あらすじ
谷 和野が織りなすクラシックよみきり集
月刊フラワーズで活躍中の新鋭・谷 和野が紡ぐ、
繊細かつ美麗な、きらめく物語たち。
ある日、憧れの叔母のポケットに入ってこっそり夜会を訪れた私が見たものは…?
ひとつひとつ丁寧に織り上げた、クラシックよみきり9編を収録。
<収録作品>
イン・ザ・ポケット/ざわざわ毛糸/胸に飼う/流行温度/あめおり/インタビュー ザ ガールズ
(ショート)窓税/落ち葉めくり/換毛期
感情タグBEST3
全部めちゃくちゃ良かった
おとぎ話のような。
それでいてリアリティーも両方あって、
満足感のあるよみきり集(マイクロ版は単話)です。
登場人物の愛くるしさ(物語としての悪役ですら、
背負っているものを「におわせ」、憎めない程度に抑えてある)、
アンティークものが好きなので細かい雑貨類や洋服の刺繍、
そして町並みの美しさにうっとり。
他のシリーズも好みなので、
ゆっくり収集させていただきます。
切ないような温かいような、ひとつの言葉では形容できない。とても繊細でどこか夢見心地、そして同時にほろ苦さもある。谷和野さんの他の作品も読みたいと思うし、出会えて良かった。
Posted by ブクログ
萩尾望都と大島弓子が悪魔合体した漫画家、谷和野による短編集。24年組のテイストを現代に蘇らせようという試みは賛否あるかもしれないが自分は好きだ。萩尾望都や大島弓子を思わせる作風ではあるけど、単なる模倣ではないオリジナリティがある。収録作はどれも素晴らしい。今一番注目すべき少女漫画家。
匿名
短編集
リジーは幼い頃ある不思議な体験をした。
それは美しい叔母のローリーにドレスのポケットに入れてもらい大人たちが楽しむ夜会にこっそり連れて行ってもらったことだった。
あれは夢に違いないと社交界デビューを控えたリジーはそう思うことにしたが……。
小さな村に住むフラーは用事のために街に行くついでに村人のサンダー婆さんのリクエストに応じて明るい空を思い起こさせる青い毛糸を購入。
しかし帰り道にリスに声をかけられて毛糸を少し分けてほしいと言われ応じると他の動物にも分けてあげることになり……。
キャバレーで働くグレースは男性に人気があり男の人を取っ替え引っ替えしていたある日、店に来ていた若い少年を自宅に招く。
翌朝いなくなっていた彼にもう会えないと思っていた彼女だったがまた自宅に来た彼は何となく猫を思い起こさせ……。
不思議でほっこりとする短編集だった。