【感想・ネタバレ】絶体絶命ラジオスターのレビュー

あらすじ

大ヒット作「スマホを落としただけなのに」シリーズの著者【志駕 晃】が、デビュー前から構想を温めていた幻の未発表作にして、初のSF作品。
スケールの大きなストーリーテリングに、手に汗握る見せ場の連続、ラジオマンとしてのキャリアを生かしたリアルなラジオ業界の描写。《 SF × ミステリ × 活劇 × お仕事小説 》と言うべき、新感覚エンターテインメント小説!
解説は、読書家としても知られる声優・エッセイスト・日本SF作家クラブ会長の【池澤 春菜】氏が寄稿。
【あらすじ】
AMラジオ局「帝都ラジオ」の局アナDJ垣島武史は、突然現れた自分そっくりの男に、わけもわからず命を狙われるはめに。
謎の少女が導く地下室。
深夜の埠頭にとどろく銃声。
暗躍する独裁国家の工作員。
錯綜していく記憶──。
時間と空間を越えた陰謀の中、命がけで臨んだ最後の放送が、彼を待つ恋人とリスナーたちに届いた時、深夜ラジオの電波は小さな奇跡を起こす......!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

AMラジオのDJ・垣島は、最近奇妙な出来事が次々と起きる。就職活動中の人に会う約束をしたのに遅刻。でも会っていたという。他にも垣島の声を使って、店をキャンセルしたりと自分の他にもう一人の自分が?
命も狙われることになり、垣島はどうなっていくのか?


作者の志駕さんは、ニッポン放送にいたこともあり、「この人ってあの人だよね。」と思わせるような登場人物や番組などが登場するので、思わずクスッとしてしまいました。ラジオの裏側も楽しめるので、ラジオ好きの私にはたまらなかったです。

SFミステリーということですが、タイムトラベルものです。垣島が過去に飛び込んでは、また過去へと繰り返していくので、それまでの不可解な行動が、答え合わせのようにわかっていきます。最初はドッペルゲンガーといったホラーっぽい演出かなと思いましたが、段々とわかるにつれて、あれとこれが繋がる面白さは快感でもありました。

SFとしての面白さもありましたが、メッセージ性もあったのが印象的でした。何事にも始まりがあれば、いつかは終わりがくるものです。これが終わりだと感じた時、人は何をするのか?何を思うのか?

その状況下での登場人物たちの行動が感動を誘うものがありました。自分だったら、どんな行動をするのか。終わりになるということは何かの始まりとも解釈できます。
読み終わった後、何か行動を起こしてみようかなという気持ちにさせてくれました。

ミステリーという点では、志駕さんというと、ドンデン返しの展開や犯人が印象深いのですが、今回はどんでん返しというよりは、ちょっと衝撃的な展開でした。なので、ドンデン返しを期待している人には、物足りないかなとも思いました。
ラジオは声でしか伝わりません。また本は文字でしか伝わりませんが、その中に込められた思いは、温もりを感じましたし、「愛」も感じました。
特に最後のラジオ放送は、メッセージ性が強く、印象深かったです。

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2021年02月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

勝手に「スマホミステリー作家」と呼ばせていただいている志駕さんが今度はタイムスリップですって。もうスマホミステリーじゃないのかぁと思ったけれど、最初にちゃんとスマホを落とすし、ちょっと一杯では済まずに泥酔しています(笑)。

過去の自分と未来の自分が入り乱れて3人も。事情をわかっている未来の自分が、トイレのドアを開けたらそこに座っていた過去の自分に思わず謝ってしまうのが可笑しい。

SFには若干苦手意識がありますが、この程度のややこしさならついていける。しかしビルという名前の人が一瞬ボブになっていたのはタイムスリップのせいじゃないですよね(笑)。書き下ろしにこの手のミスが多い気がしなくもない。

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2021年03月21日

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