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『倒錯』シリーズの完結編。新津きよみが折原一の妻であることを知らないと面白さ半減。知らない人はいないですよね? 『首吊り島』という作中作、けっこうおもしろい密室ものです。前からも後ろからも読めて、ハッピーな読書体験でした。『倒錯』シリーズって、究極の自虐ネタって思うのですが、どんなもんでしょう?
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前から読めば孤島密室ミステリー「首吊り島」、後ろから読めば監禁ミステリー「監禁者」。2つを読んだ後、中央の袋とじを開けると。。。
折原氏の集大成とも言える叙述ミステリーの大作。
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お勧め度:☆6個(満点10個)。はっきり言って、何かよくわからない。ストーリーではなく、繋がりというか、前二作「倒錯の死角」「倒錯のロンド」を読んでいないからかもしれないけど、あまりにも凝りすぎている気がする。さらに主タイトルのほかにタイトルが二つ「首吊り島」と「監禁者」が始めと終わりに1冊として結合されていて、いかにも奇抜さを表現してるし、ちょっとなあ・・・という感じ。内容は両方とも関連してはいるけど、結局、密室の謎も何も解決していないし、何だか馬鹿された気がして仕方ないと思う。ちょっと面白くなかった。
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どこからが現実で、どこからが非現実なのか。
まるで境目のない終わりのないミステリーを目指したのかもしれないけれど、「首吊り島」が連続殺人事件を扱っている密室ミステリーだったのに対し、「監禁者」はまるで幻覚症状のある男の妄想のような物語になっている。
このアンバランスさが良いという人もいるだろうが・・・。
どうしても座り心地の悪さを感じてしまい、不安定な足場の上に立って揺らされているような気持ち悪さが残ってしまった。
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画期的な構成の本。三部作の三冊目だとか。
楽しめたが、感想はまあまあ。
年齢によって感じ方が違うにかもしれない。昔なら星5つだったかもしれないが。
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『倒錯のロンド』『倒錯の死角』に続く倒錯シリーズ3作目、
にして完結編、にして途中まで傑作('A`)
まずは孤島で起こった事件解決を迫られる
モテモテ作家山本の一人称視点『首吊り島』、
侵入逃亡不可能な海上のお堂で次々起こる密室殺人事件とは!
そして見知らぬ女性にアパートで監禁され執筆を強要される
別の意味でモテモテ作家山本の一人称視点『監禁者』、
ただのアパートなのになぜ逃げられぬ!
そして激強の女性の意図とは!首吊り島との関連性は!
な2作品がこの本の前と後ろに逆さに収録されており
どちらから読んでもOKだが『首吊り島』から読む方が驚く、
という注釈を挟んで中心部に袋とじの『倒錯の帰結』が入ってます。
結論から言おう。
『首吊り島』→『監禁者』→袋とじで『倒錯の帰結』
の順番で収録すればええんとちゃうか感でいっぱい。
そして読者は先の2作が中途半端な結末なのでこう思う。
「袋とじを開ければそこに全ての伏線を回収された
スタイリッシュな結末が待っている・・・ふふ」
残念!待っていないよ!楽屋オチだよ!
『首吊り島』は真弓が山本を島に連れて行き、
山本は月代と出会い『監禁者』を執筆。それが1年前。
1年後、山本は月代に監禁され『首吊り島』を執筆。
娘・真弓のふりをしているミサ子が助けようとして失敗。
真弓部分を省くと、2作品で山本が互いの作品を執筆しつつ
両者をまたがってメール交換が行われる訳だ。
そしてその2作品は実はペンネーム月代が
誰か(おそらく作者の折原一氏)に監禁されて書いていたということ。
以上がこの袋とじ作品で分かるところなのだが、
その月代はアナグラムで並べ替えると・・・がオチ。
あのさーーーーーーーーーーーーー
並べ替えても誰か分からないってどないやねん。
袋とじ読み終わって「え?」となったので調べまくった訳だ。
正解は折原さんの奥さんでした(知らんがな)
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折原一の代表作とも言える、倒錯三部作の三冊目であり、
表からも裏からも読めるという趣向を凝らした一冊。
初読ということで、作中の勧め通り「首吊り島」→「監禁者」と読んだ。
片側のストーリーではわからなかったことが、読み進めて行くうちにもう片方で起きたことと徐々にリンクしていく。
するとどうだろう。…余計に分からなくなる。
今は現在なのか、過去なのか。いま起こっていることが先なのか後なのか。
謎が解けるほど終わりのない物語の中に置かれるような感覚を抱いたところで2つの小説が終わる。
2作を読み終えたのち、2作の狭間にある袋とじ、「倒錯の帰結」を破り開く。
ははあ、なるほど。
これを書きたいがために2つの作品を繋げたのか。
そういえば、この書のタイトルは袋とじと同じ『倒錯の帰結』だったなあと巻末の解説を読んで納得。
とはいえ、袋とじの内容だけで話しが成立するか、というとそうではなく。やはり「首吊り島」「監禁者」に「倒錯の帰結」があって初めて一冊の『倒錯の帰結』が完成するのだろう。
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前からは『首吊り島』
後ろからは『監禁者』
真中から『袋とじ』
が始まる異色な本。
倒錯シリーズの最後なので
他二冊を読んでから読むのが面白いです。
内容的には『首吊り島』が結構面白かった。
全体的に見ると『え・・・』って感じで
尻すぼみな感じで終わった感が。
何だか最後がいまいちよく分からんかった><
Posted by ブクログ
前から読んでも後ろから読んでもよいという
面白いつくりの本だが、前からよむ「首吊り島」だけで十分面白い。
逆に言えば「監禁者」や袋とじによってその価値を落としてしまったのではないかとも思える。
「監禁者」に関しては「倒錯の死角」を読んだ人にとっては
種のわかった手品を見ているようなもので
ややしらけた感じがする。
そして「首吊り島」と「監禁者」のつながりに関しては
「首吊り島」での清水ミサ子の役割をもう少し大きくしなくては、
その山本安雄を首吊り島へ連れて行く理由が薄すぎて
有機的なつながりにならない気がする。
15年以上前に書いた「倒錯のロンド」と「倒錯の死角」の
登場人物を使って話を書きました、
で終わっている気がしないでもない。
そして袋とじだが、
それによって何か新たな驚きがあるかといえばそれほどでもなく、
「首吊り島」と「監禁者」でのあいまいな点を補っているにすぎない。
最後の落ちの「新見月代、にいみつきよ、にいつ……」は
楽屋ねたで、知らない人にとってはわけがわからないだろうし、
知っている人にとっては、やはりしらけるものであろう。
自身の出世作である「倒錯」シリーズだからと
かなり力が入っていたのだろう、
「首吊り島」というそこそこのできの話を使ったために
「監禁者」において整合性つけるだけで精一杯、
袋とじにおいて「倒錯」シリーズとの整合性と落ちをつけるのに
やはり精一杯な感じがしてしまうのだ。
Posted by ブクログ
表と裏、どちらからも読んで良いという趣向の凝らした作品。
そして袋とじになってる最後の作品を読んでおしまい。氏、らしいなぁ。
普通に読むと表の「首つり島」、裏の「監禁者」となる。
どちらから読んでも良いけど、純に読んだ方がわかりやすいかも。
とにかく面白い。
ラストは、少し気が抜けた感じがするけど、それを差し引いても
思わず先を読んでしまうこの引き込まれ方は、氏の持ち味。
氏の作品、入門には向かないかも。
Posted by ブクログ
孤島で起こる連続密室殺人(首吊り島)と東京で起こる監禁事件(監禁者)。両事件に巻き込まれた男が辿り着いた結末とは?
前からでも後ろからでも読める、ミステリィでは珍しい袋とじ付き文庫。実験的かつ意欲的な作品です
首吊り島の設定は所謂横溝ワールド。探偵の推理はロジカルとは言い難く、ほとんど直感に支えられてる印象なのが残念ですが、全体がロジックを許さない雰囲気ではありました。作者が書きたいのは読者への挑戦ではなく奇々怪々の乱歩ワールドなのかも。なので密室の謎も「そう来たか」と唸るほど捻った内容ではありませんでした。ただ、それを補って余りある構成の面白さがあります
監禁者は首吊り島とセットだからミステリィとして成立する話。これだけ読むとただのホラーというか都市伝説です。現実と虚構の区別がつかなくなる話は少なくありませんが、袋とじの存在がその効果を増している感じもありますね
袋とじの中身は無難な内容です。真相をハッキリ明示しないで締めても面白かったかも。逆に後書きが袋とじより良かったような…
とにかく(いい意味で)ひねくれたミステリィスキーには楽しめる作品ではないでしょうか