あらすじ
「アメリカ・ファースト」を信条とするトランプ米大統領。自国の利益を最優先するその姿勢は、多くの国民に支持された。自分とは相容れない閣僚を次々と更迭して独裁体制を築き、国際秩序の安定に関心がなく、同盟国を軽視し、自由貿易に消極的で、移民に対し排外主義的な姿勢を取るトランプ大統領。超大国トップが掲げるアメリカ・ファーストとは何か? 米国内の分断が深まり、国際社会に混乱が生じても、少なからぬ米国民が支持するのはなぜか? 政府高官や研究者などへの多数の取材と膨大な資料から、その真実に迫る!
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Posted by ブクログ
著者は44歳の新聞記者の特派員、章立てもよく練られ読み応えのある内容となっている。
トランプの徹底した自国第一主義と再選への恐ろしいほどの執着、自分の思いを達成するためには形振り構わず人を叩き落とす姿が生々しく綴られている。
2020年11月の大統領選はバイデンが勝利した。だが、トランプの得票数は歴代大統領を凌ぎ、バイデンに次ぐ得票数であり、有権者の半数近くが支持する実態が浮き彫りとなった。我々は、トランプが多くの米国人の思いを体現しているという事実を認識しなければならない。
「トキディデスの罠」、覇権国と新興国が覇権争いの末に不可避の戦争に突入するメカニズムだという。今の覇権国の国民性を考えると、半世紀を待たずに現実味を帯びているようで背筋が寒くなる。