【感想・ネタバレ】わたしたちが光の速さで進めないならのレビュー

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Posted by ブクログ

テクノロジー一辺倒ではなく、宇宙や未知なる惑星たちが日常になっても、今と同じようなことで哀しんだり、懐かしんだりしてる人間たちを描いているのが良かった。でも、それぞれの悩みや迷いは、SFの世界じゃないと起こり得ない物事たちで、そのバランスがとても好きだった。

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2024年05月12日

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遠く離れた星に移住した家族を想うコールドスリープの研究者を描いた表題作ほか7編。若手韓国SF作家による短編集。

韓国SFって若い女性の作家さんが多いのでしょうか。以前読んだ「千個の青」も若い女性だった気がします。「千個の青」のような雰囲気を想像して読み始めたのですが、意外にかっちりした固めのSFでした。内容は遠くの星を舞台に組み込んだものから近未来テクノロジーの話まで。どれもそこはかとない哀しさが漂っていて、中にはマイノリティや社会から居場所を奪われる人たち、つまり現代社会の問題も描き込まれていて、読んでいて胸が痛くなりました。特に、ストレージに人格をコピーする「館内紛失」や共生説と幼児期健忘を絡めた「共生仮説」が好き。「共生仮説」なんかは手塚治虫の短編「ドオベルマン」を思い起こさせたりして、手塚治虫のアイデアの先見性を改めて認識します。

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2024年03月19日

Posted by ブクログ

韓国の若手(93年生まれ)女性作家によるSF短編集。テッド・チャンやケン・リュウに通じる作風。7編を収録。

「巡礼者たちはなぜ帰らない」「スペクトラム」「共生仮説」「わたしたちが光の速さで進めないなら」「感情の物性」「館内紛失」「わたしのスペースヒーローについて」を収録。

登録数・レビュー数が多い本作。すでに的確な意見がたくさん書かれてあるので、自分が書くことは何もなさそう。一口にSFといっても多様な内容があるけれど、この一冊で大半がカバーされてしまうほど守備範囲が広い。古典的なSFから現代のリアルな課題になりつつある技術革新を新しい感覚で捉え直し、人肌が恋しくなるような叙情を残して物語に折りたたむ。皆さんがあげているように、「館内紛失」は良かったよね。意識とは何かという難しいテーマを問いつつ、最後は愛と理解という人間的な落とし所で締めくくる。これは人気が出るのも納得、最近新しい本も出たようだし、今後も要注目だろう。

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2023年12月17日

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どこか今と地続きのような世界を描くSF短編集。とても面白かった。地球外生命体との接触、共存。進化した人類に残るヒエラルキーの書き方。ふと宇宙に思いを馳せる小説。良かった。

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2023年11月07日

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柔らかで、感情を揺さぶられる。純文学的な趣がある。一編一編が大変読み応えがあり、しっとりとした読後感。めちゃくちゃ好み。読み終えたあと、ふうっとその人物たちについて、思いを馳せてしまう。正統派SFなのだけれど、ミステリー的な謎が出てくるのがよい。
この作品の人々は、現代の人たちと地続きと感じる。だから、相手が理解ができず、それを探ることにもなる。
どんなにテクノロジーが進んだって、やっぱり相互理解は最後まで問題として残りそうだ。

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2023年07月16日

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本屋で、最近は韓国の女性作家が活躍しているという印象から一冊読んでみようと思ったが、普通の小説は重たそうということでSFにした。結論から言ってしまうと、完全にSFだが、一方で女性や障害者などのマイノリティの問題も扱っていた。未来の科学技術にわくわくする一方で、主人公が女性であること故に直面する問題にも共感して、とても面白かった。

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2023年05月10日

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ネタバレ

SF小説短編集
・巡礼者たちはなぜ帰らない
  愛や生物の多様性について考えさせられるお話
 環境が変われば気持ちも変化する。だんだんと真実が明      
 るみになってくる様が楽しい。

・スペクトラム
  祖母が宇宙を漂流し宇宙人としばらく暮らしたお話
 彼ら宇宙人と生活する事によって生態が多少なりとも分    
 かり、彼ら独特の情報伝達手段が面白い。
 言葉には言霊が宿ると言うが色にも言葉の様な意味が
 ると聞いた事がある。
  彼らからしたら宇宙人である祖母の事を『それは素晴
 らしく、美しい生き物だ』と書いてあったくだりは心動
 かされた。

・共生仮説
  精神生命体に物心が付くまで共生しているお話
 確かに物心が付く前の記憶は定かでは無いけども、一見
 すると害がありそうだけど共生できていて、それまで気
 付くことが無かったからそれも有りなのかな…。

・わたしたちが光の速さで進めないなら
  廃線になったけど家族が待つ遠い星まで帰りたお話
 表題作。家族に会いたい気持ちが痛いほど分かる。狂お 
 しいほど会いたいのだろうと思うけど1人の力ではどう
 にもならないもどかしさ。さいごは何を思って宇宙船で
 飛び立ったのだろうと思い馳せた感動作です。

・感情の物性
  感情を簡単に作ってしまう物の話
 結局は麻薬みたいな立ち位置だと思うけどな…
 絶望のどん底にいる時に楽しい気持ちを作り出せたら…
 と思うけど結局幸せにはなれないよなぁ。

・館内紛失
  亡くなった後も擬似人格として故人に会えるけどデー
 タを紛失したお話。
 これは紛失なのか?って思ったけど、タイトルなので 
 ね。某F F Xの異界みたいなニュアンスなのかな、個人 
 的には思い出は優しいから甘えちゃダメなの。って思っ
 てます。
 いい思い出の無かった母親のデータに妊娠しても親心が 
 芽生えない主人公が母親と共感したかったんだろうな。
 『今なら…
 お母さんのこと理解できるよ』
 最後はちょっと感動しました。

・わたしたちのスペースヒーローについて
  叔母が行けなかった宇宙にあるトンネルを抜けて遠く
 に行くお話。
 トンネルを抜ける際の圧力に耐える為、義体化して体を
 強化するって少し憧れるけど、訓練をして人類の期待を
 背負うのはとても過酷な事なんだろうなって容易に想像
 できる。
 話逸れるけど義体化する技術って病気の人を助けられる
 よなーなんて思っちゃうし、義体化してるわけだからも
 し大会とか出てもパラリンピックとか障害者として出る
 のだろうか?なんて考える訳で…


あとがきを読んだらポロッと涙が流れてしまいました…。

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2023年04月14日

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良いSFに会った!早く文庫化してほしい。切なさや孤独などの余韻の残る女性的な小説でありながら、設定のしっかりしたSF。たったひとつのさえたやり方に似てる。今まで読んだSFで主人公の内面を語るものは、倫理とか社会性に向いてしまってこういう繊細さはなかったと思う。
赤ちゃんの脳波とリュドミラの惑星「共生仮説」、異星人ルイとの生活「スペクトラム」、感情の物性、母の世界とのインデックス「館内紛失」あたりが印象的。

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2023年04月14日

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宇宙でのミーツを描いたSF短編集。さみしさと尊重、そして温かくなる物語たちが強烈な1冊です。
エイリアンコンタクトや放棄された宇宙ステーションを舞台に、ここではない物語がここにあるような悩みを包むような作品です。

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2023年01月28日

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ずっと読みたかった韓国のSF短編集。とにかく全話、設定も物語も読みやすいし面白かった。
宇宙や高度に発展した科学技術の話だけど、SFをメインにしつつマイノリティと世界の在り方にまで射程を伸ばしている部分から、作者の「人間への愛」のようなものを感じた。

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2022年10月15日

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どこか遠い場所へ思いを馳せる心があれば誰でも夢中になれるような、とても読みやすいSF短編集だった。
SF的なテーマとそこに発生する人間的な悩みや矜持の組み合わせの妙に好奇心が刺激されワクワクしたり、切なく考えこんだり、大きな推進力となって全く退屈しない。
一番興味がそそられたのは「共生仮説」、ほんとにありそうと思わせるロジックと想像の飛躍のバランスが非常に面白かった。
「巡礼者たちはなぜ帰らない」は結局属性や見た目で判断する価値観から抜け出せない現代社会への問題提起と愛情を強く感じ、胸が熱くなった。
一方、「感情の物性」は個人的に全編の中で少し浮いてみえ、最後まで物語の解釈が見つからないままだった。だからこそ読み終えた今、もっと考えてみたいと思える一編になった。あとがきによると、作者もこのテーマで長編を書いてみたいとのことなのでぜひ心待ちにしたい。
私と同じ90年代生まれで若い作家さん、そういう意味でも影響を受けたし今後の作品がとても楽しみになった。

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2022年04月11日

Posted by ブクログ

とても美しいイメージ。
SFは設定でストーリーを語りがちだが、あくまで人間感情により物語を展開していくような印象が良かった。登場人物像から著者の優しいまなざしが透けて見える。
特に「スペクトラム」が記憶に残った。

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2022年01月10日

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装丁が可愛い〜という気持ちで読み始めたけど、内容すごく良かった
全部好きだ

◎スペクトラム
○巡礼者たちはなぜ帰らない

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2021年12月31日

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SFであろうとミステリーであろうと、人の心のありようが、読み手を惹きつける。

地球外生命体とのコンタクトや宇宙航法技術、人体改造などを取り入れた七つの短編。
もともと純文学に定評のある韓国だが、SFもまたなかなかの味わいがある。

「感情の物性」などは道具にSFチックなものを取り入れているが、移ろう心の描写に現代にも通じる問題が現れる。
「館内紛失」は“親子”という関係性に潜むもどかしさが、主人公の“母を探す旅”を通じて溶けていく。
「私のスーパーヒーローについて」は、ミステリーを孕んでいく果てに、爽やかさを味わう。

表題作そのほかの短編のいずれにも、この作者の良さがじわじわと伝わってくるものばかり。

期待通りでした。

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

相互理解の話、というよりも少しでもその人の気持ちを理解しようともがいて苦しんでその結果やっぱり無理なんだけど少しだけ分かった気がするといった話が多い。SFでなくてもできるけど、SFでないとできない話だと思う。
お気に入りは「スペクトラム」と「館内紛失」で、特に「スペクトラム」はすべての収録作が共通して内包しているテーマ性を一番如実に表現していると感じた。
絵を言語としている異星人の話なんだけど、見える色の波長が人間と異なるため、どんなに頑張っても彼らの言語を読み取ることができない。そんな中で語り手が、赤い夕焼けを彼と一緒に見て「あの風景が語りかけてくるように映るんでしょうね」と話しかける。その言葉が彼に伝わるべくもないんだけど。そこには決して超えることの出来ない種族の壁、器質的な問題による、相互理解の限界が存在しているんだけど、語り手は彼が見ている世界をわずかながら想像することができた、と語る。気がした、ではなく、できた、と言う。そこには、人と「ひと」は分かり合えて欲しい、どんなにラディカルで絶望的な断絶があっても、それさえ超越する普遍性が私とあなたの間にあるはずだ、そうでないとおかしいよ、という祈りが込められていると感じた。私も読みながらそうであって欲しいと思って、少し泣いてしまった。
ただ、この小説を読んだのが実は3年ぶり2回目で、初読のとき私はこの短編を好きになれなかった記憶がある。その理由も読み返してなんとなく想像がついた。つまりこの小説は、異星人を扱いながら、人間としての普遍性を彼らの中にも見出している。彼らに共感の余地を認めることで、感動が発生している。彼らも人間と同じように考え、感じるんだ、それこそが素晴らしいことなんだ、という物語の裏側に走るメッセージは、科学的な公平性の視点から捉えると、エゴイズムなものにも見えてくる。私は、この小説に、人間性至上主義的なものを見つけて乗れなかったんだと思う。
しかし、ここでさらにひっくり返してみる。
この物語を人間中心主義的だと断ずるとき、他者の視点に立ち理解しようとする能力(他者視点取得)は、人間固有のものであり他の惑星で生じることは確率的に不自然だ、という暗黙の前提に立っている。そこにはまた別の人間性至上主義があるのではないか?
実際に、異星人が、人間と同様な思考や感情の仕方をしていない可能性はある(星新一のおしりと口が逆の宇宙人みたいにね)。しかし、「真に」どのような心理作用があるかを断定できないのは人間間でも同様だろう。異性人にも自分と同じように考えていて欲しい、と想像することに潜むエゴイズムは、人間同士であっても、いかなる他者に対しても生じる。
「人間」に「心」が発生した瞬間から、必然的にそうなる。相互理解の不可能性の向こう側に可能性を見つけようとすることは、「心」が持ちうる「祈り」という普遍的な作用に他ならない。

と言った感じで、心で心を追い求めることを追い求めている作家なのではないかと感じた。この作者の今後の作品を読んで、このテーマがどのように変化していくのか見てみたいと感じた。

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

綺麗。叙情的。優しくて、読みやすい。
起伏がないのでサラーっと読み終わるのだけど、うん、どの作品も好きだったなあ…とページを追い直す感じ。

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2023年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・12月3日に読み始め、7日に読み終えました。

・いつ買ったんだか忘れてしまったが多分今年…… 韓国文学は初めてだったんだけど特に読みにくいとかもなく(訳書なのでそりゃそうかも)おもしろかった!

・SF、小説は『マーダーボット・ダイアリー』シリーズと、漫画が『プリンタニア・ニッポン』ぐらいでほっとんど触れていないんだけど、用語とか状況を想像するのが難しいなとかもなくするする読めました。SF初めてとか読みたての人とかにも向いてるのかも?


・著者あとがきに「追い求め、掘り下げていく人たちが、とうてい理解できない何かを理解しようとする物語が好きだ。」とあって、す~ごく共感した。この本の中ではその「とうてい理解できない何か」は自分たちとはまったく違う意思疎通ができない地球外生命体だったり、意思疎通できるはずの同じ人間だったりして、人類の手に届く場所がおおきく広がった世界観でも、主人公の感情の行くところは「あなたとわたし」につながっている物語が多いように感じた。

・私は愛の話が好きなんだとことあるごとに言っているのですが、なぜかというと愛というものはその言葉に内包される意味が莫大に多く、恋愛や家族愛、友愛と言ったあからさまに「愛」とわかるようなもの以外にも、ことばにできないような関係だったり感情だったり、そのふたりの中になにかしら特別な感情が流れているのならそれはもう愛と言ってしまっていいと思っているんですね。その莫大な意味を持つ愛の感情をそっくり違わず伝えることなど不可能に近いじゃないですか。これは愛に限らず相手の感情を真に理解することは絶対にできないと思っているからなんですが、その「伝わるかどうかもわからない感情を一生懸命擦り合わせている様」が好きなんですね……

・そういうのを改めて思うと、この本の中でも「スペクトラム」が一番好きだなあと思いました。自分とは姿かたちも全く違う、言葉も話す音域も見ている景色も何もかも違うルイのことを理解しようとして、夕焼けを見ながらその景色がルイに語りかけていることを思うヒジンのシーンはすごくすごく美しかった。


・「共生仮説」も好きだな。自分たちが進化の末に獲得したものだと思っていた知性というものがまったくの外部からもたらされたものだったというのはドキドキする。人間社会のなかでの依存関係と、生物学的な依存関係はまた全然違ってくるんだろうけど、彼ら知性体がふときまぐれでわれわれのもとから去っていったとき、その後の人類はどうなるんだろうな。そういううっすら寒気がする感じもまた良かった。

・チョヨプさんの他の本出たらまた買っちゃうかも。手に取りやすいかろやかなSFですごくよかった!

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2022年12月07日

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文体も内容もやや生硬な感じではあるが、哲学的でありながら、キュンとくるストーリー展開には惹かれる。「スペクトラム」「共生仮説」「感情の物性」あたりがお気に入り。巻末の解説は、よく考えられているとは思うが、やや興醒め。無くてもよかったのでは。

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2022年11月26日

Posted by ブクログ

読みたかった韓国SF(初めてかも)、『わたしたちが光の速さで進めないなら』、面白かったです。
改めて小説とは(そして私にとってあらゆる芸術とは)、あくまで今の世界を投影するものであり、SFのような未来を描いているものでもそれは何の例外もないということを感じた。言い換えれば人間の想像力なんてたかがしれているのではないか、ということでもある笑

作者のキム・チョヨプとは年が近いこともあってひそかな親近感。どの作品も読んだ後に少し悲しくなって、じーんと涙が出そうな作品が多かった。

特に好きだったのは、「スペクトラム」、「共生仮説」、「わたしのスペースヒーローについて」かな。

「スペクトラム」異類譚!
解説にも書かれているが、お互いを理解できなかったとしても、美しいと感じることはできるのかもしれない。「それは素晴らしく、美しい生き物だ」という記述を見て、過去の自分を引き継ぐことを決めたルイとの心の交流が切ない

「共生仮説」
なぜかみんなリュドミラの絵を見ると郷愁を誘われるという話がまさかそういうことだったとは笑!

「わたしのスペースヒーローについて」
いつかわたしがスペースヒーローに再会したら、宇宙の彼方の風景も捨てたものじゃないと話してやろうと。
私もそう思ってるよ

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2022年11月05日

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遠い未来にも、誰かは寂しく、孤独で、その手が誰かに届くことを渇望するだろう。

どこでどの時代を生きようとも、お互いを理解しようとすることを諦めたくない。

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2022年03月15日

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SF短編集。「館内紛失」すばらしい。「わたしのスペースヒーローについて」ああ、最高。「巡礼者たちはなぜ帰らない」児童書のような世界観かと思いきや…「わたしたちが光の速さで進めないなら」ロマンチック…
あとがきを含め、全作とてもよかった。こんな作品が読みたかった。

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2022年02月06日

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韓国の女性作家によるSF短編集。
設定はSFだが、その設定を借りた、なんだろう、韓国における女性の生きづらさとか、人と人との埋められない距離のようなものを書いている気がする。

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2024年03月02日

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まだ見ぬ科学技術が発達した未来の世界を描くSF短編集。弱者やマイノリティのような要素が盛り込まれているらしいのだけど、SF自体にもそういうテーマにもさほど興味がないせいかあんまり刺さらなかった。どの話も登場人物やその関係よりはとにかく設定が魅力という感じなので、そういうのが好きな人にはいいのかも。感情を物質として所有することができる未来の話「感情の物性」は面白いと思った。

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2023年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編のせいか、いまいち主人公の感情に没入できないので星3つまで。
主人公たちの思考や行動が、自分と違う感じ。
SFガジェットは楽しい。韓国SFだからという区別・差別意識はおこらない。
以下、ガジェットねたばれ
・巡礼者たちはなぜ帰らない:ヒト胚デザインからの地球脱出ユートピアからの望郷
・スペクトラム:代替わりする異星人とのコンタクト 色による伝達
・共生仮説:地球外生命体が 赤ちゃんと共生
・わたしたちが光の速さで進めないなら:ワームホール航路から外れた宇宙移民星
・感情の物性:ユウウツ体 を人はなぜ買う?
・館内紛失:人格のデータ格納
・わたしのスペースヒーローについて:人体改造した宇宙飛行士は海の中でも生きる

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2023年12月13日

Posted by ブクログ

正統派SF小説。ストーリーも楽しいし、登場人物も個性的で面白い。けれど翻訳本というのは言い回しだったり、状況表現だったりがしっくりこなくて、気を遣って読むので、面白さが半減してしまう。

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2023年06月24日

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タイトルが気になって。

SF系のお話は読み慣れていないので、
想像力が足りず難しく感じました。笑

でもどの話も主人公が相手を理解しようとする
冷静さを持ちながら生きていたなぁと。
淡々とした描写だけど、なんだか温かい不思議な
感じでした。


SFもの、もっと読んで想像力を広げたいなぁと
感じた作品でした。

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2023年03月16日

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CL 2022.6.20-2022.6.22
SF短編集。
作者が若いせいかやや弱い作品もあった。短編だからかな。

「巡礼者たちはなぜ帰らない」がよかった。
苦しみや不幸が想像の概念でしかなくて、決して互いの存在を排除したりしない村。そんなユートピアのような世界から、新人類と非改造人にキッパリ分断された地獄のような地球に巡礼に来て、それでも地球に残るのは、誰かに恋するから。
結局、差別や悪意のない平和で保護された世界が全てではないということ。

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2022年06月22日

Posted by ブクログ

韓国の新進女性SF作家さんの作品集。おしまいがなんだか抒情的に過ぎるきらいがあって、きれいな終わり方すぎるけど、それぞれ設定がなかなか新鮮で読み心地がよい。特に「スペクトラム」「共生仮説」が印象に残った。

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2022年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

韓国SF短編集。
どの小説も雰囲気はよく、読みやすくわかりやすかった。
けれども個人的には特筆してこの短編が、という感じのものもなかったかな、という印象。

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2022年01月16日

Posted by ブクログ

巻末の解説でも触れているように、すでにいない人の軌跡を辿るというストーリーが各編に共通する。
自分の意志を貫いて駆け去った彼女らの後ろ姿は凜々しいけれど、傍らに寄り添う人はいない。共感を寄せるのは次世代の者たちという時間差が、どうしようもなく切ない。

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2021年12月31日

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