【感想・ネタバレ】ミステリー倶楽部へ行こうのレビュー

あらすじ

ミステリーファンに捧げる充実の1冊! ――ミステリーを心から愛する著者のエッセイ&書評集。スティーヴン・キングとエラリー・クイーンの意外な類似点や、文字どおり熱を上げたジョン・ディクスン・カーの魅力など、読み応え充分のコラム満載。ミステリー初心者のガイドブックとしても最適です。単行本未収録の書評を集めた「評霊の2/3」を加えた充実の1冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

〇 概要
 山口雅也が1977年から2001年頃までに執筆したエッセイ、書評、映画評、コラムなどを収録した評論・エッセイ集。ミステリに対する山口雅也の嗜好や読書遍歴、作家論を知ることができる一冊であり、特に古典海外ミステリ好きには資料的価値も高い。
〇 総合評価
 山口雅也のミステリ観をまとめて味わえるエッセイ集。デビュー前後から約20年以上にわたる文章が収録されており、山口雅也という作家が何に影響を受け、どんな作品を愛してきたのかがよく分かる。
 一方で、本書が2001年刊行ということもあり、取り上げられる作品は海外古典ミステリが中心。しかも、書評は読者が作品を読んでいることを前提として書かれているものが多く、知らない作品になると面白さがかなり伝わりにくい。逆に、既読作品の書評は非常に面白く、「なるほど。そういう読み方もあるなー。」と感じさせられるものも多かった。
 印象に残ったのは、『陸橋殺人事件』を紹介する「不可能な夢」、『ホッグ連続殺人』『招かれざる客たちのビュッフェ』『ホームズ贋作展覧会』の書評あたり。作品そのものへの興味を引かれた。『陸橋殺人事件』は未読だけど、読みたいと感じたし、『ホッグ連続殺人』『招かれざる客たちのビュッフェ』『ホームズ贋作展覧会』は、既読の作品で、作品の紹介として楽しめた。
 山口雅也のファンや海外古典ミステリ好きなら十分楽しめるが、一般的な読者には少しハードルが高い一冊。「読んだことがある作品」の書評を読む面白さにあるを評価して、トータルでは★3
〇 ミステリー・エッセイ
 1977年の「マーダーフルコース」から1993年の「鬼ごっこ殺人事件」まで、17編を収録。内容はミステリ論、海外作家、ポケミスなど多岐にわたる。年代の幅も広く、若い頃の山口雅也の文章を読めるのも面白い。特に印象に残ったのは「ブランドからディクスン・カーの逸話を聞く」。掲載されている山口雅也本人の写真も印象的
〇 プレイバック
 1977~1979年に『ミステリマガジン』へ連載された18編のコラム。かなり古い文章だが、現在ではあまり知られていない海外ミステリが数多く紹介されている。「不可能な夢」で紹介されたロナルド・ノックス『陸橋殺人事件』は、特に読んでみたいと感じた。
〇 ミステリー領域
 クイーン、カー、ブランドなど、山口雅也が愛する海外古典ミステリ作家についての評論・解説を13編収録。古典ミステリを独自の視点から論じており、本書の中では最も読み応えがあった章。
〇 ミステリーの葡萄酒、シネマのパン
 公開映画を二つのキーワードから語り、関連する本や映画へ話を広げていくコラム。映画にはあまり興味がないため、この章はそれほど楽しめなかった。
 一方、『ホッグ連続殺人』『招かれざる客たちのビュッフェ』など、自分が既読の作品を扱った書評は非常に面白かった。
〇 評霊の2/3
 1979~1982年の『ミステリマガジン』掲載コラムから抜粋。『ホームズ贋作展覧会』の書評が印象的だった。それ以外も短い文章ながらコンパクトにまとまっており、気軽に読める。
〇 ミステリーの友
 作品ではなく、テーマごとにミステリを語るエッセイ。切り口は山口雅也らしく独特だったが、本書の中ではあまり印象には残らなかった。

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2016年08月09日

Posted by ブクログ

ミステリー関連のエッセイや書評を集めた一冊。埋もれた傑作の紹介や、大学生の時に書いたコラム「プレイバック」が収録されているので指針として重宝します。
海外ミステリーに手をつけたいけど何から手をつけて良いやら分からない自分にとって半端ない情報量とマニアックな突っ込みについて行けない部分がありましたが、解り易くて興味を引く解説が多く、大変参考になりました。
その他、クイーンへの憧憬を語ったり、ミステリー映画と原作の関係を論じたりと、読み応えのある一冊でした。

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2014年07月26日

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