【感想・ネタバレ】忘れえぬ魔女の物語【電子特装版】のレビュー

あらすじ

今年進学した高校の入学式が三回あったことを、選ばれなかった一日があることをわたしだけが憶えている。そんな壊れたレコードみたいに『今日』を繰り返す世界で……。
「相沢綾香さんっていうんだ。私、稲葉未散。よろしくね」
そう言って彼女は次の日も友達でいてくれた。生まれて初めての関係と、少しづつ縮まっていく距離に戸惑いつつも、静かに変化していく気持ち……。
「ねえ、今どんな気持ち?」
「ドキドキしてる」
抑えきれない感情に気づいてしまった頃、とある出来事が起きて――。
恋も友情も知らなかった、そんなわたしと彼女の不器用な想いにまつわる、すこしフシギな物語。

電子版限定、特典ショートストーリー「調理実習・オブ・ザ・デッド」を収録!

※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください

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ネタバレ 購入済み

素晴らしい一作

最初はちょっとファンタジーぽい日常百合話だと思ったんですが、最後は壮絶な話になって衝撃を受けました。詳しくネタバレしたくないから割愛しますが、素晴らしい話なのは間違いないと思います。人が壊れるほどの重い愛と気持ち。もう最高です。

あと小さい突っ込みたい所もありますが……例えば、車は衝突しても爆発しないですよ。っていうか爆弾でもない限り爆発は起こりません。ガソリンが漏出したらなおさら爆発は物理法則レベルでありえません。でも運命レベルのイベントなら……ま、仕方ないかって感じもしなくはありません。

従姉は黒幕のヤンデレちゃんとも思ってましたが、予想を裏切って腹黒ではあったが悪い人ではない(らしい)。よかったですね。

あと、情感/段々好きになるの気持ちの書き方がすごく上手。最後はご都合主義と思る人もいそうですが、わたしとしてはとっても納得。物理学が興味なので人間原理は中学から知っていましたけど、この理論によれば宇宙は確かに結構ご都合主義の産物ですね。つまり主役の二人は死なない(まぁ死んだら作品書けなくなるしね)、でも多分死ぬと同じくらい残酷なことがまだいっぱい……。

あとやっぱり自分の子を捨てる親は許せないね。

2卷が楽しみです。

#癒やされる #感動する #深い

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2022年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ループ物は何作品も触れてきたけど、この法則性のパターンはちょっと珍しい気がする。
主人公の綾香が厭世的すぎてたまにイラッとするけど、そのクセのある感じも境遇とかループを自覚してることを考えるととてもリアリティがあるので私はむしろそこが気に入った。
こういう子が未散ちゃんみたいな素直な子との触れ合いを経て変わっていく過程、良いよね……!

なんて素直に言えないくらい、後半は重い展開に。
希望の光の見えないループに入った綾香の心情の変化というか擦り切れ方が痛々しすぎて……正直、終盤のご都合主義感の強い救いがマジで読者にとっても「救い」なんですよね。
良い百合を読んだ。続刊も出てるみたいなので読もう。

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2021年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ


同じ一日が繰り返される……、一日はだいたい平均5回くらいあって、そのうちの1回だけが「採用」される。主人公の少女以外、誰もそのことを知らない。だから、うまくやっていくことなんかできっこない。孤独と寂しさを感じながらも、繰り返される毎日を観測していた主人公が、ある日、近くの席の女の子に恋をする話。自分の全部を賭けられる恋を。


とても良かった。こういう世界システムの話は疑問が残りがちだけれど、大切なのは何が起こっていてどうなったかが読者にわかるかどうかだと思う。八割くらいわかった。
しに戻りは皆の性癖。
脳の耐久年数問題とかがあるのならば、彼女の死の問題が解決しても、無視できない危機が迫っているような気もします。が、問題があり、それが解決して、二人が幸せなのだから問題はないのだろう。
でも、幸せの後ろに、叶わなかった一つの恋もあるんですよね。それも、自分の多くをかけた恋だったんだ。

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2021年02月03日

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