あらすじ
田渕由美子、最後のコミックス! 私は可愛い。だから風俗の仕事で結構稼げてる。そこは親に感謝なのだけど、当の親からは―。表題作『地上の楽園』を含むコミックス未収録7作品+オフィスユーの表紙を飾ったカラーイラストも。最後のコミックスに散りばめられた、田渕由美子の世界。あとがき/田渕由美子
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Posted by ブクログ
田渕由美子さんといえば、付録付き雑誌りぼんで一時代を築いた漫画家である。読者層の変遷により、りぼんや多くの女性雑誌から、漫画家はいわゆるレディースコミックに活動の場を移した。中にはそのまま消えてしまった漫画家もいるし、青年誌で成功されている漫画家もいる。漫画家も読者同様年を取る。親の介護や自身の健康状態などで、いつかは活動を止める日が来る。
本編は彼女の最後のコミックスだそうだ。感慨深い。おとなしくて、美人でもない女性が、皆の憧れの男性から好意を寄せられる作品を見て、どれほどの女学生が元気づけられ、夢を見たことか。
『地上の楽園』Heaven on Earth
妊娠している女性が、引っ越した先で夫を見上げる。その隣には幼い子供が。しかし何らかの理由があって、その子供ーは、今、アイドル似の女性として、天涯孤独の身で稼いでいる。彼女を見つけた警官が何くれとなく面倒を見てくれているが、両親は見つからない。そんなある日、両親と過ごしたアパートが映った写真を見つけた女性は。
まず、りぼんではこの職業の女性はNGだったと思う。気が強く、どこか世を諦めていた女性が、過去を見つけたことで、新たな道を見つける。
『ブルー?』
陸上部の先輩後輩として長年つきあってきた相手と結婚することになった女性。その紆余曲折とは?こちらはかつての少女漫画設定を大人向けにしたような内容。
『三日目の月』『四日目の月』『五日目の月』『六日目の月』
田渕漫画には珍しい印象のお仕事ドラマ。広告会社で働く女性が、突然失職する。二人でやっているほそぼそとした会社で、営業からアイデアだしからなんでもやらされるが、それなりにやりがいを見つけていく話。実は二人が有名広告会社で働いた過去があり、才能があることが明かされているため、彼女の今後の成功は約束されたもの。ラブ要素なし。
『あかねたちばな』
母親が違う姉妹は、性格も正反対。真面目な長女の恋人を、奪ってやろうと決意した次女。二人の名前があかねとたちばな=橘子。シブリングライバリーだが、どろどろしない。