あらすじ
幼いころから吃音が原因で嫌な経験をし、明日が来ることが怖い高1の萌歌。萌歌とは正反対で社交的な転校生・照道が現れ、毎日が少しずつ変化していく。彼は萌歌をからかっていたかと思えば、さりげなく助けてくれて…。意味不明な行動をする照道を遠ざけたい萌歌だったが、ある日彼も自分と同じような傷を抱えていることを知り…。萌歌を救うために自分を犠牲にしようとする照道を見て、彼女は誰もが予想だにしなかった行動に出る——。ふたりの絆に胸が締め付けられる純愛物語。
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Posted by ブクログ
誤字脱字が気になりましたが、全体的に好みの構成でした!
障害について、ある人もない人もある程度、何かしらの偏見から隔たりが生まれてしまって、だからこそ、少しづつでも歩み寄りが必要なんだなと感じました。
あとがきの最後の文を読んで、"あぁ、こういう人だから、こんな優しい文が書けるのかな"なんて思いました。
Posted by ブクログ
自分自身、現在社会人ですが、親戚の中学生に勧められて読みました。
初めはタイトルや表紙のアニメ絵を見て「いかにもこの年代が好きそうな本だな」と、正直舐めていました。
しかし、読んでいくうちに高校生活のリアル感や登場人物の過去の奥行きに惹かれて、主人公の萌歌が作中疑問に感じている「自分を助けてくれる照道のねらい」が気になって、どんどん読み進められました。
自分自身も、高校のときはいわゆる「陰キャ」と呼ばれる部類だったので、クラスの中で目立つ子たちの雰囲気や、廊下で騒いでいる人たち、主人公が自分の落ち着ける場所を探す行為、親に心配をかけたくないという考えに「そんなふうだったな」と、少々の苦味のある懐かしさを感じました。
登場人物たちの過去も、取ってつけたような薄っぺらいものではなく、一人ひとりに重みがあり、高校生だからと言って侮れない人間の深みを、物語を読みながら感じることができました。誰にでも、もちろんクラスの中で目立つ存在の人たちにも陰があるのだと思います。
タイトルや、各章のタイトルの意味も、読み進めるうちに、しだいに「なるほど、きっとこうなんだな」と理解できますが、最後でもっとしっかりタイトル回収をしてほしかったとも思いました。
タイトルに「恋」を謳うなら、「憧れ」を前面に出すよりも…とも思います。
ただ、あの終わり方が彼ららしいと言えば、そうなのかもしれません。