【感想・ネタバレ】ようこそ紅葉坂萬年堂のレビュー

あらすじ

深くてアツい万年筆の《沼》へようこそ!

日々の生活に疲れ、働く意味を見失ってしまった綾瀬葵は、ある日、紅葉の美しい坂の途中にある、小さな店にふらりと立ち寄った。そこには美しいペンがずらりと並んでいて、まるで小さな美術館のようだった。
「紅葉坂萬年堂」という名前のその店は、万年筆などのペンを専門に扱う店で、年若いながらも落ち着いた店主の宗方士貴は、ペンの知識が豊富な人物。彼から手ほどきを受けるうちに万年筆の世界に魅せられた葵は、店に貼られた急募の紙に背中を押され、萬年堂のスタッフに加わる決心をした。なにより、商売道具の手を怪我して困っているという宗方の姿に、同情とほんのすこしのドキドキを感じてしまったいうのが決め手だったのだが。
「もし、あなたがいまの生活を変えたいとお思いなら、この万年筆は、きっとあなたのお役に立ちますよ」
万年筆を持つということは、万年筆の世界ごと手に入れるということ――。そんな宗方の言葉に深く感銘を受け、新米店員として奮闘する葵のもとには、今日もさまざまな思いを抱えたお客様がやってくる。それぞれの心の心に寄り添って、最適なペンと出会わせるという仕事に、葵はやりがいを感じるようになって……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

あれだけ一生懸命、好きになれるものがある人は素敵だよね><。わたしも少しだけ万年筆に興味を持った><。でも、万年筆より、やっぱりわたしは、一つのことに熱中する大事さをこの本から教わった気がする><。すごーく好みの本だった! 宗方さんも二階堂さんもかわいい! かわいい男の子! 主人公の葵さんもすごーい性格良くて好き! 宗方さんは本当にすごい人! わたしもあんな風に夢中になれるものが欲しいと思った! 万年筆、少しだけ興味持ったから、勝っちゃおかなあ……2千円くらいで買えるならなんとか……。

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2020年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいて無性に万年筆が欲しくなりました。
万年筆初心者が万年筆に一目惚れして(一目惚れというのがまた素敵!)万年筆を扱う文房具店で働くことになるが、彼女が初心者ゆえに万年筆になじみのない読者寄りで語ってくれるのがいい。
一方でがっつり万年筆オタクな店長が、万年筆好き視点を補ってくれているので、いい塩梅だったと思う。
友人がチャラいけど、いい人だしね。
本当にいい人だった。
チャラいけど。
あれで損してるよなあ。

万年筆ばかりに触れてきたから三十路も過ぎたのに人付き合いが壊滅的によくない店長も、彼女と接していく中で少しずつ人間味を取り戻していったのもいい。
途中すれ違いはあったけど……あの場面は本当に読んでいて辛かった。
お互いにもっと以前からご縁はあったのに。
彼が罵った相手が過去の自分というのが切ない。
本編中でそのことがバレるのかなと思ったら、結局バレなかったのがまたもどかしい。
彼女も100%確信した訳ではないままだったし。
ここで互いに気付かないのかあと、勿体なく思ったが、そこがまたおいしくもあり。
まだ物語の広がる余地があるということだから。

見本がなくても万年筆の形状が想像できる描写も見事。
マニアでも初心者でも楽しめる万年筆ものだったと思う。
彼女の万年筆生活は始まったばかり。
また続いてくれるといいな。
文字が書くのを大事に思える生活、自分もしてみたいものだ。

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2020年11月14日

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