あらすじ
見て見ぬふりをするすべての日本人へ。
ウーマンラッシュアワー村本大輔が贈る
最初で最後の“劇薬”!
多方面から反響を呼んだnoteの記事を書籍化!
偏見、差別、葛藤など、
そこに確実に存在する問題に読者をいざない、
問題の是非ではなく、
われわれの無関心な姿勢そのものに疑問を投げかける一冊。
<本書の内容>
・手作りキンパに想うこと
・数
・犠牲の上にあぐらをかくそこのお前へ
・北海道の虎と沖縄の龍
・発信するということ
・大人の着ぐるみを脱げ
・ウルトラマンと怪獣の足元にいる人
・僕は、福島の双葉郡浪江町の本を読むのではなく、行く
・どうしてその漫才をするのか?
・つくり悲しみ顔
・答えの捏造
・女性を見る目
・彼らのネタ
・注意書きという松葉杖……など
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
見て見ぬ振りをしているつもりがなくても「ちゃんとみていない」ってことはあるよね、と、我が身を振り返り感じました。本当にぼくには「関心」があるのだろうか?しっかりと自分の頭で考えているのだろうか?
自分への問いを自分に突きつける。
村本大輔さんの舞台でのコメディ、討論番組などでの発言をみてきて、僕は好意を持っていますが、同時にその激しさゆえに受けるであろう圧力を心配していました。この本を読んで、そんな圧力なんて村本さんは全て覚悟しているんだということがよくわかりました。
「人の痛みを受け止めようとすること」こそ「関心を持つ」ということなのだと、全編を通して感じました。
「関心あるよ」と簡単に、軽く言葉の上だけで口にするのではなく、そこにあるものからそれを通して受け止めるべきは何か、ということを自分の頭でしっかりと考え、追求し、わからないことや知らないことは教えを乞い尋ね、突き詰めていく姿勢を持つことを自分に求めていこうと強く堅く思いました。
それから、終章のご両親とのエピソード、会話からあふれていた(離婚したとはいえ)両親の相手を思いやる姿(ことば)はとても素敵だと思いました。終章だから余計に強く読後に焼き付いているのかもしれませんが、たくさんの人たちとのエピソード(坂本龍一さんとのこと、西部邁さんとのこと、広島の平和記念公園でご一緒した友人たちのこと、宮城県丸森町の美女や町長さんたちのこと、鹿児島のご友人のこと、スタンドアップコメディを一緒にやった素人さんたちのこと、福島県浪江町のひとたちのこと、朝鮮学校の高校生や親さんたちのこと、などなど…)ももちろんだけど、ご両親のことはことさら強く印象に焼き付きました。
読んでよかったなぁ、と思っています。村本大輔さんのこれからに期待して、自分自身も人の痛みを受け止められるひとになれるように、日々を過ごしていこうと思いました。
Posted by ブクログ
子供の頃から、ウーマンラッシュアワーの漫才は好きでみている中で、ふと途中からテレビでも放送されないような、つまり見る側も、少し見るのをためらわれる、センシティブな内容を漫才に取り入れるスタイルに変わっていき、少し嫌悪感を抱いていた。
だが、この本を読んで180度村本さんへの見方が変わった。彼は、ファッションリベラルなんかではなく、表層しか写さないメディアとも違い、一つ一つの問題に対して真に困っている人に寄り添い、世間に伝える代弁をしていると。
また、コメディアンとしても、失敗を恐れず果敢にチャレンジする様子が描写され、まだまだ成長する姿に感銘を受けた。
Posted by ブクログ
2020年12月のTHE MANZAIで初めて村本さんを見て、そのお笑いという枠組みでは過激な内容にとてもびっくりし、心を動かされた。
そこからTwitterをフォローすること1年。
2021年12月のTHE MANZAIで、アメリカに行くと聞き、その前にと今週の新宿の独演会に申し込んでみた。
その前に村本さんを良く知りたいと思ってこの本を読んだ。素晴らしかった。
本は約10個程の短いエッセイが繋がっているもの。
今まで会った人、見た物、感じた事、感動した事、怒りを覚えた事などをテーマとしている。それらの説明の後、それが具体的にどんなお笑いのネタになっているかが説明される。それぞれのエッセイ自体にもオチがあり、文章も読みやすく面白かったが、それ以上にこのような考えがベースでネタが出来ているのだと非常に興味深かった。
今、自分は何に怒りを感じているだろうか、何をしたいのだろうか、と考えさせられた。自分で全然分かっていないと思った。
Posted by ブクログ
読みながらボロボロ泣いてしまいました。
バイトリーダーのネタから好きになって、
たまにテレビで見るネタもすごく好きでした。
めちゃくちゃ叩かれても、自分の信念を曲げない。
行動力。思想。
本当に素敵な人だと思います。
無関心の怖さ、
無関心だと人の痛みはただの風景になる
絶対の正解はないけど、
思考停止ではなく自分が思う正しさは必要だと感じた。
Posted by ブクログ
心が痛くなった。最初は一気読みできなかったけど、最後の方は慣れて面白くなってきてすぐに読み終わった。村本のやり方が合っているのか分からないけど、優しい人なんだろうなと思った。
Posted by ブクログ
震災、原発、朝鮮学校、沖縄など、
コロナ禍においてメディアで目にしなくなってはいるが、
現在進行形の社会課題に関心をもつきっかけに良い一冊。
自身の漫才のように、数ページずつに話がまとまっているので、
構成として読みやすく、文章も難しい表現が少なく理解しやすいと思いました。
自分で考えて行動してきた人の文章なのだろうと思います。
また、内容としても私自身共感できる部分もあり、感情を動かされることが多く、
1日ですぐ読み終わることができました。
ただし、これで終わりでは見て見ぬふりをしているのと同じ。
今は今後なんらか自分なりのアウトプットをしていきたいと思っています。
THEMANZAIなどの漫才を見て、
なんらか思うことがあった人は手を取ってみたらいかがでしょうか。
著者の今後の活躍にも期待したいと思います。
Posted by ブクログ
ウーマンラッシュアワーの村本大輔の自伝的な一冊。
彼の言動の全てに賛同はできないものの、何を考えてマイノリティの味方でいるのかがよくわかった。
Posted by ブクログ
『知らなかっただろ?知ろうとしていないだけだ』
『ネットは白か黒だが、現場は限りなくグレーを見せてくれる』
『タブー視されるつらさ』
『臭いものに蓋をするというけど、それは臭くないんだ。臭いと思ってるのは普段からあなたがその匂いを避けているから。鼻が慣れていないだけだ』
『この国の最大の悲劇は、国民の無関心と芸人の沈黙だ』
原発、沖縄基地問題、朝鮮学校、被災地…
政治社会問題をネタに取り入れて笑いに変える。
見て見ぬふりをするすべて日本人へ
Posted by ブクログ
彼に対して賛否両論ありますが、私はただただすごい行動力に感服。変なバイアスは持たずに1人の人が考え行動したことだと思っていろんな人に読んで欲しい。実際に会って話してみたいなって思いました。
テレビの発言よりスッと入る
発言内容に同意するしないは別として、なぜ著者が一般的な芸人活動から社会問題への関わりややアメリカでのスタンダップコメディを目指すようになったかはよく分かった。マスコミのフィルターを通して伝わってくる彼の姿勢は反感を持たれがちだが、エッセイの形であれば素直にうなづける部分もある。彼の芸能人としての影響力があるからこそ社会問題に対する一般人への啓蒙活動が捗る反面、トピックによってはデマゴーグになりかねないので、彼に限らず影響力のある人のバランス感覚は大事だと思う。書籍で落ち着いて彼の考えを知れたのは良かった。
Posted by ブクログ
「なぜ?」という疑問を深めていきたい。そして知らない事を知らないと言えるようになりたい。現場に出て自分の目線で物事を学べるようになりたい。ニュースは情報ではなく痛み。そんな感性をもちたい。
Posted by ブクログ
あんまりよく知らんけど、著者はお笑い芸人だという。「THE MANZAI」というコンテストで優勝し人気実力派とされていたけど、最近は炎上発言などでテレビからは干されているとか。
朝鮮学校の学生たちの窮状を訴えたり、原発事故の惨禍いまだという福島に本音で乗り込み住民たちの本音を引き出したり、障害のある人たちとトークライブを開催したり、私としてはけっこう興味関心や憤りの志向が重なる。だけど、世のなかで炎上するのもわかるなあ。
なぜ炎上するのかというと、彼が歯に衣着せず激しいことを言うからって言うのがまずひとつ。自戒を込めていうと、圧倒的に正しいことを言っているんだけど、そこを突かれると痛い人たちっている。その人たちに伝えるにはやっぱり北風より太陽作戦なんだろうと思う。
また、在日朝鮮人と朝鮮民主主義人民共和国をいっしょくたにして嫌っていたり、障害のある人たちへの理解が乏しい人たち、そういうものをネガティブにとらえて見ないようにしたり自分の生活から排除しようとする人がいる。そしてそれは時勢に左右されていたりもする。悲しいことだけれど、これも炎上を招いているのかなと。
著者は、これまで知らなかった不条理やマイノリティとして不遇にある人たちがいることを知り、目覚めて社会問題に問題提起(ちょっとヘンな日本語?)を重ねているわけだけど、日本でみんなと違うことを言うのって本当に疲れるし、苦しい。こんなに激しいといつか崩れてしまうんじゃないかと心配になる。