あらすじ
ちょっぴりあがいてはいるけれど、年を重ねるのは楽しい
“おとな”には十分な年になった今だから思うこと、日々のことを、海辺の家に住む料理家が綴るエッセー集
【もくじ】
story I 仕事の話
料理家という仕事をしていても / レシピの源は家族 / 運命の出会い / 名物編集者と呼ばれる人たち…など
story II 食いしんぼの話
旬の素材はうれしい / 冷蔵庫に入れる前に / 春の海の味覚 / 出来たてを食べる…など
story III 家の話
災害やコロナに寄り添う暮らし / ものを減らす / 家のリフォームで見えたもの / 秘密の地下室…など
story IV おしゃれの話
夏のビーサン、冬のスニーカー / スカートの丈は年とともに / 着心地のよい服 / バッグのスリム化 …など
story V ものの話
土鍋と炊飯器とのいい関係 / 器も料理の一部 / 保存容器は琺瑯が便利 / 真っ黒に油焼けした揚げ鍋…など
story VI 日々の話
季節の移り変わり / そそっかしい事件簿 / 黒猫クロの思い出 / 海が見えるところに住む覚悟…など
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
おとなに
なっては
みたけれど
飛田和緒著
帯より。
「ちょっぴりあがいてはいるけれど、
年を重ねるのは楽しい。
海辺の家に住む料理家が綴った、
毎日の暮らし。」
私ごとですが結婚してすぐの頃、本屋さんで数冊の料理の本を買いました。
その一冊に、著者の「おいしいっていわれるくどき料理」がありました。
タイトルは気恥ずかしかったのですが、飾らない料理や使われている器が好みで、飛田さんの笑顔もいいなぁと思ったからでした。
当時は色々と作りましたが、中でもコロッケを作った翌朝に、「おまけのコロッケパン」キャベツの千切りをたっぷり添えてパンで挟んで食べるのが楽しかった。(今では「コロッケは買うもの」になってしまいました。)
本書に戻ります。
料理家、飛田和緒さんのレシピのない文字だけのエッセイ本になります。共感もしばしばです。
「夫と仕事」では、4つ上のレーシングドライバーのご主人は「還暦祝いはしなくていい。なぜ自分から60になったと言わないといけないのか」と仕事でかっこいい一面をみせつつ、家では、お願いしたゴミ出しのゴミをまたいで出かけてしまたりで、若いときはそれが理解できずに、どんな小さなことにもいちいちブーブー文句もあった、30年以上かかってようやく理解ができるように。に、くすりです。
他にも「ものを減らす」、「そっと一輪の野の花」、「直して使う、古いものをいただく」、「父の手仕事」、「切手の楽しみと手紙」、「テレビではない楽しみ方」、「季節の移り変わり」、「今後の理想の暮らし」などなど。
飛田さんの飾らない文書に、愉しい時間を過ごさせていただきました。
Posted by ブクログ
飛田和緒先生の謙虚さを感じるエッセイ。
飛田先生レベルでもトークショーや料理教室に人が集まらず(!)、イベントが中止になってしまい、そこからインスタグラムを始めようと決意したという話。
コインランドリーの乾燥機に携帯電話ごと突っ込んでしまい、あわや火災寸前だった話。
ル・クルーゼの揚げ物専用鍋から火柱が立って、鍋を黒こげにしまった話。
文章も上手でとても読みやすいです。
あと、ふきんを洗濯する洗剤でなかなか良いものに出会えない…という話は私もそう思ってました。私は衣料用の漂白剤で香りの少ないものを使ってます。ぜひ飛田先生にプロデュースしてほしいです。
そうなのか、と驚いたのは、読者に顔を覚えてもらうために髪型をあまり変えないほうがいいとアドバイスされたというエピソード。
確かに料理研究家の先生方は、ずっと同じ髪型かも!
衝撃でした。