あらすじ
【人は簡単に暗示にかかる!】
言葉だけで、立てなくなったり、何かを好きになったり、笑いが止まらなくなったりする……。
そんな不可思議な「催眠」の世界へようこそ――。
人が知覚し体験している世界は、常に何らかの「暗示」の影響を受けている。
催眠についての知識は、自らが依って生きる世界の見え方を一変させます。
催眠とはつまるところ、言葉であり、コミュニケーションの技法です。その意味では誰にとっても知る価値があります。催眠の持つ特別なイメージを破壊して、素朴な面白さを知ってもらうには、「自分で体験する」以上に強力な方法はありません。
・振り子が動く
・指が近づく
・手が持ち上がらない
・椅子から立てなくなる
・笑いが止まらない ……など
誰でも実践できる催眠の基本を、わかりやすく解説!
【本書の構成】
はじめに -なぜ「催眠」を学ぶのかー
第1章 【準備編1】催眠とは何か
・催眠とは何か
・催眠のメカニズム
・催眠の歴史
・催眠への「かかりやすさ」とは
・催眠研究の現在
第2章 【準備編2】催眠を行う前に
・催眠をどのように習得するのか
・ラポールの形成
・威光暗示
・安全性の確保
・催眠のスクリプト
・催眠の解き方
・催眠を行う上での心構え
第3章 【実践編1】運動暗示
・腕が上がっていく
・両手が開く
・振り子が動く
・体が後ろに倒れる
・指が近づく
第4章 【実践編2】禁止暗示
・手が固まる
・腕が曲がらない
・指が離せない
・手が持ち上がらない
・声が出ない
・椅子から立てなくなる
第5章 【実践編3】感覚・記憶暗示
・好きになる
・笑いが止まらない
・手が温かくなる
・水の味が変わる
・自分の名前を忘れる
第6章 【応用編】催眠を自由に使いこなす
・上達のためのアプローチ
・暗示文を読む力をつける
・自己催眠を習得する
・自律訓練法のエッセンス
おわりに ―催眠のない世界―
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
催眠に対する誤解を解いて、世界を拡げてくれる良書です。
上手くいけば実際に催眠状態を体験することまでできてしまいます。(私はできました。)
催眠は怪しい・うさんくさいイメージとセットになりがちですが、実は科学的に観測されてる、実在する現象なんです。
医学・心理学などでも研究されていて、実際、精神疾患の治療として催眠療法というものもあったりします。
また、催眠術というのは「優れた催眠術師が好き放題相手を操るもの」みたいな印象もありますが、それも間違い。
●催眠という現象は、催眠をかける側の能力ではなく、催眠にかかる側の能力に依存する
●催眠とは、「知覚や感覚、感情に関して、何か変化が起こるという期待があった時に、実際にその変化が実現する現象」のこと
というのが現代的な催眠の捉え方らしいです。
だから、催眠状態にどれだけ深く入れるかどうかは人によって違うし、もし催眠状態に入っても本人が期待する変化しか起こらないんだそう。
それが催眠のリアルなんですって。だいぶ印象が変わりました。
本書の前半では、以上のように催眠に対する誤解を解きつつ、催眠現象にまつわる簡単な歴史や催眠研究の現在など、学術的な背景が紹介されています。
そして後半には具体的な催眠のスクリプトの紹介がされているという構成になっているのですが、、
この後半が特に面白かった!
「読み上げるだけで催眠にかかるスクリプト」というものが紹介されているんです。
これは暗示に加えて、人体の仕組みを利用した「トリック」を併用することで、ほぼ全員が確実に催眠状態に入れるという代物。
私もいくつか簡単なものを自分でやってみたところ、本当に暗示にかかってしまいました。
特にすごかったのが、「握った手が開かなくなる」催眠。
筋肉の生理学的な性質をフックとして利用することでカタレプシーという現象を引き起こしているらしいのですが、本当に手が開かなくなるんです。
この体験ができただけでも、この本を買った価値があったなと思えます。
本当におすすめです。
(ただし、人によって入りやすい催眠・暗示は違うし、またどの程度深く入れるのかも違うので注意です。
私は「握った手が開かなくなる」ものより高度なものは体験できませんでした。)
Posted by ブクログ
催眠を科学的に説明している一冊。
学術的な側面から、また実際に行う方法まで踏み込んでかかれている。
まさに、はじめて催眠を行うのにうってつけの一冊だとかんじました。
Posted by ブクログ
催眠術は優秀なビジネスマンと同じテクニックを使っている事を再確認した。
ラポール、ページング、威光暗示、イエスセット、ダブルバインド
営業で良く使われている技法である。
特に導入部分のテクニックは営業の本といっても違和感はない。
現代睡眠のエリクソンのアプローチの肝、利用アプローチ=相手の反応に合わせる、間接暗示=相手を否定しないという考えはまさに、ビジネスでの主流となっている。
相手の出方に合わせるという事は、催眠術者の腕が試される事となりそうである。
催眠術者の適正は優秀なセールスやカウンセラーとなるのだろうか?
運動暗示→禁止暗示→感覚、記憶暗示の順に暗示にかかる人が少なくなり、統計アプローチを利用しているという点もビジネス的である。
最後に自律訓練法を載せているが、もう少し説明が欲しかった。
最終的には他者催眠術から自己催眠術が最も強力な催眠技法となるのだから。
Posted by ブクログ
耳にしたことはあるけれど、イマイチよく分からない(強いて言えば胡散臭い)催眠について、初学者でも理解できる言葉でまとめられている本です。
教室では生徒が無意識のうちに生徒たる振る舞いをしており、同様に催眠でも催眠をかけられる人が無意識に催眠をかけられる人たる振る舞いをすることで催眠現象がおこる…催眠は催眠をかけられる人の能力である…という旨の言葉に、自分としてはかなり納得感がありました。
読む前よりも催眠が身近に感じられる様になったと思います。一度試してみたいな。
京極堂シリーズファンとしては、冒頭に姑獲鳥の夏の引用を持ってきているところに凄くしびれました。誰にでもおすすめできる本です。
Posted by ブクログ
まさにタイトル通り催眠についての入門書といえる一冊。催眠や人心把握のスキルに興味があって読んでみたが、いわゆるハウツー本のようにビジネスなどで活かせる方法が直接的に書いてあるわけではなく、タイトルに忠実に催眠の理論や実践法について丁寧に、"それ以上でも以下でもない"表現でまとめられている。非常にわかりやすい内容。
個人的には暗示は実現することがあるという意味で日頃からポジティブな言動、思考を心がけたいと思ったし、仕事で疲れた際には自律訓練法を行い集中力を取り戻していきたいと感じた。
Posted by ブクログ
この本の内容を自分に試してみたら、催眠術の片鱗を味わうことができた
催眠術なんて眉唾もんだと思ってたけど、実際は心理的なコミュニケーションテクニックを最大限に活かして暗示をかける技術だと感じた
様々なコミュニケーションテクニックを使っているので、そこから抽出したエッセンスはセールスやマーケティングにも使えそう
面白かった
Posted by ブクログ
催眠術のやり方。怪しい所はなく、コミュニケーションを通じて人の意識をコントロールできる部分に触れていくやり方を記述。まずは、秘術者との信頼関係を気づき、生物的に無理のないやり方でその暗示に人体を当てはめていき、暗示の正当性を高めていく。例えば、コーンスタム現象と呼ばれる伸ばした手を下に押さえつけ、その後上昇していくことを暗示と同時に行う。
ただ、結局催眠がなんで起こるのか、かかりやすい人とかかりにくい人の差などの仕組みの部分はここでは明かされようとはしてはいない。
Posted by ブクログ
暗示とは体験や意識、行動の変容をもたらす言葉。何かの変性が起こることを示す。
ダブルバインド→右手か左手どちらの方が重いですか?→重いのを受け入れる。
Posted by ブクログ
催眠というと怪しいが、実生活でプラスに活用可能な技法だと感じた。
■催眠の定義
知覚や感覚、感情に関して、何か変化が起こるという期待があったときに、実際ににその変化が実現する現象
■催眠のスクリプトの構造
①知覚や感覚の変化に関する期待を持ってもらう
②想像をしてもらうと、その期待が実現する
③実現した現象を体感していると、より強化される
■催眠を体験しやすい人
目の前のことに集中するあまり、周辺の物事への注意が低下する。このようなタイプの人は、催眠を体験する上で適性があると言えるでしょう。
同じような理由から、「飲み会で他の人のグラスが空になっていることに気づかない」「考え事をしていて電車を乗り過ごすことがよくある」なども、催眠を体験しやすい人の特徴です。
■まとめ
催眠とは、言葉の技法です。
私たちの身の回りは言葉で満ちています。他者からの言葉もあれば、自分自身に語りかける言葉、まだ言葉になる前の言葉さえもある。世界に飛び交う多くの言葉は、人々の感覚を、思考を、現に変えています。
Posted by ブクログ
催眠というと怪しいが、実生活でプラスに活用可能な技法だと感じた。
■催眠の定義
知覚や感覚、感情に関して、何か変化が起こるという期待があったときに、実際ににその変化が実現する現象
■催眠のスクリプトの構造
?知覚や感覚の変化に関する期待を持ってもらう
?想像をしてもらうと、その期待が実現する
?実現した現象を体感していると、より強化される
■催眠を体験しやすい人
目の前のことに集中するあまり、周辺の物事への注意が低下する。このようなタイプの人は、催眠を体験する上で適性があると言えるでしょう。
同じような理由から、「飲み会で他の人のグラスが空になっていることに気づかない」「考え事をしていて電車を乗り過ごすことがよくある」なども、催眠を体験しやすい人の特徴です。
■まとめ
催眠とは、言葉の技法です。
私たちの身の回りは言葉で満ちています。他者からの言葉もあれば、自分自身に語りかける言葉、まだ言葉になる前の言葉さえもある。世界に飛び交う多くの言葉は、人々の感覚を、思考を、現に変えています。