【感想・ネタバレ】キャラ絵で学ぶ! 地獄図鑑のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

地獄。
人を悔い改めさせるための場所。
とんでもなく遠い場所にあって信じられないほど長く苦しみ続ける場所。
でも、一体どんな場所?
ダンテの『神曲』ではないが、私たちも地獄を歩いてみることとしよう。

源信が著した『往生要集』に書かれた地獄が、私たちの想像する地獄のモト。
地獄に行く前にまずは事前学習。
「九相図」という絵について説明があるが、これ、見たことがあるが結構グロい。
が、そこが大事なのではなく、(美女が腐っていく様子なのだが)人は皆平等で、日々を正しく生きよ、という教えだとのこと。
説明なければただのグロ、やはり先達は欲しいものだ。

地獄で審判をする「十王」というのが仏様の別の姿、というのは知っていたが、仏界のスーパースター揃い踏みだったとは知らなかった。
仏様、天上にもおられ、地獄にもおわしまし、人間界を救うなんて忙しすぎる!
閻魔大王は、死者第一号で天上界の番人で、地獄の王様に転職した上に地蔵菩薩で…。

地獄はどこも行きたくないが、特に屎泥処(しでいしょ)は嫌だ。
熱せられたうんちの海でもがき苦しむのだそうだ。
食べ物、大事にしよう…。
叫喚地獄は酒を浴びるほど飲んだものが落ちる場所。
煮えたぎった銅をのまされる。
お酒は、適量にしよう。
大叫喚地獄のミニ地獄、異異転処(いいてんしょ)は信頼するものから裏切られるという場所(ついでにノコギリでギーコギーコと体を切られる)。
大切な人を裏切ったものが巡る場所なのだそうだが、大切な人は傷つけたりいなくなってしまってから分かっても遅い。
周囲の人を大事にしよう。

可愛い絵だから見ていられるが、書いてある内容は刺激的。

でも仏様、昔から思ってましたが、子供が親より先に死んだからといって賽の河原で苦行を与えるのはひどいじゃないですか。
たとえ地蔵菩薩が助けに来てくれたとしても。

0
2022年07月03日

Posted by ブクログ

子供向けですが初心者にはだいぶ詳しく書いてあります。キャラクターになっているのでだいぶ分かりやすいです。

0
2021年02月03日

Posted by ブクログ

む、む、むっちゃこわいんですけどー
地獄の恐ろしさはなんとはなく知ってたんですが
いやあ
こわいねえ
今んところ、なにもやっていない(気がする)ので
大丈夫と思うんだけど
いや、分かりませんよねえ
むずかしい漢字いっぱいでした
これ絵本です
お子さんたち 読まれてどうなんでしょうか?

≪ 地獄での 辛さに比べりゃ 今極楽 ≫

0
2020年10月24日

Posted by ブクログ

日本図書センターのキャラクターシリーズの絵を描いているいとうみつるの絵は、個人的には好きでないのだが、地獄をリアルに描くと子どものトラウマになってしまうのでこれくらいコミカルでふざけた感じがちょうどいいのかもしれない。
絵本『地獄』がちょっと前に流行ったが、あれは地獄絵図に文章をつけただけだったので日本の仏教における地獄がどういうものなのか具体的にわかるものではなかった。あれを見て、もっとちゃんと知りたいという子どもがいても子どもに読めるような本はなかったから、これはその点で評価できる。
私も知らないことがたくさんあり、勉強になった。生きている間悪いことをしないようにするため考え出された地獄なので、当時(源信が『往生要集』をまとめたのが985年)の倫理観や犯罪の種類なども推察できる。子ども向けなので「不邪淫戒」を「異性ときよらかなつきあいをする」などソフトな表現となっている。
仏教の五戒「不殺生戒、不偸盗戒、不妄語戒、不邪淫戒、不飲酒戒」をあげ、「それほど難しいことではないんだよ。」「これならできそうですよね!」とあるけど、小学生ならできるかもしれないが(小学生なら気をつけるのは不妄語戒くらいだろう)、大人はなかなか難しいんですよね‥‥。
それぞれの地獄の場所(深さ)を正確に測ったら地球を突き抜けちゃうなんて面白いことも書いてある。地獄の大鬼は牙だけで57.6㎞もあり、「東京駅から八王子市・つくば市・横須賀市・鴻巣市までがそれぞれおよそ50kmありますから、それほど大きなきばをもつ大鬼が、どれほど大きいかわかるでしょう。」(P52)ってそんなに大きかったら全身を目視することは不可能では?というか、現代でも大抵の人は宇宙スケールやナノスケールの大きさや光速などを具体的にイメージできない(私はできない)ため、すごく大きい、広い、速い、小さいで済ませているが、昔の人もそうだったんだなあと、微笑ましい。子どもが友達より優位に立つための自慢「オレ、ミニカー1000台持ってる」みたいな、「すんごく深いんだから、すんごく大きいんだから」っていう。数えたんかい、測ったんかい、見たことあるんかい。
当時の犯罪には、今と同じものも多いが、今はほとんど無いものもある。「普受一切資生苦悩処」は僧でありながら「女の人をたぶらかした者」、火髻処(かけいしょ)は「尼さんに辛い思いをさせた者」がこの苦しみを味わう(どちらもP113)とあり、僧侶の妻帯が許されなかった時代、尼僧の地位が低かった時代にはこういうことが結構あった、ということでしょう。仏様へのお供えを食べた者が受ける責め苦というのもあった。飢饉もあった時代、それくらい許してよ、と思うが。
それにしても、想像力豊かに色んな責め苦を考えたものだなあ、そしてそれを信じた人も少なからずいたのだろうなあ、と感慨深い。今地獄を信じられる人は絵を見た子どもくらいかもしれない。
だいたいにおいて良かったが、火末虫処(かまつちゅうじょ)には404もの病気があり、どれも「世界中の人々を1日で死なせてしまうほど、こわくて苦しい病気ばかりです」はいいけど「新型コロナウィルスも、もしかしたらこの地獄からやって来たのかもしれません。」(P94)は入れない方が良かった。こういう文章をスルーしちゃうすばる舎という出版社はあまり信用ならんなあ、と思った。

0
2020年09月13日

「学術・語学」ランキング