あらすじ
30歳にして初めての海外、しかも傷心旅行。不安な佳乃子は“お一人様限定ツアー”に参加し、憧れのイタリアの地へ降り立つが……。(「みんなで一人旅」)憂鬱な社員旅行。トラブル続出の一人旅。悪夢のような出張。悩ましい親孝行旅。幸せという目的地に着くための方法は、きっと一つではない──。ままならない旅路の果てに待ち受ける、予想外の結末とは。ほろ苦くも温かい、大人の旅物語7編。
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Posted by ブクログ
2021/08/28
給食のおにいさんの作者の人だとは知りませんでした。旅行関係のエッセイや小説などを読み釣っていて、長らく置いておいたこの本をようやく読むことができました。旅行、特に一人旅に関することが短編で収められているのですが、それぞれの話がすごくいいところで終わるので、「その後どうなった!!?」ととても気になる内容です。しかもただの旅ではなく、出てくる人物がそれぞれに微妙な何かを抱えているので、ミステリアスチックだったり、あーめっちゃわかると共感できたり。最後の話はコロナ禍ならではのVRで旅行をするという内容に家族愛を絡めたものです。
自分もたくさん一人旅に行っていたので、この本の主人公たちがそれぞれに考えていたことや、そんな場面にとても共感してしまいました。
Posted by ブクログ
「男二人は聖地を目指す」「みんなで一人旅」「癒やしのホテル」「空飛ぶ修行」
「氷上のカウントダウン」「誰も行きたがらない旅」「幸せへのフライトマップ」
7話収録の短編集。
楽しい旅の物語かとワクワクしていたら、ヒリヒリ、ギスギス、トゲトゲ。
あちこちに毒が散りばめられていて不穏な展開に心がざわつく。
其々の人物描写が巧みで嫌~~な登場人物の顔が脳内に浮かんで来る。
中でも「氷上のカウントダウン」の琴里は超自己中。
怒りが込み上げ主人公の露子に同情した。
けれど最終話ではホロリ。
悲喜こもごも、盛り沢山の7つの旅を満喫した。
Posted by ブクログ
「みんなで一人旅」一人旅が多い私には、お一人様限定ツアーは魅力的。また、「幸せへのフライトマップ」のバーチャルな旅はコロナ禍の今、参加してみたい旅の形だけど、やはり早くリアルな海外旅行に出かけたいなぁ。
Posted by ブクログ
みんなで一人旅、ロシア旅行、フライトシミュレーションの話など、読後感がなかなかよかったなと思う。
特に最後、年老いて旅行にはもういけないお母さんと一緒に楽しむ旅行の話は、以前の旅の思い出が新たに思い出されて、胸にくるものがある。
Posted by ブクログ
旅に関する短編集。著者、遠藤彩見さんの本は初読み。
前半は、自分ならこんな旅には行きたくないと思ってしまう話が続いたが、最後の"幸せへのフライトマップ"はよかった。
年老いてハワイ旅行は難しいと思われる母親をバーチャルながら、ファーストクラス待遇とVRでのハワイ旅行を楽しめるツアーに誘った娘の光里が、その体験中に、母の自分を思う気持ちに改めて気づき、それまで離婚した娘に対し遠慮がちに接していた母との距離が近づくという話。
今時のVR旅行ってこんな感じなのか、というのも参考になった。
Posted by ブクログ
最後の「幸せへのフライトマップ」が、一番良かった。母の、自分のダイヤモンドヘッドに登る夢を諦めてでも娘を思いやる優しい気持ちに泣けた。
仮病使って、娘に気を遣わせないようにして。
〝幸せという目的地に着くための方法は、きっと一つではない。母を幸せにする新たなルートを探し続けよう。時間が許す限りずっと。〟
Posted by ブクログ
最後の「幸せのフライトマップ」は好きだった。
旅にまつわるいろんな関係の人々の短編集。のっけからギョッとするようなテーマでのスタートで正直引いたけど、読後感は悪く無かった。ただ、旅の楽しさを純粋に書いた本ではないので、今度はそういう本に巡りあいたい。
Posted by ブクログ
同じ"大人の旅"をテーマにした短編小説で、一人の作家がこんなにも沢山のストーリーを書けることに驚かずにいられない。
どの旅もチクッとする箇所が多かったが、それも含めて面白かった。
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大人の旅は、ほろ苦い。
30歳にして初めての海外、しかも傷心旅行。不安な佳乃子は"お一人様限定ツアー"に参加し、憧れのイタリアの地へ降り立つが……。(「みんなで一人旅」)憂鬱な社員旅行。トラブル続出の一人旅。悪夢のような出張。悩ましい親孝行旅。幸せという目的地に着くための方法は、きっと一つではない──。ままならない旅路の果てに待ち受ける、予想外の結末とは。ほろ苦くも温かい、大人の旅物語7編。