あらすじ
副業推進で注目されるレッツ株式会社の社長が、移動中のヘリコプターの機内で殺害された。
同乗した副社長、専務、常務の三人は社長の指示でアイマスクとヘッドホンを装着し大音量で音楽を聴いていたという。
物的証拠も自供もないため、警察は三人を釈放せざるをえない。三人は、会社に戻っても沈黙を続ける。
そこで、副業推進部長の若槻早苗が頼ったのは、お客様相談室の西園寺係長だ。
彼は類いまれな共感力を活かし、「赦しのサクラメント」なる“懺悔ビジネス”を立ち上げ、二足の草鞋を履き業績を上げているからだ。
紆余曲折の末、三人は懺悔をすることになるが、西園寺は守秘義務を盾に何も語らない。
果たして犯人は?
そして物語はどんでん返しの結末を迎えることとなる。
第19回『このミステリーがすごい!』大賞の「隠し玉」作品。
大森望氏推薦「クレーム対応の達人が“赦し”ビジネスで驚異的な才能を発揮する展開など、企業コメディとしてはじゅうぶん魅力的」。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『副業を考えている人には役立たないミステリー』
タイトルに惹かれて手に取った本。
ワンマン社長の気まぐれから始まった副業制度。
一風変わった『赦しのサクラメント』なる副業が、社長殺害事件の鍵を握る。副業の参考にはならないけど、ミステリーとしては面白かった!
Posted by ブクログ
さすが、このミス…って感じの本。なんちゅうか、一風変わったというか、変化球というか…。
キャラ小説ばかり読んでいるせいか、キャラがつかめないままやや苦労して読み進めた。途中まで読んで、そうか、ミステリなのでキャラをつかまなくてもよかったんや…と、思った。笑
想像していた内容とは全然違うかったかなー。副業である意味、あるの?? とは、若干思う。
トレンドを盛り込むところに面白さがあるんかな。巻末の解説を読んで「なるほどな」と、思うところも多々あって…。前々から思うけど、ミステリの解説を書ける人ってすごいよなあ。(そこ?)
Posted by ブクログ
ミステリー要素はほぼないが、読物としては面白い。会社内のパワーバランスの描写、特に
役員会の様子が新鮮だった。懺悔の内容に物足りなさを感じるが、読み手に委ねるくらいが丁度いいのだろう。
Posted by ブクログ
「事件」の方はミステリーの為だけの取って付けた感があって正直イマイチな感じがするのですが、「舞台」であるレッツ社における副業推進が妙にツボで好き。何かどの副業もじわっと来る。