あらすじ
このままでは尖閣は《第二の竹島》になる!
隙だらけの陸上自衛隊の装備体系を大転換させよ
中国は新たに海警法を制定し、尖閣諸島に対する領土的野心をあらわにしはじめた。
その原因の一端を日本政府と自衛隊が誘引していることに私たちは気づいているだろうか?
実は、陸上自衛隊の「編制」「装備」「作戦構想」が、まるで、尖閣諸島を防衛できる内容になっておらず、
中国からは、尖閣諸島が《隙だらけのターゲット》に見えてしまっているのだ。
著者は『日韓戦争を自衛隊はどう戦うか』(2019年刊)の中で、
陸上自衛隊の「戦闘ヘリコプター」に多額の予算と貴重な部隊人員を空費している一大欠点を指摘した。
本書では、尖閣諸島の奪還作戦を遂行するという喫緊の課題に対して、
見当はずれな防衛投資が、陸自の「砲兵」の分野で冷戦後、一貫して続いてきたことを指弾する。
さらに、ナゴルノカラバフ紛争で明らかになった無人機(UAV)と長射程ミサイルの圧倒的な戦闘力を尖閣防衛に活かす自衛隊改造案を提示する。
陸上自衛隊は、空軍化されなければ尖閣防衛などおぼつかないのだ。
[内容紹介]
・ナゴルノカラバフ紛争が軍事関係者に与えた衝撃
・大活躍したトルコ製の攻撃型無人機「バイラクタルTB2」
・自爆型ドローンによる戦略的ハラスメントの厄介さ
・ロシア軍の電子妨害トラックとイスラエル製無人機の死闘
・政治的ステルス兵器としての無人機
・「ハロプ」を尖閣諸島防衛に使ったらどうなるか?
・先島群島から尖閣海域を火制できる「LORA」について
・無誘導の155ミリ砲弾は、塹壕陣地に対して無力だ
・離島に上陸した味方歩兵はどうやって防護されるか
・中共軍の自爆型UAVを、いかに処理するか
(「目次」より)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
米軍のモンキーモデルを高額で買うより、イスラエルと仲良くなって、UAV買っちゃえ!
尖閣で使える武器を持とうとしないその態度が、周辺国を尖閣に誘っていると警告してます。
Posted by ブクログ
ナゴルノカラバフの戦訓からいかに日本の陸上戦力を整備していくかという提言。
2020年のナゴルノカラバフ紛争を史上初めてUAVが制空権を握ったと評価し、アゼルバイジャンが活用したバイラクタルやその前に各国で開発されSEADに使われてきたUAVを紹介。そして尖閣防衛において陸自の砲兵や対戦車部隊が遊兵化することがないよう、尖閣諸島の地理的条件や陸自の装備の射程などを勘案して大胆に装備を刷新することを提言している。それでも他国に比べたら三番手以下の小改革に過ぎないと。
貴重な戦力資源である若い自衛官を時代に合致しない装備で訓練するのがいかに甚大な損失になっているか。サンクコストの誤謬で、過去に財務省に説明した必要性・有用性がすでになくなってしまったことをあらためて説明し直す言語力がないためにぎゃくに役に立たなくなっている装備や戦術を正当化し問題はないことにする、そうした不健全な保守主義という激痛な指摘はまさにそうなんだろうと思う。せっかく防衛費を増やしたところで、効果的に使えなかったら国民の血税の無駄遣いでしかない。