あらすじ
――――あなたには、“本当に忘れたい記憶”はありますか?――――
上野駅の幻の18番線には、乗客の記憶を一つだけ消してくれる列車が停まっている。
秘密のホームへの扉の鍵を手にした4人の男女が忘却を願うのは、大好きなはずのピアノ、事故で死んだ最愛の息子、人生で最悪のクリスマスイブ、そして幼い頃犯した罪。
忘れられるものなら忘れたい――でも、本当に?
自分の過去と向き合うため、彼らは謎めいた車掌と不思議な生き物・テオと共に旅に出る。
『塀の中の美容室』の桜井美奈が描く、4人の人生を紡いだ感動の連作短編集。
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Posted by ブクログ
あらすじ
『本当に忘れたい記憶にご案内します。』
上野駅の幻の18番線に、忘れたい記憶を消してくれる列車があるらしい·····。
大好きなピアノ、事故で死んだ息子、最悪なクリスマスイブ、幼い頃の殺人。男女4人の忘却を願う記憶。忘れられるなら忘れてしまいたい…!
『しかし、良い記憶も消えてしまいますーー』
過去と向き合い、人生を紡ぐ。
果たして、選択すべきはどちらなのか。
感想
「記憶は人を縛ります。ー捨てられない過去に縋りついて、未来へ歩くのを妨げる場合もあります。」
記憶とは呪いだ。良い記憶は"資産"に、悪い記憶は"負債"に。人生に"負債"は必要なのか。"資産"だけを抱え、幸せになれるのではないか。
しかし、記憶を消した未来を視て、そうではないと知った。犯した過ちを記憶から消しても過ちは繰り返してしまうこと。"負債"は"資産"になりうるのだと。
記憶を消すのではなく、どう受け止めるのか。
深く考えさせてくれる作品だった。
評価
短編集で読みやすく、わかりやすい内容だった。
本をあまり読む機会がない人でも、スラスラと読めそう。しかし、車掌の過去について、テオについてもう少し深掘りされていたらもっと読みやすいのかもしれない。
本をよく読む人にとっては、後半につれ重い内容になっていくのに対し、軽い文章で進んでいくのが不思議な感覚。しかし、車掌の過去やテオの存在、列車の仕組み(?)について深掘りされていない点では、色んな方向に想像を膨らませることができて良かった。
Posted by ブクログ
もし本当に記憶を1つ消してくれるって言ったら
きっと皆の中にも忘れたい記憶はあると思う。
その記憶と向き合って乗り越えていくのか
忘れてしまって楽になるのかは人それぞれだと思う
記憶って人を凄く幸せにもしてくれる物だけど
時には記憶に縛られて苦しむこともあると思う
それぞれ自分なりの答えを見つけられるといいね。
Posted by ブクログ
このお話の中で起こることは現実的ではないのに。忘れたいことと引き換えにその重さと同等の良き思い出を失う。とても現実的な世界だと思いました。
どんな思い出でも自分の構成要素の1つであり、その経験があるからこそ今の自分が作られていることを感じさせてくれる作品でした。車掌さんの闇と車掌さんとテオの関係性も、この作品に惹き込まれる大切な要素でした。