【感想・ネタバレ】食品添加物はなぜ嫌われるのか―食品情報を「正しく」読み解くリテラシーのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年12月04日

「健康のためには減塩」は世界共通
塩はもっとも注意すべき食品添加物だという著者の指摘が印象的だった。減塩は高血圧予防になり、WHOは成人の摂取量の目安を1日5g以下としている。小さじ1杯分だ。和食の短所は塩分が高いことなので、地中海食のように健康食としては広まらなさそう。しかし守りたい食文化ではある...続きを読むので、塩分を控えておいしい、これを普段の食事から意識したい。テーブルに塩を置かない、酢や香辛料を使うなど。食品添加物やワクチンを理解しないまま必要以上に避けることも問題点と分かり、適切な情報を得る大切さとそれ以上にデマをなくすことの難しさを感じた。

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Posted by ブクログ 2022年10月21日

食品添加物、と聞くと悪いイメージが先行してしまう。本来なら入れる必要がないのにも関わらず、味や見た目や香りを整えるためのものとして、まるで異物混入のようなまなざしを向けているように思える。

添加物の種類ごとの安全性の評価が国ごとにバラバラで、例えば、日本では普通に使われているが、ヨーロッパで認可さ...続きを読むれていないから、危険だという認識は必ずしも正しくないのだそう。

こと食品に関して言えば、間違った情報には身体に悪影響を及ぼすこともある。特に、アレルギー反応を起こす食品が混入されていた場合は、誤った情報を得たために死に至ることもある。

また、表示義務のないものもあるため、ラベルに書かれた原材料が全てではないのだそう。

パッケージに書かれている、原材料名の項目をチラリと見かけた時、添加物の種類の多さに驚くことがある。正直、例えば膨張剤だとか香料だとかに対して、直に拒否反応を起こす自分がいる。

しかし、それらは一体誰の知識なのか。どこから仕入れた情報なのか。いつの知識なのか。そのことを念頭に置きながら、情報が溢れている現代では難しいかもしれないが、多角的に判断して、ときには保留にすることも必要なのかもしれない。

なかなか目を見開くことの多い一冊でした。

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Posted by ブクログ 2021年03月15日

この題名を見たとき「なぜ嫌われるのか」というワードにひっかかった。食品添加物=体に悪い、だから嫌われてるんでしょ?と疑問だった。
しかし、本書を読んで食品添加物だから食べないほうがいい、無添加だから安全、身体に悪くない原料だから大丈夫という考え方が大きな間違いだということに気付かされた。

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Posted by ブクログ 2020年07月26日

食品添加物について極めて真面目に書かれた本である。
この手の本は、巷にいかに危険な食品添加物が含まれた食品が並んでいるかをセンセーショナルにうたっているものが多いのだが、本書はそのような本に対しても批判的である。
本書の内容で大事なこと
自然由来が安全とは限らない。自然由来の毒物や発ガン性が確認され...続きを読むているものはいくらでもある。物性が確認できていない自然由来の添加物よりも毒性を含め特性が解明されている食品添加物の方がむしろ安心安全。
食品添加物として認可されているものが、それだけで安全とは言えない。あくまでもこういった条件で使う分には問題ないという認可条件を確認する必要がある。食品添加物として認可されているからといいつつ、添加物以外の用途で使われている事がある。
無添加という表示が宣伝文句として使われることの危険性。それが無添加として代わりに添加しているものは問題ないのか。

そのほかにも、食品の安全に関する情報が満載である。安全危険を決めつけで語るのではなく、事実を冷静に語り、必要な情報はどこに行けばみることとができるのかを教えてくれる本である。自分自身の判断基準を持ちたい人にお勧めします。

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Posted by ブクログ 2023年07月06日

自分が如何に表面的な情報に流されているのか思い知らされることが幾つかあった。食品表示の何を見てどう判断するか、それが健康に関わる重要な情報なのか、それとも企業や業界の広告に過ぎない無意味なものなのか。何となく国産が良さそう、昔から食べられているものだから安全、よく分からない食品添加物が含まれるから避...続きを読むけよう、という判断基準が如何に曖昧か。この本のすべてを鵜呑みにするわけではないが、前に読んだ本とは対象的な内容もあり、主張の異なる本を読むのは面白い。

以下覚え書き。

ヒジキに含まれる無機ヒ素はヒトでの発がん性が確認されていて、その作用は遺伝毒性(遺伝子を傷つける)による可能性が高いため、放射性物質と同じように、摂取量は実行可能な範囲でできるだけ少なくすべきもの。欧州やオーストラリアでは販売禁止あるいは基準値を設定して厳しく管理されている食材。
また、ヒジキの鉄分の大部分は茹でる際の鉄釜由来であったことがわかっている。
乾燥ひじきは水戻ししてから茹でるなど、手間をかけてもヒ素の含有量は7分の1程にしかならず、目安量の数十倍から数百倍とってしまうことになる。それに比べたら食品添加物の鉄のほうが安全。
「今まで食べてきて大丈夫だった」という食経験は発がん性物質についてはあてにならない。

日本人の健康にとって最も害が大きい食品添加物は食塩。法律で定義されている食品添加物を嫌って、食塩を多く使った昔風の梅干しなどがよいといった言説は健康にとって有害無益。和食の最大の欠点は食塩摂取量が多くなること。海外デ和紙ブームが起こった程度で和食の健康への影響に関する科学的根拠が乏しいのに推進しようというのは通用しない。どこの国の人たちも自国の食文化には誇りをもっていて、同時に健康にもよいものだと信じたい。それでも欠点を発見、改良し、適応していくのが科学。

カフェイン摂取量は妊婦さんや子どもでは成人より少なく設定されている。これは妊娠中のカフェイン摂取量が1日200ミリグラムを超えると、生まれてくる赤ちゃんの体重が60〜70グラム少なくなる可能性が、カフェイン摂取量の少ない群より6%ほど高くなるという結果が出たため。これは妊娠中のビタミンA過剰摂取による赤ちゃんの先天障害のようなものに比べればさほど重要ではないと考えられる。また、子どもの脳機能の発達に、カフェインが有害影響を与えるという明確な根拠もない。ただ、脳の発達が盛んな時期に中枢神経系に影響するようなものを恒常的に摂取するのは勧められない。

食品の表示で重要なのはリスクが大きいもので、アレルギー物質や消費期限。次に長期的に健康に映姫するもので栄養成分表示など。原材料中の食品添加物や産地は安全性とは関係ない。識別に自信のない消費者が食品偽装に騙されたくないのなら、同じような野菜や果物、魚が一方は国産で値段が高く、もう一方は中国産で値段が安いのなら、中国産と表示してあるもののほうが偽装の可能性は低い。何となく雰囲気で良さそうと判断してしまう人たちが偽装の標的。

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Posted by ブクログ 2022年12月03日

食品添加物に対して、確かにあまり良いイメージを持っていなかったけど、
・オーガニック、無添加のほうが不純物の混ざった添加物の代用品を使っている可能性がある
・オーガニックは微生物汚染などのリスクがある
・基準は国によって異なる
など、色々と学びがありました。
欧州で鰹節は輸入禁止なの知ってたけど、そ...続きを読むの理由、出汁は基準値を下回る、燻製より、直火、網焼きの焼肉のほうがその成分が多いとかは、これからの生活で意識してしまいそう。

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Posted by ブクログ 2020年07月14日

知識不足、理解不足な方たちに向けた嫌味な語りで始まる。読み手としては楽しめた。少々クドく長いが添加物について知識を得た。2、3ページのダイジェストが欲しいところ。

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Posted by ブクログ 2023年02月17日

どこかで本書の存在を知って気になったんだけど、はて、どこだったか。食事って、誰もが関係するものだから、翻って誰もがあれこれ口を出しやすい分野。それはそれで結構なんだけど、極論や偏見が入り込みやすいことも事実。本書は添加物がメインテーマなんだけど、それだけを食べるってことはよっぽど無い訳だし、必然的に...続きを読む食事絡みの話が多くなる。個人的に特に気になったのは、日本人の健康にもっとも害が大きいのは食塩、オーガニックが重んじられがちだけど、加熱や殺菌は安全のための人類の知恵ってこと、あと、ライチで低血糖が起こる、あたり。ある意味、日常的な問題でもある訳だから、摂取物に対する然るべきアンテナは立てておきたいもの。

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