【感想・ネタバレ】イギリス帝国の歴史 アジアから考えるのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

P.59-62 七年戦争による財政赤字と負債の増大があまりに急激であったために、その負担の一部を北米植民地に転嫁せざるを得ない状況に追い込まれたのである。
こうして本国政府は1765年に、法律・商業関連の文書だけでなく、新聞や書籍など印刷物全てに本国発行の印紙を貼ることを義務付けた印紙法を導入した。植民地側が「代表なくして課税なし」の論理で同法に激しく反対したことはよく知られている。印紙法は現地植民地の反対で、翌66年に撤廃に追い込まれた。
しかし本国政府は67年に、蔵相タウンゼンドが別の形の増税策として、茶、ガラス、紙、ペンキ、鉛に輸入関税を課した(タウンゼンド諸法)
(中略)
イギリス商品とイギリス的生活様式を拒否することが、植民地側の独自性を主張する手段になった。
(中略)
本国政府は、北米植民地への茶の直送と、その独占販売権を東インド会社に与える茶法を、1773年に制定した。
同年十二月十六日、茶法に反対した商人・急進派市民が先住民(ネイティブ・アメリカン)を装った上で、ボストン港に入港していたイギリス東インド会社船を襲い、積荷の茶を海に投棄するボストン茶会(ティー・パーティ)事件を引き起こした。
(中略)
消費パターンの脱イギリス化、その典型としての紅茶の拒否が、アメリカ人のアイデンティティの確立にとって不可欠となっていったのである。

P.206 ポンドの価値を実勢レート以上に過大評価した旧レートでの金本位制への復帰は、イギリス本国の産業界にとってはポンド切り上げとなり、輸出を困難にして打撃を与えた。他方、ロンドン・シティは、海外のポンド建て資産の価値を温存でき、ニューヨークに対抗する国際金融センターの地位を保つためにも必要な措置であるとして、この政策を歓迎した。

P.257-258 国境を越える広域史(regional history)、広域の諸地域相互の関係史(trans-regional history)など、新たな枠組みを創出する必要がある。その一つの実例として、現在、世界中の歴史家や社会科学者が注目しているのが、グローバルヒストリー(global history)と呼ばれる歴史の捉え方である。

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2017年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 かなり読むのに時間がかかってしまった。中世の終わりから現代までのイギリスを中心とした世界史を駆け足で辿っていく感じ。何年に何が合って…と形式的な記述が多いため世界史の年表がざっくりにでも頭に入っていないと読みにくいし、内容の理解もいまいちになってしまう。
 植民地時代のイギリスは圧倒的な権力で支配していたのかと思っていたが実際には軍事力では解決できないことも多く、外交の駆け引きなど複雑なやりとりがあった。現在はアメリカにヘゲモニー国家の地位をとって代わられたが、イギリス帝国の遺産は現在も世界に大きな影響力を持っていることにも注目したい。
 教科書で教わるような歴史認識が近年見直されているようだ。新たな資料が見つかり、新たな定説がなされて、それが議論される。今確立されている歴史も事実ではなくあくまでひとつの認識ということを意識するべきだろう。

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2014年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ロンドンオリンピックにかけて、
イギリスの歴史を知ることを目的に本書を取った。

イギリスは、世界の覇権を握った。
その歴史と、その影響力の及ぶ範囲の広大さに驚く。歴史をほとんど勉強してこなかった自分だが、奴隷貿易という重要な問題について、知らなかった自分に驚く。アメリカの独立に対する背景、インドとイギリスの関係、そして、アジア、アフリカ。
歴史を知らずして、グローバルを語れないとつくづく感じた。

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2013年01月05日

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