あらすじ
王女ティア=メイを危機から救ってくれたのは旅人に扮した精悍な騎士ヴェンス。気品のある仕草や優しい微笑みにキュンとする!二人きりになれば「おまえの知らないコト、教えてやる」低く色気のある声で囁かれて唇が重なり――。彼の長い指で脚をなぞられ、下腹部を刺激されると初めての快感ではしたない喘ぎが漏れてしまう。うぶな巫女姫×オトナな騎士王子の蜜愛☆結婚物語。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
島国の国民たちも精霊たちも王女様に甘すぎだろうという。
何故国を推して彼女の恋を応援しているのだ。
しかも温かい目で。
子どもたちまで協力的なのがまた。
まあ姫様の気持ちは分かりやすくて、誰にでも知れるとは思うが。
だから優秀な彼が気付かない訳はないだろうと思いつつも、偽恋人の役を引き受けるまでは彼女に気がなさそうな態度を取っていたので(その前にうなじは噛んでいたけど)(ここで人肉食の文化があるのは尊重するけどやめてという姫様の頓珍漢な発言に大変悶えた)彼の想いが見えずに随分やきもきした。
彼は彼女のこと好きなの、どうなの。
その割には手が早い。
彼女の気持ちを知っていてはぐらかしているのか、本当に気付かず「何とも思っていない」「友人だと思っている」という彼女の嘘だらけの言葉を本気にとっている朴念仁なのか、判断がつかなかったので。
彼が実際どんな思いで彼女と接していたのかは、クライマックス付近の彼視点が出てくるまで待つ羽目になる。
引っ張りすぎだ!
姫様が治める島国の文化と、彼が渡り歩いてきた他国の文化や風習、自国の伝説などを絡ませて、異国文化溢れる世界観が美しい物語。
特に自然描写、色の描写が美しかった。
だから余計に最後の想いを文字通り「形」にする場面の描写がより輝いて見えた。
あの場面は反則だ、色々と(ゆえにこちらも泣きながら読んだ)
その後は、島の人たちと一緒に温かい目で見守りましたよ。
やっとやっと、ようやっと素直に想いを伝えることができた二人のことを。
姫様が恋に走らず、国のこと、彼自身のことを思って必死に自分の想いにふたをしようとしていたのが、本当に可愛くも王としての自覚があるいいキャラだったと思う。
だからこそ、彼も彼女の傍にいようと思えたのだろうし。
彼の国の伝統が些かややこしいこともあって、余計に恋愛面では拗れたが、国の安定性はその甲斐あって格段に向上したと思う。
それは精霊も激推ししますわ。
タイトルにそうあったので、てっきり人型で現れて人語を解する精霊が登場するのかと思っていたけれど、そんなことはなく。
ただただ自然現象で圧をかけてくるタイプだったのには驚いた。
だからこそ、姫様が一人で抱え込んで大変なことになった訳なのだが。
でも基本的には島国の皆は精霊含めて過保護である。
そして今回その過保護な人が一人増えた。
そんな物語である。