー賞も受賞しているとのこと。本書はその筆者の大部にわたる代表作のエッセンスを、13のエッセイにまとめた歴史読み物。
本書で書かれているのは、歴史は繰り返す(正確には、類似の原因により類似の事象が生起する)とか、貧富の差が対立を生むとか、国家は自由を制限するとか、まさに『歴史の大局』の話。ある意味で新奇性があるわけでもなく、言い古されてきた言明も多いと感じました。
ふと私はロシアを思いました。何故、ロシアはプーチンを祭りあげるのか。何故国民はプーチン体制に反抗することが出来ないのか。プーチンや権力者が旧共産圏の国々がいわゆる西側につくことで抱く恐怖とは何なのか。
同時に思うのは米国と太平洋戦争に突入した第二次世界大戦時の日本です。何故誰も開戦を止めようとしなかったのか。国の指導者たち・エリート層はその時何をしていたのか。本当に避けられない戦争であったのか。
そうした疑問への回答の一部は、第9章「社会主義と歴史」、第10章「政治と歴史」、第11章「戦争と歴史」に示されているように思います。
・・・
さて、本書の最後部では、「人類は発展しているのか」という疑問を筆者は投げかけています。21世紀になっても一国が他国を武力で侵略するような事が起こるのですから、否と答えたくなります。でも筆者は技術の進歩、病気の撲滅や公衆衛生の発達などを大いに評価しています。
それゆえに、筆者が仄めかしていると感じるのは、文明は進歩するも人類の本性はそのまま、という事です。そしてその本性により歴史は生々流転・類似の事象を繰り返すとでも言いたげです。
であれば歴史を学ぶということは一体何なのか。人類の本性故に繰り返される悲劇。それに絶望しないこと?悲劇に耐えつつ、人類の本性を上回る文明の発達を期待すること(AIの進歩などまさにこの筋書きでは!?)?
疑問は絶えませんが、歴史の素晴らしいことはこうして我々を一時でも自省的にしてくれることだと思います。『人のふり見て我がふり直せ』といいますが、歴史とはまさに自らの鏡であり、他人の愚行の中に自らを見出すことだと思います。
本書はそんな歴史の良さと、人類の変わらぬ本性を思い起こさせてくれる作品でした。
Posted by ブクログ
面白い。事実として新しいというより視点の話し。進化しているはず だが人類の歴史は韻を踏む。人類と民族の歴史を伝えること 文化を次世代に伝えることが 教育ということが腑に落ちる。