あらすじ
オホーツク海に面した紋別市は、弁護士過疎の町。そこに単身乗り込んだ松本三加は、新米弁護士だ。だが着任早々、自閉症の若者が自転車で死亡事故を起こすという、難しい事件にぶつかった……。27歳の女性が、町の人々の万(よろず)相談所として、孤軍奮闘する姿をさわやかに描く、ドキュメンタリー。
◎「この作品にノンフィクションの新しい風を感じた」<田原総一朗>
◎「よく『松本三加現象』といっていまして、若い女性で一種のスターというか、注目の的になったわけですけど、一般の市民も何かあれば松本さんに相談しようか、というような、彼女はそういうちょっとした心の支えというようなものになったんですよ」<本文より>
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Posted by ブクログ
地方の弁護士過疎はここまでひどかったのか・・・!!
弁護士がいなかった紋別市に派遣された弁護士の話。
中学生の頃になんとなく読んで興味を持っていたのだけど、ゼミ合宿で過疎地域の弁護士にインタビューをすることになったので、再び読み直してみた
ひまわり基金:弁護士会がお金を出し合って、地方に弁護士を派遣している。
しかし都会から行きたがる人は少なくて。
任期を定めて、しかるべきポストを東京に用意しておかないと、誰も引き受けない。
その理由のひとつとして、舎は人が少ないから仕事なんてないんじゃない??なんて思われているけど、とんでもない。
この弁護士は赴任してから通常の6倍の業務をこなしていたのだとか。
それでも弁護士は足りない。
また今まで弁護士抜きでどうやっていたのか??それはなんと市役所・警察署の人間に相談⇒ムラ独自の「オキテ」によって裁かれていた!!!
そんなムラ社会に「法律」が入り込んだらどうなるのか。
そして中学生の私には、これが一番衝撃的だったんだけど、
「オキテ」があるなら法律なんて不要ではないか??
でもその「オキテ」は結局立場の弱い人にしわ寄せが来るだけであって、正当な「お裁き」ではない、ということ。
立場の弱い人が、不当な扱いを受けて泣き寝入りをしないためにも、法律は必要なんだ!!
と、中学生だった私は、弁護士への憧れが増しました。(笑