あらすじ
ふとしたことで人を殺し、その隠蔽という共同作業を経て夫婦円満となった「わたし」と妻。ふたりはもはや殺人を楽しむようになり次なる獲物を求めていた。そんなとき、隠したはずの被害者の死体を警察に発見されてしまう。そこには妻のある秘密があった──彼らは十八年前の連続殺人事件の犯人に罪をなすりつけようと画策するが……数多くのミステリ最優秀新人賞にノミネートされ、国際的ベストセラーとなったサスペンス
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Posted by ブクログ
主人公は、子供の成長やライフステージの変化などによって家族の形が変わっていくことに複雑な思いを抱きながらも、それでもふとした時に感じる変わらなさを愛するという、いかにも普通のお父さんなのに一方では未だ捕まっていない、現在進行形で犯行を企てている殺人犯でもあり、彼の中では家庭の悩みと犯行に関しての悩みが複雑に絡まり合っています。彼は異常だけど、描写されている思考それぞれにはかなり多くの部分で共感できてしまうところが怖くもあり、面白くもありました。
Posted by ブクログ
これはめちゃくちゃ面白い!
翻訳とは思えないほど文章が読みやすく、500頁超えだがグイグイ読まされる。終わりに近づくにつれてどんどんのめり込み、そしてあのラスト。
夫婦のシリアルキラー→妻の裏切り(寝たことへの復讐)→逃避行、家族総出の直接対決→妻が死に、夫は正当防衛で無罪に→そしてまた...
この流れ、もう完璧。
緊急情報カード、目薬などのキーアイテムの使い方もまた見事。サスペンスはどうもハマれないものが多いのだが、これは最高。
Posted by ブクログ
どうしても大好きな富樫倫太郎さんのSROシリーズを思い出さずにはいられない。アメリカの近藤房子と言いたくなるわたしの妻。
これはおもしろかった。一気に読めた。
Posted by ブクログ
精神病院から退院し、妻ミリセントにつきまとい始めた義姉のホリーを不可抗力で殺してしまった”わたし”。
それをきっかけに殺人の蜜の味を占めるようになる夫婦2人のサイコパス小説。
自分達の所業を、町のかつての伝説的殺人鬼になすりつけようとするが、友人、家族に思わぬ影響を与えてしまい、困惑する展開に。
アメリカ発と思えないフレンチミステリ的設定。
子ども達の肉体的、精神的な負担・異常を気遣いながらも、自分達に捜査の矛先が向かわないよう苦慮するシュールな場面。
夫婦の甘い出会いを思い返し、なぜこんな現在になってしまったんだと回顧する哀愁漂う想起。
サイコパス的人生と家庭の両立というありえない設定を巧みに描き切る。
個人的には”魔法をかけられた”と評する愛の物語側で帰結して欲しかったのだが、そうもいかないか。。。