あらすじ
●菅首相の脱炭素化宣言
菅首相が、2050年までに温室効果ガスをゼロにする方針を打ち出した。これを受けて、各業界・企業は急激に動き出した。あと30年で何ができるのか。現場記者が日本・世界の最新の動向を追う。
●EUで始まったグリーンリカバリーが世界のスタンダードに
コロナ禍で外出が制限された20年の3~5月。イタリア・ベネチアの海が浄化され、インド・デリーの大気汚染が解消されたというニュースを聞いた人も多いだろう。EUではもともと環境規制が厳しかったが、これを契機に、脱炭素化を一気に進めようという機運が高まっている(これをグリーンリカバリーという)。そうなるといよいよ再生可能エネルギーの時代となるわけだが、同時に再生エネの基幹部品に使われるレアアースやレアメタルなど鉱物資源の重要さが高まる。この「資源争奪」争いで一歩も二歩もリードしているのが中国である。
国連のSDGsの発表もあり、グリーンリカバリーの流れは世界に広がるだろう。石油に依存してきたサウジアラビアほか中東諸国は、「普通の国」になるべく努力をはじめ、アフリカは資源の戦場と化す。米国もバイデン大統領が、パリ協定への復帰を皮切りに脱炭素社会への道に舵を切った。
本書は資源・エネルギーをテーマに、現状を手っ取り早く理解するための基本書。これらの動きが、新しい地政学リスクを引き起こす事情も見えてくる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
理系なので世界史に疎く生きてきたので、現代の地政学的世界情勢の入門の入門の入門として、とても読みやすく、勉強になった。
いわゆる地政学の本は、事前知識がない素人には読みづらいのでとっかかりづらい。この程度の読みやすさの地政学の本を読んでみたい。
Posted by ブクログ
すぐ読めてコロナ禍、ポストコロナの2021年の「今」状況がとてもわかりやすくまとまっていると思います。中国、欧米、ロシア、中東が資源に絡めて何を志向しているのか、
中国の一帯一路構想の下での資源国のインフラ整備を梃子にした勢力拡大と債務の罠
欧州の環境政策に基づくコロナからの復興
産油国(中東、ロシア)が抱く危機感等
数年後読んだら各国うまくいってるか、こんなはずじゃなかったになってるのかまたわかるかな