あらすじ
動物たちのことばがわかる不思議な力を持つ若者が,美しい姫を手に入れるまでの冒険を描いた表題作のほか,子ども代わりに育てた木の根がとんでもない成長をとげる「オテサーネク」,ニワトリの国を治めることになった「イタチの王さま」など,チェコの代表的な昔話13編を収録.繊細なカラー挿絵で楽しむ不思議な伝承の世界.
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Posted by ブクログ
アルトゥシ・シャイネルの挿絵が素晴らしく美しいチェコの昔話集。
どこかで聞いたことがある話が多いなと思っていたら、映画化された話もあると後書きで知って納得した。
何となく、他人に優しくふるまう・人から受けた親切をどう受け止めるかというところに重点が置かれた話が多いような気がする。
こういう昔話ならではの不思議な伝承の世界観は大好き。
Posted by ブクログ
チェコの昔話を集めたきれいな本。
えええそれでいいの!?っていうオチや展開は児童向け加工少なめで、なまっぽさが楽しい。
知っている話がけっこう入っているのはお話集で読んだのか他と通じる型があるのか。
12や3という数字や「黒い海」「命の水と死の水」などが繰り返し出てくる。
交易路にはお話が集まって形を変え、また各地に広がっていくって話を京極堂で読んだ。チェコもそういう場所だろうか。
写真を加工したみたいな遠近感の絵がすごい。
服を見るのが楽しい。家や内装や食事を見るのも楽しい。
ポーランドとか中東欧なイメージの服はスラブ系なのかな。
Posted by ブクログ
小学生の時の学級文庫でザ・トラウマだった火の鳥の話がてっぺんに載っててカンドーしました。哀れ、みじん切り王子
類話:日本昔ばなし→太郎・二郎・三郎(三又の道を歩くところなど),シシ取り太郎
オズの魔法使い 逃げるパン坊や
3人組の話は、和洋問わずよくありますが何故でしょう。2人じゃ物足りないし、4人じゃわちゃわちゃして且つコミュニケーションも上手くいきそうだし、3人だとどうしても人間関係に歪みがでるからかな?
無理難題をクリアして、綺麗なお嫁さんを貰うor玉の輿婚する話も西洋よくある
それを鑑みると、無理難題をクリアしてお嫁さんを取り返すっていう、絵姿女房はかなりのイレギュラーなような気がするー(近現代になって、できた話?もしくは、バッドエンドだったような気がするけど…
Posted by ブクログ
ヨーロッパだし、オーストリア支配もあった国だから、グリムとほとんど同じ話もたくさんある(「小なべや、おかゆを煮ておくれ」、「三人の糸つむぎのおばあさん」、「火の鳥とキツネのリシカ」など)。
似てるけれどちょっと違う話(「イェルカとヤギ」)もある。
表題作も「なんでも見える鏡」や「くつやのドラテフカ」に似ている。
純粋にチェコだな、と感じるのはシュヴァンクマイエルの映画化がキョーレツだった「オテサーネク」、被支配の苦難を描く「イタチの王さま」、天邪鬼のような座敷わらしのような小鬼が出てくる「ララーシュとシュテック」など。
シャイネルの絵が素晴らしく、布張りの原書がほしいものだと思う。
こういう絵は日本人には描けない。今のヨーロッパ人も無理かも。クリムトの絵みたいな絢爛豪華な美しさ。