あらすじ
〈蛭鬼〉の血が目覚める条件は、本当の恋に落ちること。〈蛭鬼〉になれば人として死に吸血鬼として復活する――。密室の別荘で、若き映画スター・比留間稔流が殺された。稔流は弟の真斗に、自分たちは〈蛭鬼〉の血統だと言っていた。真斗は、稔流の復活を信じて、謎を探っていく。本当の恋を求めながら――。犯人は誰なのか、兄弟は真に〈蛭鬼〉の血統なのか。本格ミステリ、幻想小説、青春小説の要素を融合した力作長編。
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Posted by ブクログ
蛭鬼と呼ばれる不老不死の吸血鬼の存在が伝説として信じられている所で育った稔流と真斗。過去、震災で両親を亡くし児童養護施設で育った。ある時叔父の馨が2人を引き取り、稔流を俳優にさせると言い…天性の才能があった稔流がスター街道に乗れたのも束の間、稔流は殺されてしまう。
自閉症気味の弟の真斗が行きずりの女遊びをする事によって日常生活やマナーが学べたのは良かったのか、悪かったのか。子供の頃は純粋な真斗がどんどん世慣れしていくのが複雑でした。
蛭鬼に拘り続ける真斗が最後に見たものは何だかとても切なかったです。真実は大いにして残酷ですね…凜々子の手をあの時離さなければ、少しでも救いがあったのかもしれませんが、元には戻らず。それでも前へ進む真斗の今後が明るい物だと信じたいです。
Posted by ブクログ
兄の死の真相を求めて、弟・真斗は兄になる。
一言でいうなら、すごい。信じていたものが目まぐるしく変わっていって、再読して確認したくなる。真斗の少し世界の見え方に違いがあるという先入観に振り回されてしまった……。奥の開けてはいけない扉は言い得て妙だと思ったけど、まさかあなたもですか。ていうか食べ合わせどうなんですか……(全然関係ないけど)。
世間のダークな部分だったり、都合の良いとこしか見てないことへの批判だったりもあって、ただの吸血鬼モノではなかった。