【感想・ネタバレ】ゴッホのあしあとのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

フランス旅行の予習として読んだけど、先に「たゆたえども沈まず」を読めばよかった。
原田マハさんはゴッホについてめちゃくちゃ調べていて、「ゴッホのあしあと」というタイトル通り、ゴッホのいた街を辿っていて、ものすごくゴッホを理解しているし、ゴッホ愛を感じた。

不勉強者なので、欧州でジャポニズムと呼ばれ日本文化が流行していたことを、先日「物語パリの歴史」を読んで、初めて想像がつくくらい理解した。雨を線でかく描写など、日本美術はかなり西洋の方々にとって斬新だったんだよ〜といった話を高校時代の歴史の授業で習ったことはぼんやり覚えていたけれど、やはり自分から積極的に学ぶと解像度が違う。

しかし、欧州の画家が浮世絵を模写していたなんて。
しかもゴッホが模写していたってなんだかめちゃくちゃ嬉しいな〜。
原田マハさんはゴッホが生涯日本に憧れ続けていたという仮説を話していたけれど、本当にそうだったとしたらさらに嬉しい。

ゴッホはパリにも焦がれていたとも書かれていて、パリを、誰もを受け入れてくれるような、一方で誰も受け入れない街のように表現していたけど、なんだか現代の東京に通じるものを感じた。
大きな街って、そうなってしまうのかもね。

ゴッホは狂人ではないと主張していたのもとても共感したし、原田マハさんのゴッホ愛を感じる。
耳を切る話だけ一人歩きしすぎなのよね。

パリに行くからにはゴッホの見た風景や感じた空気を味わいたい。
2023年現在だとゴッホの時代と大きく変わった街になっていると思うけど、フランスは古い建物も多いと聞くし、楽しみだ。

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2023年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マハさんの「たゆたえども沈まず」を読んだので、今まで美術史とかフランスの歴史とか(そもそも世界史はあまり知らない)分かってなかったので、これを機会に19世紀のフランスやゴッホが生きた街、また浮世絵がどんな風に世界に広まっていったのか整理したいと思い手にとった。

画家のことを語るマハさんは、憧れの人を見つめる少女のような、読んでいて、「なんて可愛らしい方なんだ!」と感じる部分があって、親しみが増した。
「たゆたえども沈まず」を書こうと思ったきっかけや、ゴッホの絵画に惹かれつつ、遠くから眺めている存在。ルソーやビカソの話はあたためてずっと構想をねって小説にしたのに、ゴッホの話は一気にまとまっていたこと。林忠正の存在を知ったことで、林さんのご親族の了解まで得て仕上げたこと。
作家さんて、ずっと家で籠って資料だけ読んでるのではなくて、マハさんがゴッホのあとを追いかけて、ここだ! ここかも!と考えながら描いていった様がリアリティーを生んでるんだなと思った。ちなみに、マハさんはとにかく動く!すごい行動力がある方である。

連載小説を書いてるときって、先の先まで検討がついたうえで書く場合もあるんだろうけど、「たゆたえども沈まず」は、手探りというか、まさか最後のあのシーンとか、たまたま途中で浮かんだ!とか聞くと、そういうことが同時進行でやってのけてしまう得るのが、やっぱり作家さんなわけでさよ。すごすぎるだろー。
ゴッホは史実ではセーヌ川を描きたいとか思ってわけではなかったようで、『星月夜』の絵がまるでセーヌ川を描いてるように見えるという、担当者さんの一言で、そういう筋書きに持っていくことにした、という話とか、見きり発車的小説なのに、すごく納得できた。事実は変わらないけど、マハさんによって幸せな真実を描くことができたなと私は思う。
といっても、本当のところゴッホが自殺したのか他殺だったのかは謎だという。
でも、「たゆたえども沈まず」では、弟テオへの思い、兄弟愛を描いているし、林忠正が日本代表としてゴッホの背中を押した人物として関わっている。
この本は「たゆたえども沈まず」の著書によるあとがき。舞台裏を描いたエッセイだ。
もう一度、「たゆたえども沈まず」を読み返したくなる。

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2023年03月13日

Posted by ブクログ

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通勤時の本として、積読本の中から手に取った一冊。
薄い本なのに、中身はぎゅっと詰まってて、
全く美術に無知な私にもわかりやすく、
読後は、ゴッホを好きになっている一冊です。

ゴッホは生前、弟テオに向けて、たくさんの手紙を出していたこと。
テオは、兄ゴッホの才能を信じていたこと。
ゴッホは最初から画家を志していたわけではないこと。
苦悩し、葛藤していたこと。
浮世絵に影響を受けていたこと。
本書内では、「たゆたえども沈まず」の創作話にも触れてます。

西洋美術とか、絵画と括られると、
「ふーん、すごいなあ」ぐらいにしか思いませんでした。
だけど、一人の人間が本当に存在していて、
その人がどんな生涯を送って、
どんな気持ちでその絵を描いたのか、
絵画と向き合っていたのか、
それを知り、思うことで、絵画の見方が変わりました。
敬意を持ち、興味深くなり、受け取る感性に厚みが増す気がしました。
さらに好きになりました。

「たゆたえども沈まず」は未読でしたが、
これはすごい読書経験になるかも…予感です。
原田マハさんは本当にすごい。
絵画の世界に連れてってくれるから。

この前、ピカソの展覧会に行き、
ピカソ、クレー、マティスの絵画に会いました。
昔の私だったらたぶん行かなかったのですが。
ピカソの展示スペースはたくさん人がいて、
時代を越えて愛されているんだなあ、と。
絵画を描き上げる気持ち、信念と決意、パワー。
ありがとう、と言いたくなりました。

よし!
「たゆたえども沈まず」を読みます…!

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2023年01月29日

Posted by ブクログ

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芸術家を題材にした小説が多い原田マハ

この作品は「ゴッホ」の生涯の謎や思い出を ゴッホが訪れ住んだ地を原田マハ自身が巡りながら 考え紹介していく。

今までに読んだ原田マハ作品での表現や、画家たちの解釈なども紹介していて とても面白い。

ゴッホの足取りをたどりたいゴッホファンには 旅先のガイドブックになること間違いなしだ。

ぜひ ゴッホの作品集を眺めながら読むと また違ったゴッホに出会えるかもしれない。

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2023年04月29日

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