【感想・ネタバレ】お狐准教授の妖しい推理(一二三文庫)1のレビュー

あらすじ

民俗学の博士課程を出たは良いが、佐々木彩乃はいまだポスドクの身だった。短期契約の非常勤講師とアルバイトとの二足の草鞋を履きつつ、定職を夢見て貧乏な日々を過ごしている。
ある日、同門の先輩でもある榎本准教授から、学部再編に伴う教員の新規採用の話が舞い込んでくる。しかも学科長である榎本の推薦付き。就職のためなら背に腹はかえられない、どんなにコキ使われようとも、たとえ榎本の正体が“お狐様”であろうとも──。
そんな中、彩乃が巻き込まれた学内でのボヤ騒ぎに幽霊が関係しているという噂が広まっていて……。はたして彩乃は“不安定”な日々から脱出できるのか? 新感覚、アカデミック×あやかし×ミステリがここに開幕!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

お狐様はどこまでもお狐様だったなと思った。
人間寄りではなく、あくまで自分の目的のため。
ポスドクで不安定な立場である彩乃に対してのデレ、人間に対してのデレが少ない。
デレたのが幽霊の少女が相手というのがまた……(人柱の話は泣けたし、謎解き要素も面白く、それはよかったのだが)
彼女を人間として成長させるための毒舌ならいいのだが、ただただ毒舌吐いているだけに思えたし、最終的に彼女はポスドクからは抜け出せたものの、一研究者として今回の経験を通して成長できたかと言われたら、少し首を傾げてしまう。
彼の存在が彼女の成長に繋がっていないように感じた。
ただただこき使われて可哀想だなと。

ライバルの狐キャラも強いんだか弱いんだか。
彼が絡んでも震えるほどの恐怖にはならないし、説得でどうにかなってしまうのも「ええ!?」という。
折角のあやかしものなのに。

謎解き要素そのものは面白かったのだが、お狐様周りがちょっと納得いかないこともあって、もう少し人間に寄りそってくれてもいいのになと思った。
これも自分の立ち位置が人間寄りゆえの贔屓だろうか。

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2020年11月14日

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