【感想・ネタバレ】魔女・怪物・天変地異 ──近代的精神はどこから生まれたかのレビュー

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Posted by ブクログ

好奇心の歴史。中世と近世の分かれ目は好奇心の捉え方だった。人間の知識へな探究を是とするか非とするか。

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2020年03月17日

Posted by ブクログ

「好奇心」をキーワードに中世から近世にかけての社会の精神変容を著している。

アウグスティヌスがやたら知りたがることを悪徳であり神を試す行為だとし、中世初期において好奇心は芳しい評価を受けるものではなかった。
スコラ学派が知識の追求につき折り合いをつけた。さらに、アメリカ大陸発見により自然の驚異が著しく増加したため、中世の精神の影響はあるものの知識の追求を善とする考え方が主流となっていった。

知識にも中庸が必要だとされた時代があったことには驚いた。ファウスト博士の知識欲と悪魔の取引が結びついた理由が最終章で分かった。

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2023年09月15日

Posted by ブクログ

ヨーロッパ中世末期。魔女狩りが激烈をきわめる中、各地で怪物、凶兆、天罰等々、怪異現象が大増殖した。前代未聞の規模で押し寄せる「異なるもの」に対して、人々は恐れおののきながらも、その異形に魅せられていく。畏怖と好奇心の交錯するなかから、いかにして近代的精神は立ち現れてくるのか。そこにどのような人間的本性が見えてくるのか―。ヨーロッパ中世怪異を丹念にたどり、近代的思考の誕生を切り出す。(袖)

結論に至る過程の事例に興味があったので満足ですが、結論の章は駆け足に感じました。
全体的に、ヨーロッパにおける近代的精神の誕生というより、好奇心の価値の変遷のような。
ジェンダー論まで出てきたのは驚きましたが、確かにいまでも時代錯誤な方はいますものねぇ…。

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2018年10月25日

Posted by ブクログ

好奇心、あるいは(好奇心の対象となる)驚異に着眼し、西洋諸国での扱われ方の変遷を追った一冊。
キリスト教的価値観の元で戒められてきた好奇心が、新大陸の発見による驚異の拡大で揺れ動き、近代にいたると合理主義の下で推進力となるもの(ただし男性の好奇心に限られており、女性の好奇心は相変わらず旧来の、慎むべきものとして扱われていた)と変化していく様を、資料からの引用と照らし合わせつつ読むことができる。固くなりすぎず、読みやすい。
タイトルに魔女・怪物・天変地異とあるが、扱われる順番は逆になっており魔女に関する記述は第四章、怪物は第二~三章、天変地異は一~二章で主に扱われている。

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2018年10月06日

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