【感想・ネタバレ】越えていく人——南米、日系の若者たちをたずねてのレビュー

あらすじ

日系移民の子孫たちの言葉から浮かび上がる、もう一つの日本近代史

移民たちはみな未知なる世界へと旅に出たが
それは“同一性・帰属意識”を探求する旅でもあった
だが彼らは帰る場所を探しているわけではない
陽が昇る未来に向かい今も旅を続けているのだ
--宮沢和史氏

出会えば出会うほどわからなくなる。それでも少しずつわかっていく。
期待を現実で溶かしていくための、ゆっくりで誠実な旅の記録。
--望月優大氏

私もそうだけど、もう誰もかもがじつは日系移民なんだな、
たまたま日本に住み続けてまだ移動してないだけで。
そのあり方は私たちが思っている「日本人」よりはるかに多彩だ。
--星野智幸氏

この本を読み進めていて何より実感できたのは、
私たちがどんな国に帰属していようと、どこに移り住もうと、
所詮は誰しも地球という惑星の、逞しき住民ということだ
--ヤマザキマリ氏


沖縄からペルーへ移住した先祖を持ち、首都リマで生まれた演出家。
二〇年ぶりに訪れた生まれ故郷で、沖縄系日系人の祭りに参加する。
——自分もここで日系人として育っていたかもしれない。
かつて多くの日本人が南米へ渡った。
その子孫にあたる若者たちの話を聞きたい。
ペルー、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、ボリビア。
彼らをたずねる旅が始まった。



【目次】
1.Perú ペルー
■ 沖縄
■ ペルーに生まれて
■ ステージの上

2.Argentina アルゼンチン
■ フアン一家
■ 出生地主義

3.Paraguay パラグアイ
■ ブエノスアイレス → ラパス移住地
■ サッカーを遊ぶ
■ 若者たちへのインタビュー
■ 蜜蜂の巣箱

4.Brasil ブラジル
■ 港町サントス
■ サンパウロとサッポロ
■ ヨシオさん

5.Bolivia ボリビア
■ 低地ボリビア
■ キャンプ
■ めんそ~れ
■ 沖縄の人だもん
■ 飲み会にて
■ ボリビア大移動
■ ルレナバケの日本祭り
■ リベラルタ、旅のおわり

en Kioto 京都にて

謝辞
参考文献
初出

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

私は日本人しか関わったことがないし、移住なんかも周りに聞いたことがない。
より一層聞きたくても聞けない貴重なお話。歴史に思いを巡らせて。

0
2021年04月24日

Posted by ブクログ

私にも縁のある南米の日系人社会について、旅をしながら実際に現地の日系人を取材したもの。作者は自らもペルー生まれで南米に縁があり劇団の主宰者。おもしろい経歴で興味深い。自分の気持ちを正直に書いており、私の文章もそういう傾向があるのでとても好感を持った。今コロナ禍ということもあるが、旅に出ても濃密なコミュニケーションを取ることが難しいので、コロナ前とはいえそんなことをやってのけた作者はすごいと思う。こんな旅ができたらおもしろいだろうと思うがなかなかできるものではなくそれを実行しまとめ上げた作者はすごいの一言。

0
2022年09月11日

Posted by ブクログ

ブラジルには日系の方がいるのは知っていたけど、パラグアイやボリビアにいるのは知らなかったなぁ。

(以下若干うる覚えです)
日系同士で結婚したいと考えている人もいるとのことで、驚いた。自分では、現地に出来るだけ馴染んだ(同化)した方が安泰なのではと勝手にイメージを持ってたけど、日本語が流暢な地域?や人もいると知り、その人達にとっては普通なんだろうけど、やっぱりすごいなと思う。

私自身は1年のしか海外に居たことないけど、その時は初対面な人に「日本人です」と自己紹介する機会も多いから、日本にいるときは一切日本人であると意識しないけど、日々「私、日本人なんだなー」少し意識してたな。

最終的に著者が反省してて面白かった。

今は海外とか考えられる状況じゃないけど、南米行ってみたいな~(南米について無知で、知識がないので解像度が低すぎて南米としか言えない悲しさ)

0
2021年08月25日

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