あらすじ
中国の都市部の世帯は、持ち家を平均1.5軒持っており、北京市の平均世帯資産は1億3392万円に上る。なぜ、彼らは「お金持ち」になったのか? 本書では急激に豊かになった(たとえば上海市の大卒初任給は30年前の190倍)中国人の資産の増やし方や消費傾向を紹介し、彼らのライフスタイルや価値観の変化を浮き彫りにする。 ●「Z世代」といわれる若者は従来の中国人とは異なり、商品の箱の中身を確かめないでモノを買う ●若者が憧れるKOL(キー・オピニオン・リーダー)――「ライブ・コマース」で商品を巧みに紹介する人たち ●ホワイトカラーよりブルーカラーのほうが可処分所得が多い ●農村住民や都市の非就労者が加入する年金の受給額は、月平均125元(約1875円) ●介護に関しては在宅介護が全体の9割を占めており、「子どもが老親の介護を負担するのは当たり前」という従来の考え方は今でも根強い ●コロナ禍の武漢での食生活は……
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Posted by ブクログ
近年、急激な経済成長を続けている中国を、消費傾向の変化について観測した本。
実質上の植民地である地方部を犠牲にして、都市部は確実に日本より豊かで自由な生活を謳歌している。
Posted by ブクログ
中国人のお金の使い道を知ることによって今の中国を知るための本。
中国の劇的な変化は 2014年頃からのスマホによるインターネットの普及が大きい。今までは ニュースといえば 政府の指導のプロパガンダ中心で人々はマスメディアを信じていなかったが、ネットメディアの情報量が増え、一気に物知りになった。
中国人は基本的に現金を信用していない。いつ動乱が起きて、紙幣がただの紙切れになるでしまうかわからないから。不動産、株、宝石、金(ゴールド)など価値の変わらない資産を持ってリスクヘッジ しようとしている。
中国人がお金持ちになった理由の一つは不動産の転売。不動産は2000年から2019年までの19年間で5倍近くに膨れ上がっている。近年は不動産 価格は高騰しすぎているため、購入することができない層が増えている。中国人の間に定着していた「若いうちに不動産を買うのが当たり前だ」という常識や共通認識と言ったものは変わってきている。
中国はかなり以前から「未富先老」(豊かになる前に老いる)、「未備先老」(まだ準備できていないのに高齢化社会に突入した)と言われている。全人口の20%が高齢者。これからの高齢者の子は一人っ子政策の時の一人っ子。年金制度も前途多難な状態なので大変。
中国は相互不審社会で顔を見たことのない他人のことは一切信用できなかったが、Z世代の若者はそういう傾向がなくなってきている。また、欲しいと思ったものには 際限なくお金をつぎ込んでしまう傾向がある。親が家を買ってくれたり、実家住まいで使えるお金がたくさんあるから。
中国人は、冷たい飲み物、生野菜を食べなかったが、近年は大都市の人々(特に若者)は冷たいジュースを日本人と同じように飲み、生野菜のサラダ、刺身、日本酒まで受け入れている。