【感想・ネタバレ】鋲のレビュー

あらすじ

ぼくはまだ、戦争の中にいる。兄妹を戦争でなくした日本人の少年とアメリカ人の少女。遺された者道士、心を通わせることはできるのか。現代を生きる私たちに赦し合うことの大切さを問う、感動の物語。

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Posted by ブクログ

すごく!!いい小説を読んだ!!!!!

第二次世界大戦後の日本、ポツダム宣言の受諾と敗戦とともに、急にすべてが変わってしまったことに違和感を感じている主人公。戦争でたった一人の妹を失ってしまった少年は、自分の家まで、米兵の住居として取り上げられてしまう。
ある日、少年は「元」自分の家の庭に、アメリカ人の少女が座って本を読んでいるのを見かける。妹を奪われ、家を奪われ、無性に腹が立った少年は…。


本当に、短いお話なのに、「戦争」とか「憎しみ」についてたくさん考えさせられる。読書感想文8枚は書ける。短いのに。

戦争によって、「敵国・鬼畜米英」の価値観がひっくり返り、全てを奪われた側が、支配される側として同じ国に住む。現代では想像もできないくらい、すごい価値観の変化だと思う。少女の、最後に残したものは何回読んでも良い。すごい価値のある文書だ。

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2021年08月18日

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