【感想・ネタバレ】多様な社会はなぜ難しいか 日本の「ダイバーシティ進化論」のレビュー

あらすじ

アベノミクスで女性活躍が重要政策として掲げられたにもかかわらず、日本のジェンダーギャップ指数は先進国で最下位のまま、他の先進国にますます遅れを取っている。
なぜこの国にはダイバーシティが根付かないのか、どうすればこの硬直した社会を変えることができるのか?

MeToo、ポテサラ論争、ゲス不倫、五輪組織委、男性育休、逃げ恥、♯わきまえない女、女性入試差別など、近年話題をよんだキーワードをもとに、日本における多様性の問題を、女性活躍、結婚、子育て、男性問題とさまざまな視点から掘り下げる。
日本経済新聞女性面連載コラムに大幅な加筆を加え書籍化。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

すごく勉強になった。自分の心の奥の方に合った気持ちに気付けた。心の湖から掬い上げてくれた。自分では言葉にできなかった違和感を言語化してくれた。すごく読んで良かったです。

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2024年04月26日

Posted by ブクログ

セクハラ裁判のニュースを見て、紹介者の夫は「面倒な人に合っちゃったね」と言ったことから、人の感じ方の違い、ダイバーシティについて、考えるきっかけに。
フェミニズムとかジェンダーギャップについての本を、片っ端から読んでみて、出会った本。

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2022年02月22日

Posted by ブクログ

短いコラムをまとめた本なのでサクサク読みやすい。最近のジェンダー論に関する論争総まとめのような本。
印象に残ったのはp.123「フェミニズムが完璧でないのは、人間が完璧でないことに根ざしている、と。欠点や矛盾だらけの中で、それでも男女が平等な機会を与えられることを求める。その主張は、フェミニズムが純粋な理念にとどまらない、生命力あふれる運動体であることを示している。」

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2025年01月03日

Posted by ブクログ

女性差別を中心にダイバーシティが根付かない現状についてのコラムをまとめたもの。

死後離婚という言葉を初めて知った。

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2022年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルの問いの答えが知りたくて読む。
主に女性活躍推進について日経新聞に掲載された記事の総集編。

女性活躍推進って2012年の話なの!?
しかも2020年になっても全く改善していないうえ、日本でこの基準達成は無理だと、目標が下方修正されたという…。
マジですか。。。。知らなかった。。。
まぁうちの会社の女性役員比率も1%だしね…。

筆者は女性活躍推進関連政策を「日本女性超人化計画」と読んだそうです。

「成長戦略としての女性の活躍推進」
 ①労働力人口の増加
 ②優秀な人材の確保
 ③新たな財・サービスの創造
 「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に」
  →この基準は1990年からずっと言っているが、30年たっても改善していない
(日本の男女平等ランキングは年々下がり続けて、2020年 120/120ワースト国)

筆者の言う活躍推進の政策にはいくつもの落とし穴があるという。

◆問題1 女性を指導的役割に、というわりに…
 ①待機児童問題が解消していない
 ②賃金格差も是正していない
 ③男性側の意識改革は何も議論されていない
  男性側にとって面倒に感じる改革には手を付けておらず、環境が改善していない。

 ↓

結局周りのサポートを受けられる人や、親の地位が高いお嬢様、結婚出産をせずに死に物狂いで立ち向かった鉄の女性だけが指導者に立てる
 
 ↓

対多数の一般女性の環境は改善しないので、
ワーキングマザーの指導的女性が増えるわけない
(血のにじむような思いをしてまで上に立ちたいと思わないし、立てる見込み希望もない)

平和と平等の祭典であるオリンピックで、森元首相が女性蔑視発言で日本の恥を海外に晒したうえ、男女平等格差ワーストを達成したわけだが、
海外メディアにめちゃくちゃ批判されて、やっと外務省以外の政府の人間が、あ、あれ一般社会では言っちゃアカン発言なんだと気づいたんだろう…。
グローバルな大企業はいち早く抗議文を出したけど、焦っただろうな。足元しか見ておらず、国内すら見えていないようなのに、みんな投票するんだよねぇ。

◆問題2 高度成長期が忘れられなくて…
バブルを経験している役員世代は、今の仕組みを変える気概も体力もない

「合理性」とは、ある一定の一時代的な条件の下での最適解で、条件が変わればおのずと時代遅れになり、たちどころに非合理・非効率になる(p44)

→IT化とグローバル化は進み、超高齢化・少子化で不景気、地球温暖化による資源枯渇・自然災害は増えてるのに、まだ40年前のやり方を踏襲しようとしているからひずみが生まれる。
あと10年程度で、現役世代に高度成長の恩恵を受けた人はいなくなる。そうなるとおそらく一気に変わるのだろうなぁ。政治も経済も。
定年が遅くなるにつれて、やり方についていけなくなる高齢者の雇用問題も増えるだろうし、定年後が第二の人生ではなく、仕事とプライベートを両立し続けて常に収入口を複数持つ働き方がスタンダードになりつつある。

◆問題3 イクメンの実態 言うほど行動伴わず
6歳未満の子持ち家庭の夫の家事育児参加率
2011年:父 1時間7分  母 7時間41分
2016年:父 1時間23分 母 7時間34分

※※調査方法変更「男性の家事・育児参画状況実態調査」を追加確認
2018年:父 3時間33分 母 8時間34分
2021年:父 3時間34分 母 8時間54分

別調査で勤務時間は1時間ほど平均で短くなっており、残業は減っているし、コロナで在宅率が増えたはずなのに、男性の家事育児参加に伴う負担が女性のみ明らかに増えている。また、男性の育休取得が義務化されたけど、最低限の連続5日間しか取らない人がほとんどだった。
実際に男性1か月育休を取得した人がいるが、現場別メンバーの残業が増えたという。
一人抜けて崩壊するほどゆとりが一切ないプロジェクトをマネジメントをしなければならないなら、リーダーも取得するのを渋るよねそりゃ。

筆者は、「妻が忙しい時、体調が悪い時にクリーンヒットを飛ばせるかが肝心である」という。
俺はよくやっている方だという主観的なコメントは意味がなく、妻が一週間不在でも対応できるかどうかが基準となる。また、第一子の時の家事育児の協力度合いと第二子の出生率が正比例しているという。
つまり男性の家事育児参加は少子化にも直結しているということである。

調査報告を読んで少し救われるのは、家事だけだが20代の場合格差が割と低めであるということ。
(20代は3:2、30代以上は2:1の比率)
残業規制で長時間労働の抑制があり、共働きが当たり前の感覚で、サービスや家電を使うことに抵抗がないからだと思う。
でもそれでもそれっぽっちしか変わってないのかぁ…。

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2022年07月24日

Posted by ブクログ

2022. 06


日経のコラムを読んでなかったのだけど
各コラムの後に5〜7年前の日付を見て
何も変わってない、とか
こんなことがあったあ、とか
この数年を改めて振り返りながら
色んな感情になった

「女性活躍掲げれど音速の人生設計まるでF1」など
ワードチョイスや例えが面白くて楽しく読んだ


P4 この国で異物は、目には見えないが強固な同化圧力により、日々排除されていく。おそらく排除されていることすら気づかれずに。
P27 第二次安倍政権発足の2012年の段階で、日本のジェンダーギャップ指数は135カ国中101位であったが、2020年の日本の順位は153カ国中121位となっている。つまり日本は、ジェンダー平等にについて「頑張ってはいるが、国際社会ではどんどん取り残されている」結果となっている。
P99 「他者への不寛容」は、そこに正義があると信じられれば歯止めが効かなくなる。
P259 ジェンダーのみならず、マイノリティの問題は「問題視すらされないこと」の方に多く潜んでいる。

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2022年03月05日

Posted by ブクログ

「企業におけるダイバーシティーとは、達成すべき目標ではなく、多くの人たちのより良い協業を可能にする『土台』である」という筆者の言葉が印象的なこの本には、日本のダイバーシティー&インクルージョン活動の現状、活動に対する日本人の反応、日本でなぜこの活動が進まないのか、について書かれています。

男性中心の職場編成が持続する理由についての著者の考察が印象的でした。
・日本では、育児や家事の手間数が多く、完璧さ丁寧さ美しさが求められすぎている
・そしてその育児や家事の大半は、言うまでもなく女性が担っているし、委託先(夫または親権者、託児所、行政サービス)が充実していない
・国政は女性の就労を推進しているが、上記理由から、女性が分身の術を使えない限りまともな就労は難しい、だからパートや有期契約社員としてしか働けない
・有期で変則的な働き方の女性は企業のメインプロジェクトにアサインしにくく、結果として男性中心の職場編成が持続する
・一方でメディアは、育児も家事もしながら進学したり起業した一部のレアポケモンみたいな女性の成功体験を取り上げて報道することで、働きたいすべての女性にスーパーキャリアウーマン化を求めてしまい、結果として多数の女性の気力を奪ってしまう

ダイバーシティー活動が進まない理由を語る上で筆者は、キング牧師の「善意の人々による浅い理解は、悪意ある人々からの絶対的な誤解よりも腹立たしいものだ。生ぬるい受け入れは、はっきりした拒絶よりもはるかに当惑させる」という発言を引用した上で、日本人の多くはダイバーシティー活動についての理解が浅く、権力者ほど本音ではダイバーシティーを敬遠し、ダイバーシティー活動を許容するフリをして言葉による深い議論を避けてきたため、マイノリティーの言葉は議論前に圧殺されてしまい活動が進まない、と述べています。

この本には、こういったダイバーシティー活動について日本が抱える問題や筆者が感じる不満が述べられていますが、一方で、じゃあどうすれば良くなるの?という解決策の提案はあまり多くありません。
これは著書の批判では決してなく、むしろこれだけ日本のダイバーシティー活動について深く理解され考察されている筆者でも、解決策が思いつかないほど深刻な状況にあるのではないか、と思わされてしまいまいした。
僕も家族を持つひとりの人間として、本当にいろいろと考えさせられる本でした。

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2021年06月07日

Posted by ブクログ

夫婦の問題やLGBTQ、障害、戦争…考えていくなかの手がかりとして多様性というものがあるが、勉強していくと壁を感じる。そのなかで、多様性と言うのは簡単だが、どうやったら、乗り越えられるのか、を知るためにこの本を手に取った。

内容はデータをもとに、男女格差を中心に社会現象と結びつけ、「世の中は多様性といいつつ、多様ではない」を明らかにしていく形式。

個人的には、著者の意見も聞きたかったが、"理解し合えることを「祈る」""社会が変わることを「願ってやまない」"といった形の話が多く、じゃあどうすれば社会をいい方向に変えていけるのかまで言及していない点で、目的は達成できなかった。

一方、全く違ったところで、気付きがあったのが、自分の中にある矛盾だ。男女平等を唱いながら、社会が格差に満ち溢れるように、わたし(女)の中でも「平等に扱って欲しいけど、守って欲しい」とか「給与水準は同等にして欲しいけど、プロポーズは男性からして欲しい」のような矛盾があって、それが社会と文化の歪みのなかに自分もいるからなのだと気づいたのは、よかった。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

女性の就業率は上がっても、政治経済の要職に就く女性はいまだ数少なく、ジェンダーギャップ指数が先進国で最下位の日本。この国の「かわらなさ」の正体とは?近年話題をよんだトピックをとりあげつつ、ダイバーシティが根付かない日本社会の、問題の深淵に迫る。
帯が良くて手に取りましたが、結局、前半は日本の現状がいかに進んでいないか実感するだけで終わってしまって、もう少し深い議論が欲しかった気もする。ただ後半は、なぜ日本の女性がここまで社会進出が難しく、少子化も進んでしまうのかということがリアルな共働き夫婦の言葉として表れていて、ほんとそうだよなあと共感しまくりでした。私も前は結婚して子育てしたいなって気持ちだったけど、この社会じゃ普通につらすぎて、だったら一人で気ままに楽しく生きたいなって思っちゃう。まずは政治に女性の意見を取り入れるために女性議員が増えてほしい。選挙に行って自分にできる選択を続けようと思った。

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2021年08月29日

Posted by ブクログ

前半は少し読みづらかったが、後半のコラムを集めた部分は読みやすかった。女性からしたら、うんうんとうなづけることばかり。もう少し日本も男女平等というか、女性の大変さを大変と思いやれる社会になればいいと思う。女性差別がなくならないのにLGBTに対する差別解消もないものだと思ってしまう。

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2021年07月22日

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