【感想・ネタバレ】モンキーアイランド・ホテルのレビュー

あらすじ

骨董商の海都譲治が、その奇妙な名前のホテルを訪れたのは、10年ぶりのことだった。スコットランドの静かなホテルで、偶然出会った若く美しい日本人女性との、めくるめく日々――それが、彼をおびやかすことになろうとは……。という表題作のほかに、『奇跡』。名翻訳家が初めて挑戦する、ミステリー仕立ての珠玉の作品集。

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Posted by ブクログ

 「モンキーアイランド・ホテル」「奇跡」の2編による作品集。井上さんといえばボブ・グリーンの翻訳や日記もの、それに英語に関する著作が多い方ですので、こういう作品は珍しいのでは。
 2編とも味のある作品ですが、特にお勧めは「奇跡」。落ちぶれた? 作家に「先生の名前で出版してほしい」と女性から送られてきた作品。悩んだ末に出版してしまうが、送ってきた女性は誰なのか? なぜ送ってきたのか? という謎が残って・・・
 作中作で告白される盗作の真実。作家と女性が交互に登場する形をとっているので、送ってきた女性が誰なのか、という謎は割合簡単に推測ができます。ミステリのような形体をとっているのですが、読みどころは「謎解き」よりも別のところにあると思います。ぜひ、謎を解こうと考えるよりも、物語を味わってほしい作品です。

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2009年10月04日

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