あらすじ
累計9万5000部(電子含む)突破!『コロナショック・サバイバル』
『コーポレート・トランスフォーメーション』に続く「DX成功への決定書」!
「DXの真髄を見事に解き明かした。これからのビジネス、社会を考える必読書」
ーー松尾豊氏(東京大学大学院教授・人工知能研究者)推薦!
「著者は、時代の数歩先を行く天才だ!」ーー冨山和彦氏(IGPIグループ会長) 絶賛!
会社、産業、社会、そして国家、個人までが
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の「対象」かつ「主体」となる時代が到来。
天才ビジョナリーが描く「DX成功の極意」とは。「ミルフィーユ化する未来」とは。
†DXの要諦は「抽象化」にある
†抽象と具象を行き来する
†タテからヨコへ、ピラミッドからレイヤーへ
†あなたも会社もエコシステムの一部に
†「相対性理論」の感覚を実践する
†人工知能と人間の距離をどう埋めるか
†日本の中小企業が真似しやすいのはドイツ
†アリババが自らをケーキにたとえる理由
†ネットフリックスには、なぜ上司の決裁がないか
†見たことのない「万能工場」のつくり方
†自社の製品・システムから発想してはいけない
†読者のUXを研究していた夏目漱石
†各国が注目するインド政府のデジタル化
†10億人に給付金とワクチンを届ける仕組み
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
DXについて深く広く知りたくて、
色々と調べる中で、本書にたどり着きました。
第一章を読み進めていくうちに、
ドンドン引き込まれていきました。
一旦、通読後、巻末にある
冨山氏の解説を読んでから、
気になるところを、再読すると、
さらに理解が深まりました。
この本に限らず、難解な内容は、
複数回、読み込むことにより、
著者の考えや思いを汲み取ることができます。
ネットフリックスやダイセルに関する内容は、
事実によるもののため、説得力がありました。
ダイセルについては、もう少し詳しく記載があれば、
さらによいと思いました。
ネットフリックスは、
この手の話題で、よく聞く企業なので、
とても優れた企業だと感じました。
あとは、実践で試していこうと思います。
Posted by ブクログ
いや面白かった、すごかった、文句なしの★5つです。
昨年に読んでいたのですが、読書レビューもしたく再読したのですが、よかったです。すごく理解が深まりました。実際に自分で何か行動に移せる(アウトプット出来る)かは不明ですが、読み終えての達成感がありました。 あとは、この本が読めるまでにいろいろと個人的に勉強してきてよかったな、いきなりこの本を読むのは相当難しいんだろうな、とも感じたのが印象です。
私が営業で担当している企業様より「この本を軸に考えたい」と紹介をいただいたことがきっかけで読んだ本なのですが、改めてこの本に出会えてよかったと思いました。紹介してくださったご担当者様に感謝です。 しかしながら前述しましたが、この本を読んで手触り感を得られるには、相応の事前知識が必要なんだろうなと感じました。この本を読む前に自分が読んできてよかったと思う本は以下の通りです。
-東大准教授に教わる『人工知能って、そんなことまでできるんですか?』
-人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
-両利きの経営
-世界標準の経営理論
-シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成
-コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える
-アフターデジタル - オフラインのない時代に生き残る
-アフターデジタル2 UXと自由
上記をひととおりこれまで読んできた上で、今回の本を読ませていただいたので、(あとは実際自分がもともと計算機を扱ってきていたり、ディープラーニングを勉強してきていたり、DXを提案してきたりしてきた背景も当然あるのですが)、コンピュータがゼロイチで認識する層から人間の課題に直接接する層まで、というレイヤー構造の概念などは比較的理解ができました。読み終えて改めて表紙の写真を撮ろうと帯を眺めた際にウエディングケーキらしき概念物を表現しているところもなかなか味があるなと思いました。
解説でも冨山 和彦さんがおっしゃってましたが、わかりにくい概念を、極力わかりやすいメタファーとして表現していて読者への理解を進めようとしているところはよく伝わりました。
「天才西山圭太が、彼の数歩後からついてくる私たちにも分かるように親切に、しかも議論の質を落とさずに仕上げてくれたことに敬意を表するとともに、著述家としての彼の新たな才能を見たように思う。」
私も理解力が乏しいので完全に人に教えられるレベルまで至ったかというと疑問なのですが、「天才」に咀嚼していただいた内容を少しは吸収できたのではと感じています。 具体と抽象の行き来の表現や、AIにおける多層構造のディープラーニングの話・パターン認識の話、と読み進めてきたところでの『カレー粉』のメタファーは最も腹落ちしました。 ソフトウェアとか仮想化とかの話で「隠蔽する」とか「ラッピングする」とかの表現が用いられますが、『カレー粉』は、めっちゃありがたかったです。
読む前に一通り事前知識があったほうがより理解が深まる本ではございますが、非常に勉強になる本なので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。
ふせんはいろいろ打ったのですが三点のみ引用抜粋します。
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P39 日本の弱み、日本のカイシャのロジックとデジタル化のロジックがずれてしまっていること、を理解するために重要なのは次の点である。 つまり、「単純な仕掛けをつくると、目の前にないものも含めて何でもできてしまうかもしれない」という一般化・抽象化の思想が、デジタル化の根底に常にある、ということである。そして、そのことがもつ破壊的ともいえるパワーがデジタル化を貫いていて、現代にいたるまで、そして今後ますますそれが影響すを広げつつあるという点である。
P42 デジタル化のロジックとは「具体でなく抽象」だということ、つまり「この手を打てば目の前にある具体的なもの以外のものも含めて、何でも処理・解決できてしまうのではないか」という発想である。
P229
DXのスタートラインは、自社のシステム構成を理解することではなく、まず本屋の本棚の前に立って、その本棚を見渡して、それで自社のビジネスをどう組み立てるかを考えることであるべきだ。自社のシステム構成や業務フローの最適化から発想すると、自社の置かれた競争環境=白地図を見失うことになる。
P269 解説(冨山 和彦)より
もし、本書を読んでデジタル化の本質的な意味合い、そしてIXの衝撃の実相を理解できない、実感できない、さらには(危機感であれ、わくわく感であり)マインドリセットをできないとすれば、今後、ビジネスの最前線で闘い続けるのは難しいかもしれない。
この本に書いてあることが響くか⁉ そして心は奮い立ったか⁉ 本書は著者と私からすべてのビジネスパーソンへ、IX時代の生き残りと飛躍的成長をかけた応援的挑戦状なのだ。
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以上
Posted by ブクログ
DXはサッカー、これまでは野球
エルブジと夏目漱石
本屋にない本を作る 本屋にある本は使う
DXは遷都
インディアスタック サンドイッチ構造
1.課題から考える。解決策からでない。
2.抽象化する。具体のややこしさから離れる。
3.パターンを探す。特定分野から、複数分野視点。
Posted by ブクログ
日本の経済が冴えない要因とどう変わるべきかの指南が明快。企業にとってだけでなく個人としても課題発見、抽象化、パターン化を越境しながら考え行動することが大事だと腹落ちした。意外とこのやり口は、普段、広告会社のアイデア出しのパターンなのでは。
Posted by ブクログ
DXに関する骨太な本。本質をついた論旨展開。
正しく外部環境理解しておくべく読書
メモ
・探索のスピードをあげるには地図を持ち、少し遠目をみて運転すること。
・IX時代の経営ロジック、デジタル化ロジックを個人と組織の身体に刻み込む。それがDXの本質。
・ix時代の地図のようなものを描くこと
・自分が中心ではなく相対性理論のように関係性の中に自社がある世界観認識をするべき。
・縦型、ピラミッド型ではなく、レイヤー型になることで、できることは広がり、イノベーションも起こりやすくなる。
・各社が独自のシステムをまず作り、その一部を共有化するという発想から、共通のレイヤー構造を提供する仕組みが産業、社会の中にあって、それをベースに各社は取捨選択を考え、真に自分で手をかけて作る価値があるものだけ自前で作るという発想に変わっていく。
・デジタル化による社会変化はハード発達やデータ量なのの量的な変化だけでは説明できず、ソフトウェアドライヤー構造がもたらす部分が半分以上ある。
・ix時代のの白地図はサプライヤー軸のデータ解析層、計算処理基盤層から構成されるとともに、横軸はユーザー軸uiux軸がとおり、課題設定側と利用側の両サイドから構成される。
・Netflixが自前開発にこだわった部分。顧客の視聴体験の最適化。マイクロサービスの強化。
・本屋の本棚の前でそこにない本を探すこと。
世界をベンチマークし、少し先のトレンドをみることになる。自社が真に集中すべきポイントが明らかになる。本棚にない本を見つけて開発すると他社に売れるプロダクトに。
・開発、カスタマイズ、プロダクト
・解決策から考えるとありものでなんとかしようとなる。型にハマらない骨太の解決策につながらない。
・IX時代の発想テスト
課題から考える 解決策に囚われない
抽象化する 具体に囚われない
パターンを探す ルールや分野に囚われない
Posted by ブクログ
DX化は単なる既存の業務の置き換えではない。構造そのものの捉え方を変える必要がある。それがレイヤー、アーキテクチゃという発想なのだろう。
そのために本質的な課題の探求、具体と抽象の行き来、特に抽象的に考えることが一層大切になる。
世の中を見るための大きな白地図を提示してもらったように思う。自分の中で意味を繋げて統合しなければならないように思う。
Posted by ブクログ
表面的なDXではなく、その先のIX(Industory Transformation)を見据えたうえで、DXについての理解が深まる。
「両利きの経営」を読んだばかりだったので、リンクする内容もあり、学びになった。
Posted by ブクログ
これはDXの本ではない。これからの個人、組織、社会が目指さざるを得ない思考の在り方を提示している。
多少難解なところや、全てが紐づかないところもあるが、既存の考え方から脱却していく理由と方法の両方を描く。
エルブジ、ルーハン、Netflix、ダイセルなど様々な事例を提示しながら、読者に腹落ちさせながら論を展開。
「本棚の前に立ち、自らが、今の本棚のどこに何が置いてあるのかをスタディし、そのスタディを通して、世の中に無い本を探す。そして、それこそが取り組むべきDXである」と論じる。
DXの本質を問われた時に、唯一推薦したい本だ。
Posted by ブクログ
そこらへんのDX本とは一線を画す本である。
正直、DXに対する考え方を理解するにはこの本1冊でいい気がするが、内容は非常に難しい。
1番面白いと思ったのは、企業がこれからやっていくべきことを「本棚に無い本を探すことである」と表現したことである。(意味がわからないと思うので詳しい内容は本を読んでください。非常に斬新な考え方です。)
ここで言いたいことは、DXという曖昧な言葉に対して、企業は結局これから何をしていけばいいか!?を論理的に提示したことである。さらに各個人の行動指針も示しており、ここまで深く考察しているのは凄いとしか言いようがない。
Posted by ブクログ
グロービスでお世話になった田久保先生が「必読!2回!」とのことだったのでポチッと購読。
要するに、業種や職種といった「タテ割り」はどんどんなくなり、GAFAに代表されるように全てがミルフィーユ状の「ヨコ割り」になっていく。その中でどの部分を外部に頼り、自分たちがどこで勝負するか、横並びになっている本屋の本棚にまだない本をどう探すかが大事という話。
例の一つとして、ネットフリックスはクラウドサービスに全面的に移行する代わりに、顧客の視聴経験の最適化には徹底して自前開発にこだわったものが挙げられている。
しかし、解説の冨山和彦さんが「本気で危機感を持たなかったら、あなたヤバいでしょ」と書いており、そこまできちんと理解できているかというと怪しいので、やっぱり2回目が必要か。。
Posted by ブクログ
表現は難しいが、DXの本質が分かりやすく説明されている。特にウォードリーマップは参考になった。
ただ、実際に本棚を描くのが難しいんだよなぁ…。
Posted by ブクログ
本書で描かれるDXは「インダストリアルトランスフォーメーション」を前提としており、ハードウェアのゼロイチの世界から始まり、壮大な変革論に続いていく。実例や比喩表現も秀逸であり、何周も読み込みたい本であった。
・レイヤー構造でエコシステムが形成されている
・優良なグローバル企業の特徴として、①顧客の要望を直接伺うチャネルがあり、顧客対応を全て細部まで行なうわけでなく、要望を抽象化することで必要な対応のパターン化する。②顧客のいまの課題ではなく、2、3年後の課題やその先にいる顧客の将来を見ている③ギリギリの標準化を繰り返し、低コストで顧客層や提供価値を広げる
・エルブジという古い料理店の事例。世界中から食材を集めて、あらゆる方法で「いじる」(切り方や火の通し方を変え、素材の本質的な味(遺伝子)と形(表現型)を整理する。
・食材×調理法×ソースのような表を作る(メンタルパレット)、こういったことを研究するインベンションセンターを持つ
・レストランでは日々の天候などの環境や仕入れの状況、メニューを通じて表現される世界観が重視される
・インベンションセンターとレストランというレイヤーを分けた。具体的なメニューは流行り廃りがあるが、素材やテクニックのレイヤーは不変。がゆえに、基盤の方が重要。
・インベンションセンターとがOSであり、レストランはアプリケーションであるという
・バラバラにした素材を具体的に再統合して、ゲストを満足させる鍵は「顧客体験」zUXや世界観が大切という理由は、この時から先取りされていた
全てのビジネスはこのようなレイヤー、アーキテクチャとして捉えることで、適切な技術導入を行なうことで、大きく産業の形を変えるという。
Posted by ブクログ
元経産省の役人である西山氏による、骨太のDX解説本。
本書のメインメッセージは、「デジタル化が今日の人類社会に対して持っている最も重要なインパクトは、それが産業構造全体を大きく変容させる力を持っていること、すなわちインダストリアル・トランスフォーメーション( Industrial Transformation = IX)にこそあるということ」(本文より)である。つまり、今世に広まりつつあるDXとは、"イマココ"にある業務の効率化のための道具などでは毛頭なく、世界を全く新しいものに変えてしまう力を秘めた物だ、ということである。
それらのドライバは、ムーアの法則によるハードウェアの進化と、(それを下地とした)IoT拡大による爆発的なデータの増加・解析という二つである。これらによって(正確には、これらの構成要素がさらなる多層構造を織りなすことによって)、これまで乖離があった「デジタルの生み出す価値」と「ユーザーが求める体験(UX)」が近づき、顧客へ価値を提供する仕組みが全く異なるものになるのだ、と説いている。
これ以上の詳細は本書に譲るが、DXの全体像を掴むには最良の一冊と思う。最初は抽象的で分かりづらいと感じるかもしれないが、読み進めるうちに理解が進むので、まずは通読してみることをお勧めする。
Posted by ブクログ
上司に勧められた一冊。
「DXとはこういうものです」と書いてあるかと思いきや、そこに至るまでのプロセスが長いこと長いこと。かつめちゃくちゃ話が難しい(意識して色々なもので例えてくれているのでついていけましたが)
ただ、そもそもDXの前に、それに取り組む上で必要な考え方にここまでじっくり書いてある本は初めて読みました。
業務改善や日々の仕事の進め方においても、参考になるような考え方なのでそういう意味ではかなり参考になりました。
よく「抽象化して考える」とか言いますが、この辺りの解像度が劇的に変わりました。
Posted by ブクログ
著者の西山圭太さんは元経産官僚。正直、誰?で、「松尾豊氏推薦!」「冨山和彦解説」の帯に誘われ購入した。読後は、それまでのDXに対するモヤモヤが晴れた気がする。
キーワードの一つであるアーキテクチャの定義「到来しつつある新しい産業、社会を捉え直し、構築し、表現するための手法であり、発想(p170)」に腹落ちし、IX時代の歩き方である①課題から考える②パターンを探る③アジャイルにこなす④抽象化するは、明日からでも意識していこう。
注目の冨山さんの解説では「世の中にはなんちゃってDXやDXごっこプロジェクトが跳梁跋扈する(p247)」などらしい毒舌がある一方で、「組織能力的にトップから現場までその力(新結合力=「パクリの掛け算力」)が高い人材によって構成されているということ、すなわちアーキテクチャ認識力、思考力を持つ人材に恵まれていることがIX時代において決定的な重要性を持っているということだ(p247)」は本文を補完する素晴らしい内容だった。
Posted by ブクログ
Netflixの”No rule”としながらいかに会社の方向性を発散させることなく、成功してきたか、事例として勉強になった。コンテキストの説明、共有が重要。
DXよりIX。デジタル化⇔経営、具体⇔抽象の間を往復することが重要。
Posted by ブクログ
2冊同時投稿「DXの思考法」「アフターデジタル」
必ずしもテーマが綺麗に重なっているわけではないが、私の中で一つのトピックなのでお許し頂きたい。
で、まあデジタルトランスフォーメーションであるが、平たく言うとなんなのか。
前者「DX」はその構造的理解を、後者「アフター」はその先端的実装事例を解説してくれる。
「DX」の肝は、データは階層構造で把握すべき、というもの(本書の例えでいうなら、ミルフィーユ)。「アフター」の肝は、もうリアルの世界でデジタルをどう使うかの時代ではない、両者に境はなくユーザーはそれを意識していない、企業に求められるのは最適なジャーニーの提供だというもの。
前者は概念中心で使用実例はコマツやダイセルなどごく一部。後者はデータの構造よりは、そこにある何かしらのデータを分析することでユーザーはここまで満足感を味わってくれる、という事例がエキサイティング。一方、そもそもデータとは、という抽象論には立ち入らない。
どちらが良いということはないが、私個人の関心には「アフター」がよりフィットした。
ちなみにどちらもデータ分析そのものの指南書ではない。これを読んでも、自社の基幹システムに吐き出させた生データを前にして勝手に手が動き出すということはない。
何が起きているのかをコンセプチュアルに把握できれば、あとはデータサイエンティストなどプロフェッショナルや人工知能を有効活用すれば良い、という割り切りだろう。
うむ。
その通りだろうが、なにかものすごくわかった気はするが、畳の上の水練でシステム予算を溶かしてしまったらどうしよう、そんな不安に駆られる経営層もいるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
プログラミングや情報技術論ではなく、DX時代のマインドセットが分かりやすく整理されている。
ビジネスパーソンとして、読んで良かったと思える一冊。
Posted by ブクログ
デジタル化とDXは全く別物と分かっていたつもりだったけど、DXって何と聞かれると答えられなかった。読み終わった後はそこに光を当ててくれたような気がした。
Posted by ブクログ
DXの本質について説明を試みた書籍であり、それはアーキテクチャーやレイヤーといったもので表現される産業構造を変革する道具であり、思想であることと受け止めた。特に「本棚に無い本をみつける」といった表現にあるように、既存の技術やサービス(本棚に存在する本)をしっかり把握した上で、それを組み合わせたアーキテクチャーとすることで、新たな本に相当する価値を生むことができる。それを徹底的に探究することがこれからの時代求められていることであると。
メッセージは世界がテクノロジーを活用して変革に向けて邁進している中で、自らがどうあるべきかを徹底的に考えるべし。というのが本書から得られたメッセージであると受け止めた。
Posted by ブクログ
DXが何なのか、ということを知ろうと思ったときに最初に読むには良い本なのではないかと思う。
DXの事例などをまとめた書籍を読んだことはあったが、それは言ってみればデジタル化の事例集のようなもので、その背景にある思想には考えが及ばない。
本書は、DXの背景の思想、GAFAが描いている戦略などをある程度抽象化した視点から述べている。このため、自分の仕事に適用しようとした場合、考える必要があるが抽象化しているため汎用性も高いのではないかと思う。
一方で、料理を例として多用するなど、抽象化されているからと言ってわかりにくいということもなく、著者の独りよがりになっているということもない。
本書の解説では冨山和彦氏が”本書を読んでデジタル化の本質的な意味合い、そしてIXの衝撃の実装をりかいできない(中略)とすれば、今後、ビジネスの最前線で戦い続けるのは難しいかもしれない。”と書いており、意味合いを完全に理解できているといい難い自分に不安もあるが、何度か読んで理解を深めたいと思った書籍。
Posted by ブクログ
本質を突き、思考を深くえぐるとても良質な内容だが、小林秀雄イズムに明らかに感化された憧れが、猿でもわかる内容から遠下げてしまって損をしている。事例や例えがインテリスノブ過ぎて、万民の理解と共感を無駄に得にくくしてないか不安にさせられる。より分かりやすい事例を用いることで、とてつもないベストセラーになる機会損失を招いたと思われる。
Posted by ブクログ
ウォードリーマップという整理が参考になった。
プラットフォームは
①内製開発すべきもの→
②パッケージをカスタマイズして使うべきもの→
③外部調達すべきもの
という段階に分かれており、徐々にSaaSとして調達可能となっていく。
自社の競争優位性に繋がる領域は開発なりカスタマイズすべきという判断になり、優位性に繋がらないなら外部調達すべき。
そして内製開発したものを外部にSaasとして販売することで新しいビジネスモデルが生まれたりもする(AWSやキーエンスのBIとか)
データ=情報を解釈可能でアクションを促す情報(示唆やインサイト)に変換する仕組みをこの本ではコンポーネントと呼んでいる。
同じレベルのコンポーネントを並べたものがレイヤーで、レイヤーの集まりがアーキテクチャだという。
いわゆるエコシステムのようなものをコンポーネントやレイヤーという表現をしていると理解した。
DXとはビジネモデル変革のために、こうした外部のエコシステムを有効活用しながら取り組むべきというのが本書の趣旨かな。
確かにエコシステムを構築した企業、そして次にそのエコシステムを使い倒している企業が高成長していると思う。
Posted by ブクログ
私の中での最近のキーワード「具体と抽象」にもつながる話 レイヤーは大切
01が人に随分と近づいている
アーキテクチャという目線がこんなところでも出てくるんですね
Posted by ブクログ
この高度成長期を支えた発想、つまり「工場内ではヨコ割り、事業部門間・企業間ではタテ割りで経験を積み、熟練を磨きこむことが強い」「業種というタテ割りの中で戦う/政策を考えると勝てる」という、我が国官民に共通のふたつの発想を打ち砕いたのが、デジタル化である。政府もビジネスも、かつてはIT産業、いまでいうデジタル、スマートビジネスを上記の発想・ロジックの延長線上でイメージした。つまりは新しく「IT産「業」が既存の業界の外側にできたかのように考えて戦い、敗れた。それが我々の経験したことである。だからこそ、我々はいま新しいロジックを理解し身に刻まなければならないのである。
■上がってから、はじめて下がる――まずは抽象化、そののち具現化してみる
このビジコンとインテルとの出会いにはデジタル化の本質の全てがある、と私は考える。まずデジタル化のロジックとは「具体ではなく抽象」だということ、つまり「この手を打てばいま目の前にある具体的なもの以外のものも含めて、何でも処理・解決できてしまうのではないか」という発想である。1種類のものを、もし可能であれば1種類に落とし込めないか、そしてそのときに今は目の前にはない計算機、さらには他の電子機器のことも「探索」しイメージしようという発想である。
少し脱線するが一つの経験談をお話ししたい。私が東京電力の経営に参画していた時代、旧知のスイス企業を訪ねたことがある。ランディス・ギアといってスマートメーターでは世界のトップ企業であり、訪ねたのは社長のウンバッハ氏である。一時はシーメンスの傘下だったのだが、当時は東芝と産業革新機構が株式を保有していた。サイモン氏も実はドイツ中堅企業にスイスのドイツ語圏にある企業を含める場合が多いので、「隠れたチャンピオン」企業の一つと言ってもよいのだろう。しかし、ウンバッハ社長を訪問した理由は、スマートメーターの件ではない。世界の電力会社、ガス会社、水道会社と取引のあるランディス・ギアの社長から見て、電力会社の次の10年の課題は何であり、どんなエネルギー企業の動きに着目しているか、それが聞きたい点であった。ウンバッハ氏は、独自の資料に基づいて雄弁に説明してくれた。そしてその話は、世界的なコンサルティングファームなどから聞く話とはまた一味違う「芯を食った」話であった。これもまた、隠れたチャンピオン企業は、顧客の将来課題から発想しているということを示す忘れがたいエピソードである。
ミン・ゾンはアリババが担っているメカニズムは二つだという。一つがネットワークコーディネーションであり、いま一つはデータインテリジェンスである。それを中国的に「陰と陽」として表現している。ネットワークコーディネーションが陽、データインテリジェンスが陰である。ネットワークコーディネーションは、アリババが創業以来関わってきた、オンライン小売市場のタオバオに関係するプレイヤーの間のコーディネーションを指している。関係するプレイヤーは、売り手としての出店者、買い手である消費者、卸売、メーカー、決済事業、ソーシャルメディア、広告、そして出店者をサポートするサービスプロバイダーなどである。その間をデータでつないで最適になるよう調整することをネットワークコーディネーション、と言っている。
…デジタル化とは、最も単純なゼロイチの物理的な表現から、現実に存在する複雑な人間の実課題を解決することの間を共通のレイヤーをいくつも積み重ねることで連結しよう、というメカニズムである。
人間の実課題とコンピュータの物理的基盤がどんどんつながり始めている。それは、単なるゼロイチの計算の速さ故、半導体の能力故、そしてデータの量故ではない。アルファ碁の事例で説明したように、囲碁の盤面のパターンと勝ち筋の探索を純粋な計算能力だけで突破しようとすれば、超天文学的なことになる。もともとアルゴリズムとは(ディープラーニングまで持ち出さずとも)、できるだけ早く計算結果に到達できる手順のことを指している。ミン・ゾンがアルゴリズムで動いていない会社はスマートビジネスでないというのは、言い換えれば、会社自体が計算結果(データから価値を生むソリューション)に早く到達できるかたちになっているか、を問うているのである。その「早く到達できるかたち」を、アリババのようにかなり内製化しているか、あるいはクラウドサービスを利用して外部のものを大幅に利用するかは別として、どちらにしてもそれを実現しているのはレイヤー構造をしたソフトウェア群である。
そして、このレイヤー構造をしたソフトウェア群は、データを処理すればするほど、使えば使うほど精巧になるという進化を指向する存在でもある。
当時聞いた話で最も目から鱗であったことの一つは、製造業の仕組みは、とどのつまり二つのタイプに分類できる、ということである。一つが組み立て加工型、いま一つがダイセルを含むプロセス産業型である。この二つには大きな違いがある。
組み立て加工は、ラインを組んだ流れ作業であり、その間で部品・中間材の受け渡しが行われて最終製品に至る。換言すれば、人が工具などを使って働きかける作業を幾重にも繰り返して成り立っているということになる。トヨタのカイゼン方式が活かされるのはこうしたケースである。この方式では不具合があるとラインを止めることになるのだが、その不具合の原因となった人の行動を洗い出し改善することで、ラインを止める時間がどんどん短くなり、かつ流れ自体も速くなる。第2章で紹介した小池和男の分析対象となった日本の熟練の典型的なケースはこちらであろう。
プロセス産業はこれとは大きく異なる。これも単純化すれば、液体や気体が設備配管のなかを流れている工程だからだ。こちらの場合は、不具合があって設備の稼働を止めるというのは本当の最終手段であり、その時間の長短を梃子に生産性を改善するということはできない。稼働を停止しないために行われるのが、前述した安定化のための予兆監視と介入だということになる。
また、組み立て加工産業の仕組みを模式化すると、工場の入り口には多種多様な部品があり、出口には限られた数の完成品が並ぶというイメージになる。N(多数)から1を作るという考え方である。これに対して例えば化学産業の工場やサプライチェーン全体を見るとその逆になる。極端にいうと、入口には原油しかない。これに対して出口でできる製品は多種多様である。1からNを作る作業だ、ということになる。
■アーキテクチャ理解の急所
データの場合/夜食のラーメンの場合
・アーキテクチャの目的
データを転換して価値、 ソリューションにする。
/食材に手を加えて美味しいラーメンにする。
・コンポーネントの役割
データを変換して、得たいデータの状態にすること。それで達成したい差分。
/食材に手を加えること。それで達成したい差分。麺を好みの硬さに茹でること。
・間違ったコンポーネント理解
ソースコード自体と同一視する。
/「100℃のお湯で3分間茹でること」と同一視する。
・レイヤー構造とは
データを転換するステップの積み重ね。
/食材に手を加えるステップの積み重ね。
・レイヤーとは
同じレベルのコンポーネントを並べたもの。
/同じ段階の手順(「麺を茹でる」「スープを温める」)を並べたもの。
・インターフェースとは
コンポーネントの中で行 われている処理を他のコ ンポーネント、上位のレイヤーから見て隠すこと。
/スープは「温めたもの」 は「茹でたもの」といちいち言わずに済ますこと
とは
・レイヤーを積み重ね、コンポーネントを増やすとできること
人間の実課題のソリューションの多くをデータから作ることができるようになる。新しい価値を持ったソリューションも生み出すことができる。
/ラーメンはもとより、世界中の料理が作れるようになる。新しい料理も生み出される。
Posted by ブクログ
流読。おそらく肝をつかみきれていない。
要再読。
世界をパターンの組合せでとらえなおすことの重要性。
膨大なデータを価値に転換するシステムを表現・設計すること、この違いをどう理解するか。
◯企業が「地図」を読んでデジタル化の時代にビジネスを展開するということは、エコシステムの一部になることを通じて、その地図自体を描き換えるということを意味している。あるいは描き換えられるかどうかが、企業のDXそして経営の成功を意味している。
◯高度経済成長期を支えた発想
「工場内ではヨコ割り、事業部門間・企業間ではタテ割りで経験を積み、熟練を磨き込む」「業種というタテ割りの中で戦う」
→暗黙知化、デジタル化の中ではコード化できるか
◯上がってからはじめて下がる
「まずは抽象化してみて具体化する」
→この手を打てばいま目の前にある具体的なもの以外のものも含めて、何でも処理・解決できてしまうのではないか
・世界の中ではヨコ割りだった日本企業の経営が、いつしかタテ割りになった
→グローバル化・デジタル化により、共通的な手法で解が出る水位が上がっている
◯デジタル化のかたちは
「深いレイヤー構造を使ったネットワーク」
→共通するOS、特定の目的のためにアウトプットするアプリケーションの間に何層もの言語翻訳、中間解があることで深み(様々なニーズにたどり着く)
→完全に定型化でもランダムでもない、適度に良いつなぎ方をすることでイノベーションを生むネットワーク
○アーキテクチャの機能:スマートシティであれば、エネルギー効率、移動の便利さ、教育の質、高齢者への配慮、プライバシーの保護など様々視点があり、それら複数の軸に分かれているものを、あr棚横断的なレイヤーをつくることで、両立可能なパターンを探索。パターンランゲージの活用。
Posted by ブクログ
なぜだか分からないが地元の県庁関連で、DXに関する意見交換会をしたいから参加してくれと言われ、付け焼刃で読んだ一冊。世の中にあふれているDXという名の単なるICT活用術とは一線を画した書籍であり、本質に迫ろうとしている(迫っている?核心をついている?)書籍であるとは思うが、なにせ自分の理解が追い付かない。久しぶりに仕事以外の書籍で、線を引き引き読んだものの、なんだかなあ。手っ取り早いHow toを求めている人にはまったく向いておらず、また、本質的にDXを考えたい人にとっても、どこまで著者とシンクロして理解できるかは、なんとも評しがたい。
Posted by ブクログ
抽象的な話が基本だが、たとえや具体例が豊富なので面白かった。
乱暴にまとめるなら、「DXの本質は抽象化で、ハード部分からUXまでレイヤー構造で捉えることが重要。それに合わせて組織構造を変える必要があるし、課題に応じた地図を作成してそれを見ながらDXサービスのパッケージ選択&内製開発を進めていくのが良い」といったところだろうか。
そして、それをまとめて比喩的フレーズにするなら「本屋にない本を探す」になるだろう。
世界一のレストランと言われたエルブジ、漱石のF+f、ネットフリックスの組織作り、ダイセルの生産革新といった具体例が印象に残っている。
自社のDX戦略を考えるにあたって、ウォードリーマップに本棚を書き込むという方法は面白いし、簡単に始められそう。
Posted by ブクログ
業界毎にみるのではなく、レイヤーごとにビジネスが構成され、よりユーザーに近いレイヤーの闘いに遷移してきている。
レイヤーを意識した考え方への転換がDXのポイント。
経営とデジタル化、双方から歩み寄って産業構造を変革する(IX)
これまでの日本
業種という仕切られた枠の中で競争してきた
デジタルはデジタルという業界を考えていて負けた
デジタル時代に必要な考え方
・いきなり具体化して細部に入るのではなく、一度抽象化して何でも一気に片付けられないか考えてみること
レイヤー構造
アリババはクラウドベースの膨大な計算能力を支える物理的インフラと、その上に乗るデータ解析のためのアルゴリズムという大きく二つのレイヤーがある。
API連携でさらにレイヤーを増やせるようにし、UIUXが最も上にくる。
レイヤー構造を通してシステムと人との距離を埋めていく。
ネットフリックス
・組織がイノベーションを目的としているならば、コンテクストによる経営が合う。その前提として、有能な人材で構成されている必要、部所同士が緩やかにつながり自由に動ける必要がある。
・組織がミスを犯さないことを目的としているならば、規律とコントロールによる経営を志向すべし
・成功を支えるマイクロサービスという疎結合を実現するテクノロジーは、膨大な塊のソフトウェアを分割し、独立したマイクロサービス毎の塊を作り、これを結合する機能を持つレイヤー上に載せた。それぞれのマイクロサービスは試聴データベースに個別にアクセス可能。
この、アーキテクチャーが別々に自由に活動しても一つの方向を目指せる組織風土を支えている。
ウォードリーマップ
横軸: 開発、カスタマイズ、プロダクト、コモディティ化するほど右へ、左が自社要素
縦軸: 下から01に近い層、上に行くほどUIUXに近づく。
このマップを書く中で自社の課題、向かうべき方向が見えてくる。